表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/68

第7話 新たなる希望

おはにちは!らいなぁです!

どうも最近小説を書いているときに、このストーリーで大丈夫かな?とか、この表現で良かっただろうか?と思うときが増えている気がします。

色々と迷った挙句に、これでどーだ!みたいな感じで小説を投稿していたりしますしね。

僕は学生なので、まだ良く分からないときもありますから、どうぞ生暖かい眼で見守っていただければ幸いです。

今回の紹介は前原円さんです。

やろうかどうか迷ったんですけど、一応メインキャラっぽいので紹介します。


前原まえばら まどか

年齢:秘密です♪

職業:専業主婦

誕生:3月1日


知識  ★★★☆☆

体力  ★★★★★

攻撃性 ★★★★☆

俊敏性 ★★★★☆

統率力 ★☆☆☆☆

機転性 ★★★☆☆

ギャグ ★★★★★


良祐と美鈴の母。役割はほとんどボケ。一人称は私。優雅な雰囲気漂う大人の女性。

容姿は栗色の長髪を右側頭部で結ぶサイドテールに、ほわわんとした雰囲気の顔立ち。いつも笑顔でいて、笑顔を崩したところは家族ですら、全然見たことが無い。かなり見た目が若く、娘と歩いていると姉妹に間違われる。

花柄のワンピースにピンク色のエプロンが特徴的。結婚指輪を指に着けず、首にネックレスのようにかけている。

性格は朗らか。誰にでも優しくみんなのお母さんのような空気を持っている。

知識はあまり持っていないが、昔スポーツをやっていたとかで体力はありえないほどある。

腕っ節も強く、美鈴が高校のとき、男たちが美鈴に乱暴をしようとした事件があったが、そのとき偶然通りがかった円が、男たちを半殺しにして美鈴を助けたと言う逸話がある。

夫である前原良太郎まえばらりょうたろうとは、彼女の高校のアメリカ留学中に、旅をしていた彼と出会い、円の一目惚れが始まりで、猛アタックをしかけた。

1年掛かってようやく良太郎と結ばれた円は、同じ時期に高校を卒業したこともあって、彼の生まれ故郷である東海林市に身をおく。

しかし良祐が6歳の時に良太郎は旅に出て、連絡はくるが帰ってこなくなった。

円の父親はすでに死去していて、母親が故郷の北海道で1人暮らしている。

見た目も若いし、腕っ節も強いし、何でも出来るしと、三拍子揃った最強チートママ。趣味はお世話と創作料理。

最初はゾンビをただのデモ行進だと思っていた。しかし説得されてそれがゾンビだと知る。

一応後衛だが、たまに前衛にも加わったりする。主人公の集団の最年長で精神的支柱を兼ねたみんなのお母さん的立場。

平成24年。西暦に直すと2012年。その年の8月の初め。つまり8月1日。

整理すると2012年8月1日。その日に俺たちの日常は180度変わってしまった。


俺たちが住む東海林市に大量の化け物が発生したのだ。


その化け物は人を襲い、食らい、そして同類に変える。いわゆる「ゾンビ」だ。

誰しもは一回聞いたことがある名前だろう。そのゾンビは人を食らっていき、同じゾンビが増えていく。

そうして東海林市は、一日足らずで死者の楽園と化したのだ。


俺、前原良祐まえばらりょうすけと親友の宮下冬紀みやしたふゆき、同じく親友の緋達理奈ひだちりな、そして俺の姉の前原美鈴まえばらみすずは、学校にいた際にゾンビの大量発生に出くわした。


俺たちは生きるために戦い、命からがら学校からの脱出に成功した。その際、後輩にあたる一年の小林早織こばやしさおりを救出する。

そのまま俺たちは俺の家に向かい、色々ありながらも全員無事に到着する。

そして・・・・





2012年8月2日。ゾンビ大量発生の翌日。


「・・・・・・・朝か・・・」


俺は自分の部屋のベランダで、毛布を被りつつしゃがんでいた。出来るだけ物音を立てずに、外の様子を探っている。

わかったかもしれないけど、俺がしているのは見張りだ。

こんな世の中、おちおち安心して寝てられねえからな。誰かがこうして見張ってねえと他の奴が寝られねえだろ?


幸い昨日は、ゾンビは俺たちを見失って、パチパチと燃え続ける車のほうに誘われていった。(ちなみにこれも俺の作戦だった)

そのおかげでゾンビが襲撃してくることも無く、生存者も来ずに一夜を明けることが出来た。


意外と凄いことしたんじゃね?俺SUGEEEEEEE!!

