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女の子の視点

私達の方に、

男達が寄って来る。


その一人が、

走り出した。




そして、

ナイフを

振り




上げて




そのまま




下ろされ




た。




…けど、

誰も怪我をしなかった。




男は足元不注意で、

手前の石に躓いて転んでいた。




それは見事に

美しいコケ方で、

芸人さんがやったら

大ウケする程。




しかし、

笑える状態にある程

コメディーちっくな雰囲気ではない。




青年は、

顔面からアスファルトに落ちて

気絶している男から

ナイフを奪った。




そして、

男に刃先を突き付けて

こう言った。




"彼女から離れろ"と。



青年は男を盾に、

私を助けようとしていた。




男達は動かなかった。

いや、動けなかった。




睨み合う、緊迫の時間。




しばらく経った頃、

青年が盾にしていた男は目を覚まし、

彼の腕を振り払おうと

暴れ出した。




いきなり、

大量の鮮血が

噴き出した。




よく分からないが、

どうやら男は

自分の首元のナイフに気付かないまま

もがいたらしい。


スパッ、と

嫌な音が響き渡った。




男達は逃げ出した。




私は、その

一連の出来事を

震える彼の肩越しに見ていた。


彼よりもずっと、

震えながら。




青年は両手を血に染めたまま、

私の方を振り返る。




そして。




青年は優しく、

そして哀しく、

微笑んだ。


"怖いものを見せてしまったね。すまない"


彼は、その一言だけを

私に残して




この場を去りました。

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