表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夏恋  作者: 浅色
7/10

夏恋7


「・・・ん。・・・・・みさん!」


(・・・・・)


「南さん!」



はっとして、目が覚めた。



「南さ・・・ん・・・」



声のした方を見ると、友花が心配そうに泣きながら、こちらを見ていた。



「よかったぁ・・・・」

「友花・・・・ちゃん?」



そう言って、寝ている南の体に抱きついた。

一瞬何が起こったのか分からなかったが、少しして落ち着いたらすぐ把握できた。



(あぁ・・・・戻ってきたんだな・・・・)



独特の薬品のにおい。


真新しいシーツのかおり。


白い壁、白いシーツ


まぎれもない病室にいるのだった。

友花の方を見やると、頬に違和感を感じた。

どうやら寝ながら涙が溢れていたらしい。

それで心配になったのであろう、友花があんな顔をしていたのだった。



「友花ちゃん・・・・」



そういって、彼女の髪を撫でた。

しかし、微動だにしない友花の様子が少し違和感を感じた。



「友花ちゃん・・・・?」

「・・・・zzz」



静かに寝息を立てて眠っていた。



突然寝てしまって驚いたが、ずっと付きっきりで看病なさってたんですよ、と近くにいた看護士さんが退出際に話してくれた。

そっと髪をかき分け、寝顔を覗き込む。


友花の穏やかな寝顔を見て、安堵した。

だが、目の隈や、以前見た時よりだいぶ青白い顔の色に、疲労の色が濃く現れていた。



「こんなになるまで・・・・ありがとう」



ぽつりと呟いた時、ばっと友花が顔を上げた。



「あ・・・、私寝ちゃって・・・・・」



南の顔を見て少し恥じらい気味に目を伏せた。

突然、友花を抱き寄せ耳元で呟いた。



「うんん、ずっと僕のことを見てくれてたんだね・・・。ありがとう・・・」



それを聞いて安心したのか、南の腕の中で再び眠りについた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