・・・・・・・・・・・悲しくなったからやめよう。っと・・・


俺はそろそろか・・・と右腕につけた腕時計を見る。5時59分。

確か6時に冬紀と交代だったな。


あ〜腹減った。さっさと交代して飯食いてえな〜。

ついでに大きな欠伸を一つ。俺は部屋の中に入って、それから立ち上がった。と同時に部屋の扉が開き、奥から冬紀が部屋に入る。


「タイミングばっちりかな?」

「おう。お前のことだからピッタシに来ると思っていたぜ」


毛布と双眼鏡を冬紀に渡し、俺は大きく伸びをする。


「お疲れ様。朝食下にあるよ」

「りょ〜かい。んじゃ、後は任せた」

「任されたよ」


冬紀はしゃがんで、さっきまで俺がいたベランダに出ていった。

俺は見届けた後、扉を開けて下に下りる。


「あっ、良ちゃんおはよ〜」

「おはようさん」


下りてすぐに、姉貴がキッチンでうろちょろしていた。


「ん?ああ、良か。おはよー」

「おはよーさん、理奈」


見れば理奈が姉貴と一緒にキッチンにいる。そういや理奈は料理が出来たんだったな。

俺は二人の邪魔にならないようにキッチンに入り、冷蔵庫から飲みかけのスポーツ飲料を出す。

これは昨日、なんやかんやあって結局飲み忘れたスポーツ飲料の残りだ。一度寝て、起きた後に少し飲んだまま冷蔵庫に入れっぱなしだったのだ。キャップを開け、少し口に含む。大丈夫。まだウマイ。


そしてリビングに行き、ソファに座る。スポーツ飲料をテーブルに置き、同じくテーブルからテレビのリモコンを手に取った。

電源を入れて、音量を何とか聞き取れる程度に小さくする。


「ニュースニュース」


俺はチャンネルを5に合わせ、リモコンをテーブルに置いた。


『・・・少しで、震災から1年と4ヶ月経とうとしていますが、復興は遅々として進んでおらず、政府の対応の遅さに非難が・・・・』


やっぱりか・・・。険しい目つきで思慮深く考える。

昨日もテレビをつけて気づいたのだが、いくらチャンネルを回してもゾンビの話題が欠片も出てこない。

1〜12チャンネル、ケータイ検索、その他もろもろ、いくらやってもゾンビ(らしきもの)が出たという情報が流れないのだ。

いつも通りに普通のニュースを流し、いつも通りにバラエティなんかをやっている。

俺が見てきた某学園黙示録やなんかは、ゾンビ発生は世界規模で起こっていた。それならテレビの全チャンネルは、当然ゾンビの話題や討論で埋め尽くされて、テレビをつけた誰もがゾンビの存在を認知出来ていた。

しかしそれが出ないと言うのは、いくら馬鹿でも気づくだろう。何かがおかしい。

だから俺は考えた。事実のみを再構成しなおして、一つの結論に到達する。


東海林市にしか、ゾンビはいないのではないか?と・・・。


これは早織も姉貴もすぐに気づいた。ゾンビ大量発生は東海林市だけの出来事だと。

そして俺たちは一つの希望を手にした。


東海林市を脱出すれば平和な日常が戻ってくる!


(何度も引き合いに出して悪いが)某学園黙示録だとゾンビ発生は世界規模だから、軍なんかに匿われでもしない限り、安息の地は無かったのだ。

しかしゾンビ発生が東海林市だけの出来事だとしたら?東海林市を出たらゾンビがいなかったら?


それ即ち、生と死の狭間から脱出できる!


希望が持てたとたん、みんながやる気を出し始めた。

昨日のうちに準備を済まし、俺たちは8月2日の8時に家を出る計画を立てた。

ここを脱出するんだ!その共通の目的のために、俺たちは今まで以上のチームワークで準備を終えた。

そして今日、8月2日午前8時ピッタシに、俺たちはまた戦いに行く。


今回は生き残るためだけじゃない。平和な日常を取り戻すために。


俺はニッと笑って立ち上がる。

まあ希望が持てたのはいいが、その前に飯だな。そう思ってキッチンに向かう。


「飯は?」


顔だけキッチンに出して理奈に聞く。姉貴はどうやらいないみたいだ。


「そこのカウンターにあるやつ」


食器を洗っていた理奈は一旦洗うのをやめ、キッチンに併設されたカウンターの上を指差す。

指差した先には皿いっぱいの野菜炒めと豆腐の味噌汁と空の茶碗があった。

俺はカウンターに回りこんで、三つあるイスの真ん中に座る。空茶碗を理奈に渡して普通盛りで。と言った。


「普通盛りで足りんのか?」

「うっせ。お前じゃねえんだ、そんなバクバク食えねえよ」

「そんなに食ってるつもりは無いんだけどな・・・」


お前マジか。米を茶碗(大盛りで)4杯いったやつがそれを言うか?

