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日常という名の非日常  作者: 沙由梨
さらば平凡な日々
5/9

非日常の始まり

――現在――



頑張って生徒会メンバーから逃げていましたが、最終的に捕まってしまいました。


周りの人に助けを求めたけどそれが彼らの日常になりつつあるのか、最初は嫉妬の視線を向けていた人も今は同情の視線になっています。



「さて、それじゃあ生徒会室に行こうか」


「誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」




抵抗も虚しく、私は簡単に生徒会室に連れていかれました。



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



「宮本菜々美さん、どうしても生徒会に入るのは嫌かい?」


「嫌です。私は平凡な日常が好きなんです」


「強情だね。大抵の人は誘えば即刻入ってくれるのに」


「私は違いますから」



全ての人間が生徒会メンバーに惚れ、全ての人間が生徒会に憧れ、全ての人間が生徒会に入りたいと思っているわけじゃないんだから、驚く必要なんて全くないでしょ?



私がそう考えている間にも、会長である刀利君は話をどんどん進めていく。



「3日前にも言ったけど、君の超能力は不明なんだ。世間に広まれば少なからず君を狙ってくる人間もいるだろう。そうなったら君の命も必然的に危なくなる。だからこそ、生徒会に入るべきだと僕は思うんだけど」



何で分からないのかな、と言って溜め息をつく刀利君。



つーか、何でそっちも私の気持ちを理解しないんだよ。

生徒の心を理解して対処するなら、私の気持ちを理解して対処しろ。




そんな私の心情が理解出来たのか、再び刀利君は溜め息をついて私に問いかけるように話しかけた。








その内容で、私が怒るとも知らずに。




「どうしてそこまで生徒会に入ることを拒むの? 生徒会に入れば学園の生徒を思うがままに出来る。さらには僕達とも関わることも可能。それに僕達は惹かれてるんだ。君の『超能力』に」








…………………は? 今こいつ、何て言った?


生徒を思うがまま? 僕達と関われる? 私の『超能力』に惹かれてる?


















――――ふざけんな。





私は瞬時に立ち上がって刀利君の胸ぐらを掴み、そのまま思い切り突き飛ばした。




いきなりこんなことをされると思っていなかったのか、刀利君は尻もちをついたまま呆然としている。


そんなこともお構いなしに、思ったことをそのまま直球に伝えた。




「人の気持ちを理解出来ない刀利君に教えてあげます。私は比べられないくらい大嫌いなことがあります。

 1つ目は人を思うがままにして操ること。人にはそれぞれ心があります。それを利用して頂点に立つ、なんて小説などは1番嫌いです。物語の中で嫌いなんですから、リアルでは大嫌いに決まっているでしょう?

 2つ目は自分に溺れて過大評価しすぎる人。確かにあなた方は人一倍努力をして成績優秀、運動神経抜群、性格良、先生に頼りにされるという評価を得ているかもしれません。ですがそれによって自分を過大評価して上から見下す俺様人間は大嫌いです。

 最後、3つ目はその人自身を評価せずにその人の優れているものだけを評価している駄目人間です。あなたは今私に何て言いました? 『超能力に惹かれてる』と言いましたよね? 別に私に惚れてほしいだなんて全くもってマイナスに近いくらい思っていません。ですがそうやって人をきちんと見ない人間は世界で1番大嫌いで、憎くて、ウザくて……
















 ほんの僅かな間でも傍にいたくない人です」



私は一息ついて自分の鞄を掴み、生徒会室の扉を開けた。





「もう2度と、生徒会に勧誘しないでください。私は生徒会に入る気なんて初めからないし、今ので失望しましたから」




そう言って生徒会室を一瞥し、思い切り扉を閉めた。



(うざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざい!!! 皆の『高嶺の花』の正体があんな最低人間の集まりだなんて思わなかった!!! あんなとこ、死んでもお断りよ!!!)




心の中でイライラを落ち着かせながら、私は駆け足で教室へ向かった。



 ――――――



菜々美がいなくなった生徒会室にて。



「あんなこと言うなんて……馬鹿じゃないの? 本当に彼女に生徒会に入ってもらいたいと思ってるの?」


「勿論思っているさ。しかし、女性に対する扱いを失敗するとは、僕もまだまだ未熟ということだね」



そう言って溜め息をつく雅治。


しかしその顔には、まるで愛しい人を見るような優しい瞳をして誰もが魅了するような笑みを浮かべていた。



そんな雅治に気づいた健史は、窓の外を見つつ楽しげな笑みを浮かべて雅治に聞いた。



「どうするんだ? 言われた通り諦めるか、それとも……」


「愚問だね。決まっているじゃないか」



そこまで言って雅治は一息ついた。

そこには相変わらず、さっきと変わらない笑みを浮かべていた。









「僕は絶対に諦めない。彼女は絶対に、生徒会の一員にする」






こうして、菜々美が学園生活を過ごしつつも生徒会と徐々に関わっていく、本当の本当に非日常が始まったのでした――――。



すみません。肝心の黒幕が出てきませんでした。


なので簡単に説明すると、黒幕はゾンビを操り、無理矢理菜々美の超能力を目覚めさせた人です。






……………え? そんなこと分かってる?



とりあえず最終的には出す『予定』ですので、それまでお待ちください。

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