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日常という名の非日常  作者: 沙由梨
イベントの日々
6/9

テスト期間とvs生徒会

今回は三人称です。


もしかしたら、これからもよく変わるかもしれません。

あの日から2週間後、夢名月学園はテスト週間に入っていた。


そんなこともお構いなしに、生徒会メンバーは違うクラスなのにわざわざ菜々美に会いに来ていた。


同じ学年でかなりの関わりをもっているせいか、自然と話す時がタメ口になってきていた。



「何でまた来るのー? 私は絶対に入らないって言ってるじゃん」


「そう言うわけにもいかない。僕達は君に生徒会へ入ってもらいたいと心から願っているからね」


「別に私じゃなくてもいいじゃんかー」



こういった会話を繰り返す。それは菜々美達だけでなく、周りの人にとっても当たり前の日々となっていた。



そんな時、雅治は何かを思いついたかのような顔をして菜々美に提案した。










「それじゃあ、勝負をしないかい?」



「…………………勝負?」




雅治の提案に菜々美は顔をしかめた。







その内容は、菜々美に不利を思わせるものだった。



雅治の提案は「テストで僕達が勝ったら生徒会に入ってもらう」と言うものだ。




雅治達は成績優秀であり、いつも1〜4位を独占していたのだ。


それに比べて菜々美は全生徒の半分くらいの成績であり、負けるであろうことは確定していると言っても過言ではなかった。




明らかに菜々美が不利な状況のため、流石にある人物が抗議をあげた。



その人物は菜々美の親友である永原(ながはら)友理奈(ゆりな)で、唯一生徒会に惹かれていない人物でもあった。



「ねぇ、それは流石に菜々美が不利なんじゃないかしら? あなた達は成績優秀だけど、菜々美は特に成績が良いわけじゃないのよ?」


「そうだよ! 不利にも程があるよ!」



菜々美は友理奈の意見が最もだと思い、一緒に抗議した。




しかし生徒会はそこまで不利な状況であるとわかっていても、どうしても菜々美を生徒会に入れたかった。


それに菜々美は超能力をもっている。だから勉強に何かしらの影響があると考えていた。



「それじゃあ菜々美君側に永原さんがついて、僕達の1人にでも勝てたら無効ってことでどう?」


「それはそれでどうなのよ? あと、いつの間に菜々美を名前で呼ぶようになってるのよ」


「友理奈、名前に関してはもう諦めてるから。でも……それなら良いかな」


「菜々美!? 何言ってるのよ!?」


「本人が良いならそれで決まりだね。結果を楽しみにしてるよ」



そう言って雅治達は去っていった。



「菜々美、どういうつもりなの!? 負けたら生徒会に入ることになるのよ!? 相手は当然勉強するだろうし…!」


「うーん……ま、負けたら仕方ないよね。でも、安心してよ」



菜々美はそう言って、笑った。



その笑みを見て、友理奈は何も言えずに俯いた。


そんな友理奈を見て、菜々美は笑みを崩さずに言った。




「大丈夫、今回は本気を出すからさ(・・・・・・・・)







時はとんでテストの結果発表当日。



菜々美と友理奈は1位~10位の順位が貼り出されている廊下にいた。



「菜々美、ごめん…。頑張って勉強したんだけど……」


「ううん。その気持ちだけで嬉しいよー」



残念ながら友理奈の名前はそこに載っておらず、生徒会メンバーに勝つことは出来なかった。













……そう、友理奈『は』勝てなかったのだ。



「……………………有り得ない……」


「あらら、順位が落ちるって結構悔しいね」


「流石は菜々美ちゃん、てところかな」



いつの間にか菜々美達の傍に来ていた生徒会メンバーが次々と感想を言葉にしていった。



菜々美自身もこんな結果になるとは思っていなかったので、ただ頬をかくことしか出来なかった。



「本当、今すぐ君を生徒会室に連れ去りたいくらいだよ」



いつも1位をとって女子の気を惹いている雅治ですら、苦笑いをすることしか出来なかった。




何故ならその順位表には、それくらい驚きのことが書いてあったのだから――――。















 成績順位


 1位 宮本菜々美 498点



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