理奈は、そんなに食ってないんだけどな・・・とか言いながら、空の茶碗に米を盛る。

昨日は大変だった。理奈が4杯いったから米が足りなくなって、結局俺は米の代わりにインスタントのラーメンを食う羽目になったしな。


ああそうそう、昨日の事と言えば、冬紀の天然が垣間見れたな。




「冬紀。そう言えばお前、家族に電話は?」

「あっ・・・」


理奈のことがあったからすっかり忘れていたらしい。

冬紀はケータイを取り出すと、家に電話を掛けた。俺はしばらく待つ。


「・・・・・・・おかしいな」

「どうした?」


俺が聞くと、冬紀はうん・・・と言ってケータイを耳に当てたまま俺を見る。


「電話に誰も出ないんだ・・・」


俺は頭に?マークを浮かべて首をかしげた。


「出かけてるんだろ?まあいいじゃないか、ここを脱出すれば会えるさ」

「・・・・そうだね」


冬紀は通話終了ボタンを押してケータイを閉じた。




・・・何てことがあってさ。冬紀は天然だね〜。


「ほい普通盛り」

「おっ、絶妙な普通盛り」


気づけば理奈が茶碗を差し出してた。俺は受け取って、そばの箸立てから箸を一組取り出す。


「(富士山の)頂増す」

「くだらねえことやってねえでさっさと食え!」

「へいへ〜い」

「へいは10回!」

「へいへいへいへいへいへいへいへいへいへい・・・・って生徒会の○存か!!」

「さっさと食え」

「俺アウェー!?」


理奈が冷たい・・・。俺は半ベソで一心不乱に飯をかき込んだ。

しばらくすると階段から早織が降りてくる。


「おう早織っ!見張りが終わったのか!」

「ちょっやめてよ。米を飛ばさないで」

「すまんすまん」


早織は俺と同時刻に見張りについていた。姉貴の部屋からな。

彼女は俺の左隣に座ると、小盛りで・・・と言った。理奈は皿にのった野菜炒めと、お椀に入った味噌汁、そして小盛りの米が入った茶碗を持ってくる。


「ほい、見張りご苦労さん」

「ありがとう」


ちょっと待て、俺には労いの言葉は無かったぞ。あ〜でもいいや。今は飯、飯。

野菜炒めを口に放り込んで、飲み込む前に米をかき込む。あ〜うまっ。飯食ってると生きてる感じがするな〜。


今の状況に合わせて表現するなら・・・・かゆうま・・・・か?


・・・ちょっと違くねえか?まあどーでもいいや。

俺が至福の時を堪能していると、横に座った早織が口を開く。


「あんたって本当に美味しそうに食べるわね」

「ん?」


見ると早織は俺の顔をガン見していた。俺ってそんなに分かりやすいのか?


「顔が幸せそうだもの」

「そういえば、円さんと姉貴が俺の食べるときの顔は可愛いわ〜って言ってたな」

「可愛いかどうかはともかく、出会ってから一番良い笑顔を見た気がするわ」


そうなのか。初めて知った。

でもなあ・・・


「お前だって食ってるとき良い顔してるぜ?」


すると早織は鳩が豆鉄砲を食ったような表情になる。


「・・・・・そう・・・自分の食べている時の表情なんて誰も知らないから分からなかったわ」

「そうなのか?」


早織は一転して悲しそうな表情になり、俯いて小さく呟いた。


「誰も・・・私には近づかないもの」

「・・・・・・・」


その顔には暗い影が落とされて、早織をより一層悲しく見せる。理奈もつい耳に入ったのか、対処に困って明後日の方向を見ていた。

そんな中、俺はじゃあ・・・と少し笑う。


「俺が初めて早織の食っている時の良い表情を見たわけか」

「・・・・・・・・」


何気なく言った一言で早織は凍りついたように固まる。俺・・・何かマズイこと言った?

