第36話 この調子だと終わる頃には10を超える
おはにちは、らいなぁです。
まずは投稿が一日開いた事の謝罪を。
次に言い訳を言わせてください。
実は昨日、8月1日。偏頭痛を起こしまして、更に嘔吐を5回ほどしまして。
朝から病院に行ってたんです。
……幸い何も無かったんですが、点滴打って来ました。
それで昨日、パソコンに向かえず、投稿できませんでした。
今日は昨日の今日と言う事で何時も以上にゆったりペースで。
と言うわけなのです。すいません。
体育館顔負けの広大な空間には、両壁に扉があるだけで他には何もない。
机もイスも“照明”すらだ。なのに少し明るいのは何故だ?マジック?
「充電式自動発光体を使っているのよ」
「充電式自動発光体って……」
後ろに佇むアーティはアレの正体を知っているようだ。
かくいう俺も充電式自動発光体という名前は聞いたことがある。
充電式自動発光体――――正式名称「暗転時自動発光金属鋼体:充電式」
消灯の際、自動で発光して辺りを明るくさせる金属。
科学によって作られた金属で、現時点では数はそれほど多くない。照明代わりに使用。
主にメンテナンスフリーなので、手入れに時間が掛かる巨大建造物等に使用される。
まだ一般には出回っておらず、少々高値。だが、性能は保証されている。
充電式、電池式、コンセント式、電球式があるとか。そんなに無駄だろ。
「既に何日も充電されてないみたいね。蓄電した電気で何とか発光している程度だから、近い内に消えるでしょう」
マーシャさん曰く、そういうことらしい。
しかし、初めて見た。去年の年末に発表されてから全世界で認知されているが、実物はそうそう見れるものじゃない。現にこの東海林市では使われている場所は無いはずだ。こういう非公式な場所を除いて……な。
俺だってそういうものがあると知ってはいたが、ついさっきアーティから聞かされるまでは何か分からなかった。…………?何でアーティはアレが充電式自動発光体って分かったんだ?
「なあアーティ……」
「貴方が知らなくて良い事よ」
「…………」
質問すらさせて貰えなかった。アーティさぁ〜ん……。
止む無く質問するのを止め、X−7を構えて警戒を巡らす。物陰は特に注意しながら、足をその広大な空間に踏み入れた。
「気ヲ付ケロ。誰モ居ナイカモシレナイガ危険ガアルトモ限ラン」
ランドさんの渋い声の忠告を頭の片隅に、広大な空間の真ん中辺りまでやってきた。
辺りを見回し、以上が無いか確認する。そんな時、
「良祐」
「何だアーティ?」
後ろにピッタシくっ付いているアーティが俺の袖を引っ張った。目線をアーティに向ける。が、アーティは何も言わない。
「何なんだ?」
若干不自然なアーティを不審に思いつつ、もう一度声を出した時にふと気付いた。
アーティ(と俺)の足元の影が何故か小さくなっている。まるで俺たちを捕食する様に狙いを定めている様だ。というか俺たちの影ってこんなに大きかったっけ?
所で話は変わるが、影が出来る原理は知っているだろうか?
当然知っているだろう?幼稚園や(せめて)小学生ならともかく。
簡単に説明すると、光源体を受けた物体の反対側に出来る。つまり、影を見る時は“光を遮る物体”を“光源体”と“自分の間”に置けば、必然的に見る事が可能と言う事だ。
更に言えば、影が変化するということは光を遮る物体が変化するか、“物体と光源体の位置関係が変わる”事でしか起こり得ない。
――――何が言いたいかと言うと、
影が小さくなるとは、光源体と、影の間の、“光を遮る物体”が、“影に近づいている”事を示している。物体が小さくなっているのならば話は別だが。
ちなみに俺たちは動いてない。つまり影が大小する事は無いという訳だ。
ならば、何故影が小さくなっているんだ?――――――それは決まっている。
“光源体”から“俺たち”へと落ちてくる物体があるからだ。
「アーティ!!」
その実1秒。刹那的に膨大な情報量を処理した瞬間、俺はアーティを抱えて横に飛び退いた。
これまた瞬間、さっきまで俺たちが居た場所に何かが落ちる。爆発音と大差ない位のけたたましい落下音が辺りを包み、大量の土煙がその場を隠した。
「良!大丈夫!?」
「なん……とか……」
落下音で異常に気付いた湊が、アーティの下敷きになっている俺の名を呼んだ。
上のアーティの体重というより、おもいっきり背中を強打したせいで呼吸がしづらい俺は一間開けて返答した。
「何ダ?アイツ……」
額から血の気が失せているクルスさんが落下地点を見て呟いた時、アーティを立たせて俺も立ち上がった。しかし、アーティかなり軽かったな。今時の小学生ってあんなに軽いのか?昨日持った銃器カバンの方がまだ重いぞ?(10数キロはある)
そんな事を考えつつ、俺も同様に落下地点を見た。そこに居たのは……、
「………………USODARO」
――――蛇だった。何故ローマ字表記になったのかは甚だ疑問だが。
煙が晴れた時、そこに居たのは俺たちの2倍はある大きな蛇だった。
形そっくり、鳴き声シャー、それはほとんど蛇だが、違う所もある。
まずデカイ。こんな大きさの蛇、図鑑にも載ってねえだろ。そして黒い。体全体が洩れなく真っ黒だった。それらが指し示したのは、
「新しい怪物キターーーーーーーーーー!!」
ニューゾンビ(ゾンビか?)。しかも人型じゃない新しい奴。
みんなも驚愕している雰囲気が感じ取れた。そんな中、その蛇(名前無いと不便だな。『スネーク』?まんまだな。『バシリスク』で行こう)は一際大きく咆哮すると、俺たちの向かって加速する。
「あっぶね!?」
俺はギリのギリで右に退けぞいた。アーティは楽々避けている。
第一種精鋭集団は、流石精鋭というだけあって余裕で回避していた。
直ぐにバシリスクへ視線を向ける…………が、
「なに?アイツ……」
同じ様に視線を向けた湊がそう呟いたのが聞こえた。それもそうだろう。
何故ならバシリスクは、勢いそのまま後方の壁をぶち抜いてどこかへ行ってしまったからだ。
「私達が目的じゃない?」
マーシャさんですら疑問符を浮かべている。そりゃそうだ。
今まで会った化け物(俺の場合)は人間を食うか殺すかしていたのに、あのバシリスクは何もせずにどこかへ行ってしまったのだから。と言っても、落下と最初の攻撃は殺すつもりだったのだろうけど。
「ソレナラソレデ好都合ダ。サッサト済マセルゾ」
「ソウダナ」
ランドさんの言葉にクルスさんが同意する。これに反論するものは居らず、俺たちは一番近くにあった扉を開けて探索を開始した。
いかがでしたでしょうか?
4種目ですよ!この調子だと終わる頃には10種を超えるんじゃないですか?
危険の中、探索を開始する主人公たち!無事に戻れるのか?
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