第5話 許してくれ、爆発は漢(おとこ)の性なんだ
おはにちは!らいなぁです!
最近レッドデッドリデンプションっていうゲームをしたんですけど、あれはなかなか面白いですね!
一回間違えて関係ない人撃っちゃって、手配されました。現金で解決しましたけど。
Z指定ですから18歳以上じゃないと買えないですけど、興味が湧いた方はPS3ゲームなのでぜひプレイしてみて下さい!
さて本題に移りましょう。今回のプロフィールは前原美鈴です!
【前原 美鈴】
年齢:23歳
職業:科学教師兼保険医
誕生:3月27日
知識 ★★★★★
体力 ★★★★★
攻撃性 ★☆☆☆☆
俊敏性 ★☆☆☆☆
統率力 ★★☆☆☆
機転性 ★★★★☆
ギャグ ★★★☆☆
良祐の姉。役割は主に集団の空気を変える癒し要員。一人称はお姉さん。本人は否定しているがドがつくほどのM。(良祐に対してのみ)
容姿は栗色の髪を背中まで伸ばしたロングヘア。良祐と同じく凛々しい顔立ちをしているため、綺麗な大人の女性という雰囲気があるが、言動のせいで子供っぽく見える。
仕事に行くときだけ青色のフレームの眼鏡をして、髪を後ろで纏めたポニーテールにしている。紺のスーツを着崩し、(学校では)白衣を着ている。
東海林市立林名高校の科学教師兼保険医。担当クラスはなし。
生まれも育ちも東海林市で、林名高校の出身。
その容姿のせいで大学時代に犯罪に巻き込まれ、長期間の人間不信になる。その後身内の献身的な協力と、犯人たちが半殺し状態で警察署に放置される事を受けて、なんとか人間不信を克服した。(犯人たちを半殺しにした者は不明)
その際に一番貢献した良祐にただならない思いを持っている。普段の良祐ラヴは弟だからという理由と、他の男性を心から信用できないためである。
理奈と冬紀は心を開いている数少ない友達。
母親と仲良しではあるが、良祐が関わるといつもバトルを繰り広げている。父親とも仲良し。
性格は天然だが、やるときはやる。
かなりの秀才で小学校のときからトップを取り続けている。しかし小中高とテニス部に所属していたため、体力だけは高め(テニスは大して上手くなかった)。高校時の最終成績は上の上。趣味は弟の誘惑とショッピング。
保険医という立場と戦えるだけの運動神経が無かったため、戦闘時には荷物持ち係として後方で待機している。
(両親の記述は前原良祐を参照)
「ちょっ!姉貴、右!!右!!!」
「あうぅぅぅぅ!!!」
「逆!!逆!!」
「言わないで〜!!!」
結果的に言えば姉貴の運転は荒いどころじゃなかった。パニックも手伝って蛇行運転してやがる。
後部座席に座った冬紀も激しい乗り物酔いに侵されている。理奈は絶叫マシーンの一種だと思っているのかひゃっほおぉぉぉぉぅぅぅぅう!!!とか言ってやがっているし、俺の膝上の少女は大パニックだ。
「運転荒すぎない!?酔いそうなんだけど!!」
「俺に言われても困る!!」
ただウヨウヨいるゾンビを奇跡的に回避しまくって車体のダメージは全然ないようだ。俺は荒すぎる運転を鎮めようと、使いたくなかった手を使う。
「姉貴!!」
「なあぁぁぁにいぃぃぃぃぃ!!!?」
俺は意を決して言った。
「落ち着けド変態!!!」
ついでに軽い平手打ちも付け加えて。姉貴はあうっ!といって目を見開く。
後ろでまさか・・・と二人が息を呑む様子が手に取るように分かる。俺の膝上の少女は?マークを頭に浮かべて先生?と聞いていたが。
すると運転が蛇行から通常運転に戻る。そして姉貴は・・・
「・・・・弟に打たれた!!お父さんにも殴られたこと無いのに打たれた!!!だからこそいい!!!♪」(早口)
表情を光悦なものに変え、ド変態モード起動。運転が通常運転のままゾンビの垣根をひょいひょい避けていく。さっきとあまり変わらないはずなのにあら不思議、揺れが全然無いんですもの。
さすが姉貴だ・・・・ド変態パワーは伊達じゃねえな・・・!俺は感心しながらふと気づく。
「そういやお前、名前は?」
俺の膝上の少女はあっ・・・とこぼした後、みんなに聞こえるように言った。
「小林早織よ。早織でいいわ。短い付き合いかもしれないけど覚えておいて」
威圧的。その言葉しか出てこなかった。酷いこと言うよな、まったく。もっと優しくしてよ〜。
でもその言葉が俺以外の胸を抉っている様子だった。俺は平気だけど。
「前原良祐だ。それはお互い様だからな」
俺の動じない様子に早織は感心したようだ。
それはそうと、心を回復した面々から口が開かれる。