1、2、3秒後。早織は突然笑い出した。


「そうね、そうかもしれないわ」


何故笑う?そしてお前、昨日お前が後輩だって聞いてから思ったんだが、先輩に敬意を払いなさいよ敬意を。まあいいんだけどね。

俺はつられて笑い、理奈は言った。


「6時半過ぎたぞ」


それを聞いた途端、俺と早織は大急ぎで飯を食らった。

なんで急ぐのかって?8時出発だけど色々準備せなアカンやないか!7時に最終ミーティングだし。





・・・午前7時。俺含め6人が、リビングに集結する。

リビングの壁に寄りかかる俺に、ソファに座る姉貴、円さん、早織、テーブルを挟んで俺の対面に冬紀、ソファの対面にあるテレビの前に理奈があぐらをかいている。テーブルの上には、東海林市の地図が広げられていた。

俺が最初に口を開く。


「で、まず聞きたいんだが、行きたいところはあるか?」

「ショッピングモール♪」

「肉片にしてやろうか姉貴」

「ごめんなさい」


ふざけてんじゃねえよ馬鹿めっ!

俺が冷静にボケを処理すると、早織が珍しく申し訳無さそうに言った。


「あの・・・一度家に帰りたいんだけど」

「わかった家族か」


理奈が確信したように口を開いた。おまっ、自分で禁句を・・・。


「ええ、母親が・・・」

「そっか。じゃあ一度帰らないとな!」

「「「・・・・・・・・・・」」」


俺と冬紀と姉貴が硬直する。

まさか理奈がそんなこと言うとは・・・。いや、理奈だからこそ言ったのかもな。失った悲しみを知っている理奈だからこそ。

俺は承認して頷く。


「んじゃ、早織ん家決定でいいよな?」

『異議なし』


全員一致で早織の家けって〜い。

俺は早織から家の場所を聞いて、地図にマーカーをつける。俺ん家から結構離れてんな。

マーカーをつけ終わると、もう一度みんなに問う。


「じゃ他、行きたいとこは?」


するとみんなシーンと黙った。

おいおいみんな無いのか?と言うと・・・


「アタシは家族いないし」


と理奈が言った。


「僕の家族は市外にいるから」


と冬紀が言った。


「お姉さんの家族はここにいるし〜」


と姉貴が言った。


「私は嫁いできたから〜」


と円さんが言った。

行く行かない以前の問題だったんだな。俺はため息を吐いて現在の決定事項を確認する。


「じゃあ、早織ん家行って脱出。ってことでいいか?」

『意義なし』


ということでこの件終了。

俺は早織ん家にたどり着ける様々なルートを地図に書き記す。合計三つってところか。

三つぐらいルートを確定した俺はみんなに配って、出来るだけ頭ん中にルートを刻み込んどけ、と言った。


何で?という声も上がったが、早織がタイムラグを無くすためでしょ?まさかゾンビの真っ只中で地図を広げるの?と言うとみんな納得してルート暗記を始めた。

最後の1人がルート暗記を終えたところで、次の案件に移る。


「次は今分かっているゾンビの特性について」


冬紀がノートを千切った紙切れを読み上げる。


特性1,ゾンビは食欲を満たすためか人を食べる。

特性2,ゾンビに噛まれるときっかり30秒でゾンビになる。

特性3,ゾンビは脳によるリミッターが効いてないのか物凄く力が強い。

特性4,ゾンビの動きは鈍く走ることはしない。

特性5,ゾンビに視覚、嗅覚、痛覚は無い模様。

特性6,ゾンビは聴覚で人を探す。

特性7,ゾンビの聴覚は異常発達しているらしく、ゾンビの足音と人の足音が聞き分けられる。

特性8,ゾンビに自我は無いため物を避けるといった動作はしない。


「次に今分かっているゾンビの弱点について」


冬紀は視線を紙切れの下のほうに向ける。


弱点1,聴覚でしか人を追えない為、別の音源をおけばそこに向かう。

弱点2,頭を燃やせば聴覚が使えなくなる為、人を見失う。

弱点3,人の足音は聞き分けられるが、他の音を聞き分けることが出来ない。

弱点4,脳を破壊すれば行動を停止する。


「以上がゾンビに関する今分かっている情報です」


う〜んゾンビについて色々分かってきたな。これ纏めたのほとんど俺なんだけどね〜。


ちなみにお気づきですか皆さん。このミーティングに円さんがいることを!(最初に言ったじゃんてのは無しね)

