首切られ男の視点
「あ~」
今日も暇だなぁ…
俺は手下三人を従えて、
街中をブラブラしていた。
今日もパチンコは大負け。
チッ、ついてねぇ。
その時。
「ん?」
目の端に入ったのは、
帰宅途中の女子高生。
しかも、かなりの上玉だ。
制服から察するに…この近所では有名な、
私立のお嬢様学校。
女子校には世間知らずが集まる。
襲うのにはもってこいだ。
相手は一人。
こちらは四人。
ちょっと悪いが、
ウサを晴らさせて貰おう。
そう思っていた。
だが、通りすがりの変な男に止められた。
「うるせぇ!俺達に、指図するな!!」俺は男を突き飛ばすと、
後ろの女も一緒に飛んだ。
仕方がない。
この男は殺して、
女だけ連れて行こう。
後は、人気のない廃ビルにでも連れ込んで…。
そんなプランを立てながら、
俺は、走り出した。
そして、
ナイフを振り上げて
何かに躓いた。
…転んだせいで、
刃先は男の顔をスレスレに走った。
俺は見事に顔面を打ち、
そのまま意識を失った。
…気がついたら、
俺は男から
羽交い締め?にされていた。
男は俺を盾に、
女を助けようとしていた。
そして、言うのだ。
"彼女から離れろ"と。
何故か、手下達は動かない。動けない、と言う事実に気付かないまま。
俺は、
それなら自力で脱出しようと試みた。
その瞬間、
大量の鮮血が
噴き出した。
スパッ、と
首が切れた音がする。
いや…首が切れたのだと自覚する頃には、
もうすでに俺の意識は混濁していた。
手下達は逃げて行く。
待ってくれ…
何で…
何で、俺を置いて…
行くんだ…
俺は意識を失い、
そして、二度と
目を開くことはなかった。