「僕は宮下冬紀です。お好きなように呼んでください。あなたの名前覚えておきますよ」
「覚え続けられるといいわね」
相も変わらず毒舌だな。興味すら湧いてきたぞ。
冬紀は苦笑して善処しますと言っていた。理奈は心証が良くないのかぶすっとしている。
「緋達理奈だ。ぜってー覚えてやる」
「頑張ってね」
んだとぉ!と理奈は突っ掛かるが冬樹に止められる。熱くなるな熱くなるな。
やっと落ち着いた姉貴は運転しながら告げる。
「前原美鈴ですぅ。よろしくね沙織ちゃん」
「前原?」
あっ。そういや他の生徒は俺と姉貴が家族だって知らないんだったな。俺は補足に口を開く。
「ああ。俺と姉貴は姉弟だ」
「そういえば面影が・・・」
小林はふうんと呟くと分かったわと理解してくれた。
俺は視線を窓の外に向けると、俺の家の近くのコンビニが眼に入る。もう少しか・・・そう思ったとき・・・
「良祐!あれ・・・!」
「何だ冬紀?」
冬紀が指差す方向にみんなが視線を向ける。そこにあったものは俺たちの想像を遥かに超えていた。
「なんだ・・・あれ・・・!?」
と言ったのは理奈。
「お姉さんはあれには対処出来ないよ?」
と言ったのは姉貴。
「多いわね・・・!」
と言ったのは早織。
「百は超えるだろ・・・?あの数」
俺が最後に言ってようやく事態が飲み込める。前方に百は軽く超えそうなほどのゾンビの大群が道を塞いでいたのだ。
あともうちょっとなのに・・・!俺は苦虫を噛み潰したような顔になる。
「どうするの良ちゃん?」
一旦車を止めて俺に聞いてくる姉貴。
俺は頭をフル回転させて、良好策のいくつかを紡ぎ出す。しかしそのどれもが決定的に何かが足りない。
すると早織が堂々と口を出す。
「回り道すればいいじゃない」
「・・・・・・」
何も分かってないなこの女は・・・。
「そんなもんとっくに考え付いたわ!」
「な、なによ・・・」
俺は早織に決定的な過ちを教えてやる。
「回り道出来る道なんてねえよ!」
「・・・・・・」
あれだね。それ以前の問題だよね。回り道出来る道がないっていう。
ったく、時間を食わせるんじゃねえって・・・・ん?おお、良い事思いついた!
「一つ思いついたぞ!」
「「「おおっ!」」」
「どうせ・・・」
俺は早織に笑いかける。
「お前の考えで閃いた。ありがとな」
「うぅ・・・・」
何か若干引いてないか?可愛くねえな・・・。
ともかく俺はみんなに考えを披露する!
「まず爆破します」
「「「「・・・・・・・・・・・・・・へっ?」」」」
「車を爆破させます」
「「「「えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!!!!!!???」」」」
間抜けな声が車内に響いたのだった。
「(大丈夫かよ・・・)」
「(信じるしかないね)」
「(私にも信じろって言うの!?)」
「(大丈夫ですよ。良ちゃんは出来る子ですし〜)」
後ろのほうで何か聞こえる気がする。小さすぎてよく聞こえないが。
ちなみに俺は1人で車に細工してます、はい。4人には家の塀を渡ってもらっている。ゾンビは未だに気づいてないが。
俺が考えたのは、車を爆破して音に紛れてレッツゴー!・・・・なんだけど。問題は爆破をどうするかなんだよね。まあもちろん考えてあるが。
「よし。良い感じにガソリンぶちまけてんなぁ」
俺は着火し易い様に車の燃料口を開いて、少量のガソリンを車内にぶちまける。さっき近くの家から拝借してきたガスボンベを車内に入れたままな。
そして俺はタイヤを前方のゾンビの群れに行く様に定め、理奈が持っていた鉄パイプを座席とアクセルに掛け渡す。
すると車は徐々に走行をはじめ、ゾンビの群れに向かっていく。俺は早織から預かった弓矢を見た。
出来るのか?俺に?という疑問が頭にわく。早織から使い方を習っているが、俺はまだ初心者だ。しかし俺は頭を振り、考えを振り払う。
やるしかないんだ・・・!あらかじめ紙などで包み、救急箱に入っていたアルコールを矢尻に浸した矢に、ライターで火をつける。
ボゥと矢尻を包むように火が燃え上がる。俺はそれを弓に番え・・・。
「逃げちゃ駄目だ・・・!逃げちゃ駄目だ・・・!逃げちゃ駄目だ・・・!」
「(シ○ジ君かっ!!!!)」
冬紀のツッコミが聞こえた気がした。
車はゾンビの注意を引きながら群れに向かう。車がゾンビの垣をかき分けて進んでいくのを確認して、俺は射撃体勢に入った。
3・・・矢を引き。
2・・・狙いを定め。
1・・・一息に・・・・・・・矢を放す!