まあぶっちゃけ、円さんだけ置いていくことは出来ないし、じゃあ連れてけば?的なノリで円さんに事情を説明して(2時間かかったけど)、ようやく理解を得られたわけよ。


俺今、何か言ったか?何故か悪寒がする。


「どうしたんですか良祐さん?」

「・・・いや、なんでもない」


円さんが俺の不自然な様子に気づいて声を掛けてくれる。いや〜ありがたいね〜。

視線を早織に移すと、早織は頷いて口を開く。


「次に物資だけど・・・」


みんなは聞き逃さないように耳を傾ける。


スポーツ飲料500ml5本。

オレンジ、アップル、グレープジュース1リットル各1本。計3本。

ウーロン茶2リットル2本。

麦茶1リットル1本。

飲料水2リットル3本。


カロリーメイト5箱。

インスタントラーメン8袋。

食材5食分。


金属バット(家にあったやつ)1本。

鉄パイプ1本。

木材1本。

細身の角材(家にあったやつ)1本。

木刀(家にあったやつ)1本。

モップ1本。

箒(1本は家にあったやつ)2本。

鉈(家にあったやつ)1本。

包丁(もちろん家にあったやつ)3本。

果物ナイフ(上に同じ)2本。

短刀(家に何故かあったやつ)1本。

ハンマー1本。

弓1本と矢2本。


ノートパソコンと予備バッテリー2個。

東海林市の地図(マーカー有りと無し)。

救急箱(一つは家にあったやつ)2箱。

治療道具一式。

調理用カセットコンロ(家にあったやつ)1つ。

カセットボンベ(家に・・・あった)3本。

調理用包丁(家の・・・)2本。

まな板(家・・・)2枚。

フライパン(・・・同文)2つ。

鍋の大型(〃)1つ

クーラーボックス大型(みんな分かってるだろ?)2つ


「・・・ってところかしら」


早織がふぅと一息ついている間に、俺は頭の中でいるものといらないものに分ける。


「オレンジ、アップル、グレープジュースはいらないな」


え〜と言う声が早織を除く女性陣から上がるが、現地調達と言ってバッサリ切り捨てる。


「飲み水はいいとして、食料だな・・・」


カロリーメイトやインスタントラーメンはいいんだが、食材が何ともいえない。早く食わないと傷むだろ。

最悪みんなで一気食いだな。俺は勝手に決定する。


「武器だけどどうする?」


俺が聞くと各々が要望を出す。


「僕は木刀と木材かな」

「アタシはハンマーと鉄パイプでいいや」

「私は前衛には向かないわ。でも念の為モップでいい」

「お姉さんは箒2本で〜」

「私はですね良祐さん。角材あたりがいいです」

「へいへい」


え〜と、みんなが矢継ぎ早に言うから整理できねえじゃねえか。

何だっけ・・・?ああそうそう、だからつまり・・・


冬紀が木刀と木材     承認。

理奈がハンマーと鉄パイプ 承認。

早織がモップ(待てよ?) 保留。

姉貴が箒2本(・・・?) 保留。

円さんが角材(おっ!)  保留。


いいこと思いついた。とりあえず冬紀と理奈は良いとして。

他三人の武器に一手間加えてやろう。


「なあ円さん。ガムテープとか、とりあえずテープ類なかったっけ?」

「えっ?ありますよ?」

「悪いけど持ってきて。あとついでにタオルをありったけと、紐類もたくさん。みんなも武器類は一旦保留で、他の準備をしていてくれ」


みんな頭に?マークをつけていたが、俺が言ったとおりに各々準備する。

しばらくして円さんが言われた材料を大量に持ってきて、俺は作業を開始した。





「出来た!」


俺が唐突に大声を上げると、準備していたみんなが俺のほうを向く。


『おおっ!』


みんなは俺の手元にある4つの武器に驚愕の声を上げた。俺はにししと笑う。


「まず早織が要望していたモップだけど、柄の先端に鉈をつけて殺傷能力を上げた」


俺は早織の手に、完成したスラッシュモップ(俺命名)を持たせる。


「どうだ?」

「いいわね。重さも申し分ない。ありがとう」

「どういたしまして」


早織は笑って、スラッシュモップを軽く振ってみる。

気に入ってくれたのか、しきりに頷いていた。


「次に姉貴の箒だけど、これまた柄の先端に包丁をつけてみたぜ」


俺はホウキセイバー(やっぱり俺命名)×2を姉貴に手渡す。


「二刀流ってな」

「良ちゃんが・・・お姉さんのためだけに・・・」

「お〜い、早織の分も作ったよ〜」


ありがとぉぉぉぉぉ!!とか言って姉貴は抱きついてくる。やめろ!恥ずかしい・・・って言いたいところだけど、危ない危ない!!

俺は姉貴から脱出して、最後の武器を持ってくる。


「最後に円さん要望の角材だけど、やっぱり先端に包丁をつけてパワーアップした上に、握りやすいようタオルを紐で巻いてある」


俺は円さんの手にしっかりと角材刃矛(かくざいじんむ。命名は当然ながら俺)を握らせた。


「まるで矛だな」

「良祐さんが・・・私だけのために・・・武器を!!?」

「だから早織と姉貴の分も作ったって!母娘揃ってこれかよ!!」


円さんは笑顔で、そりゃもうキモイぐらいの笑顔で、角材刃矛に抱きついている。家の家族は・・・!

それより・・・と俺は武器製作で遅れた準備を急いでする。


「みんな準備できたのか?」


そう聞くとみんなは揃って・・・


『当然!!』


と言った。早いなぁみんな。


俺は残った武器の短刀を腰のベルトに挿し、左腕に巻きつけた包丁の鞘に果物ナイフを入れ、同じく右足に巻きつけた包丁の鞘に同じ果物ナイフを差し込んだ。包丁が落ちないように紐をかける。

ケータイを右ポケットに入れて、カロリーメイトを左ポケットに入れて、胸ポケットにライターを放り込んで、右腕に巻いた腕時計を見る。


7時58分。


確認して、俺はすぐそこに置いていたバッグを持ち、みんなを連れてリビングを出る。

みんなは各々のバッグを持って、俺の後を歩いている。


「ところでリーダーは?」


俺の真後ろを歩く、姉貴が言う。


「んなもんいらねえだろ」


俺が言うと、三つ後ろを歩いている早織が反論する。


「そんなことないわよ。リーダーがいるのといないのでは天と地ほどの差があるわ」


すると、みんな肯定的な意見を示した。俺が、でもそうだとして誰がやるんだ?と言うと、全員一致で・・・


「良祐じゃないかな」

「良だろ」

「良ちゃんよね〜」

「良祐さんでしょう」

「あんたがやんのよ」


と言いやがった。俺は早織がやればいいじゃんと言ったら・・・


「私はリーダーには向かないわ」


即答でした。俺はしばらく考え・・・


「わかったよ。そのかわり指示にはちゃんと従えよ」


みんなが首肯したのを確認して、俺は靴を履く。


「物資は?」


玄関の鍵を開けて、扉を開きながら言う。


「全部車に積んでありますよ良祐さん」


円さんが靴を履きながら言った。

俺はそうか・・・と呟いて、玄関先に立てかけられてあった金属バットを右手で持つ。

靴が履き終わった面々も、己の武器を手にした。


「頑張れよ運転手」


と言って姉貴の肩を叩く。


「頑張ります!」


姉貴はより一層意気込んだ。

しばらくすると、全員準備が出来たのか俺のほうを見て、なにか言葉を待っている様子だった。

しょうがねえか。俺はゆっくりと口を開く。


「んじゃ・・・」

「あ〜、鍵閉め忘れちゃった」

「・・・・・・」


円さんが玄関で鍵を閉めるのを目視して、今度こそと口を開く。


「よっしゃ・・・」

「ハックション!」

「・・・・・・」


冬紀が小さくくしゃみをしてやがる。つくづく不幸だ。

でも・・・


制服をピッシリ着ている冬紀がいる。


制服を着崩している早織がいる。


制服をちゃんと着ている理奈がいる。


スーツをだらしなく着ている姉貴がいる。


ワンピースの上にエプロンを着けた円さんがいる。


こんな沢山の仲間(家族交じり)に囲まれる俺は実は幸福なんじゃないだろうか?

俺は小さく笑う。


じゃあ、この幸福を無くさない為にもしっかりとリーダー努めますか!


「・・・行くぜ!!」


「ああ!」

「おうっ!」

「は〜い!」

「ええ!」

「はい!」


俺たちは歩みを進める。この先にどんな脅威があろうとも。

生き残るために。みんなで生き続けるために。


俺はバットを担いで歩き出す。

まずは早織ん家だ!

いかがでしたでしょうか?

今回で正真正銘、紹介は暫くお休みなりますね。

いや~それにしてもいい展開です!わくわくしませんか?僕はこういうのを見ると、やってやらぁ!って感じになりますけど。

新たなる希望を手にした主人公たち!彼らの前に敵はない!

それでは次回会いましょう!御意見御感想をお待ちしています!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