「・・・・・!」
矢が手を離れ、一直線に開きっぱなしのドアの中へ向かう。矢が風を切って、物凄い音が鳴る。
火矢はゾンビを越え、車の中に吸い込まれた!瞬間・・・
地を揺るがすような爆音と共に、前方のゾンビの群れが一気に弾け飛ぶ!
「いやっほおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!!!!」
ついつい叫んでしまった俺。許してくれ、爆発は漢の性なんだ。
俺は冷静になって視線を下に下げる。黒煙を撒き散らせる車の辺りは、血と肉と金属片が散らばり、所々に火が点いていた。
そして音のせいか火の点いた車に向かうゾンビは、近づいてって体に火が燃え移り、五感が封じられて辺りをウヨウヨしだす。
どうやら耳元で火が鳴るから聴覚での索敵が出来ないようだ。
「イエス!」
作戦成功!俺は喜んで飛び回っていると、なんとなく気づいた。ゾンビこっち来てない?
・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・さっき叫んでたぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
弓矢を左手に持ち直し、そばに置いていた金属バットを右手で持つ。俺はそのまま全力で逃走を開始した!
「家どっちだっけ!?あ、あっちか・・・」
もう既にみんなは家に向かったようだ。残ったのは俺1人。猛ダッシュで塀に乗り、塀伝いにゾンビの群れを疾走する。
学校の体育の時間ですら見せたことの無いような、素晴らしいバランス感覚で、厚さ10cmぐらいしか無い塀をダッシュする。
「俺なんで走れてるの?俺なんで?」
最早意味不明を究めた感じだった。俺は左の曲がり角の塀を、スピードを落とさずに左に曲がる。
「何で曲がれるの?何で?何で?」
俺自身ですら意味が分からない。でも、確か眼を上げればすぐそこに家が・・・
「無理!上げられる訳が無い!!」
走行に全神経を使っているから眼を上げたら塀から落ちる!しかしすぐそこに・・・
「あっ・・・」
と、一瞬気を緩めたのがいけなかった。俺の右足が塀の段差にぶつかり、俺は左側に落ちてしまう。
その時に右手に持ったバットを放してしまい、俺とは逆方向に落ちてしまった。俺近接武器手放しちゃったんだけど・・・。
俺が落ちたのはどこかの家の敷地内で、目の前にゾンビが・・・。
「(しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!)」
ゾンビが俺に迫る。俺はあたふたしながら、解決策が無いか探る。しかし何も出ない!
俺絶体絶命!?と諦めかけた刹那、俺に神が降臨する。
「(だぁぁぁぁらっしゃぁ!!!)」
腰から果物ナイフを抜き放ち、迫るゾンビの脳天にぶっ刺した!ゾンビはうめき声を上げながら、その場に倒れて動かなくなる。
助かったかと思ったが、俺を追っていたゾンビは?と思い出し辺りを探った。
「あっ」
塀をよじ登って道路のほうを見ると、大量のゾンビが金属バットに群がっていた。
どうやら金属だったのが幸いして、道路に落ちたときに甲高い音を発生させ、俺よりもそっちに引かれたようだ。
九死に一生を得たわけだな。俺は辺りを見回し、そして気づく。
「ここ俺ん家の隣だ」
案の定塀を登って横を見ると、俺の家と庭にみんなの姿があった。
俺は帰ってこれたわけだ。我が家に。
「(早く来い良!)」
「(ゾンビに気づかれないようにね)」
「(お姉さんお腹すいちゃった)」
「(馬鹿みたいよ)」
みんなが小声で俺を呼ぶ。俺は塀を登りきり、音を立てずに俺の家の庭に下りた。
やっと帰ってこれたんだ、俺の家に。
「ただいま」
俺はそう告げるとみんなの元へ向かう。
これで一時の安息が出来る。俺たちは疲れた体を気だるそうに引きずって家に入った。
【損失】
1:タント(誰かの車)
2:ガスボンベ(人の家の)
3:弓道部からくすねた矢(早織が)
4:金属バット(用具室の)
5:果物ナイフ(保健室の)
6:鉄パイプ(保健室の)
俺の損害プライスレス(笑)
いかがでしたでしょうか?
次回の紹介は小林早織を予定しています。
一時の安息を手に入れた主人公たち!死が闊歩する町で彼らは生き続けることが出来るのか?
それでは次回会いましょう!御意見御感想をお待ちしています!