第23話 主人公ってだけで女性にモテると思ったら大間違いだ!
おはにちは!らいなぁです!
徹夜のせいで遅れてしまいました。すいません。
そして今回!久しぶりに紹介があります!サクラさんです!
【結城 サクラ】
年齢:17歳
職業:高校生(二年)
誕生:7月7日
知識 ★★★★☆
体力 ★★★★☆
攻撃性 ★★☆☆☆
俊敏性 ★★★☆☆
統率力 ★★★☆☆
機転性 ★★★★☆
ギャグ ★★★☆☆
良祐の幼馴染。役割は若干天然系ボケ。一人称は私(昔はサクラ)。
昔の容姿は黒い髪を腰まで伸ばし、可愛らしい顔立ちが特徴的。
しかし現在は眼つきは鋭く、凛とした美しい女の子になった(髪と顔立ちはそのまま)。
性格や口調も若干変わっているが、時々昔のように天然になる。
東野女学院の生徒。二年一組。
良祐の幼馴染で、幼稚園からの付き合い。だが、中学三年の時の事柄のせいで転校。東野女学院の中等部に入る。
東野女学院に転校してからは、護身用に槍術を習う。腕前はトップクラス。
両親は居らず、捨て子同然で結城の家の前に居たところを結城家に保護された。
家事のスキルは高く、何でも出来るのだが、料理だけが微妙。不味いとかではなくて、基本的に味が薄い。
ゾンビ発生時、真っ先に戦い、ゾンビから二人の親友を救った。
成績は上の下。趣味は槍術と家事。
基本的に集団戦では前線で戦う。
夜も静まってきた十時。東野女学院の校舎、その屋上で俺は、サクラと背中合わせに座っていた。
みんなからの強い推しからこうなったのだが、当の本人からしてみれば迷惑でしかない。
気を利かせてくれたつもりが、俺にとっては地獄のようだ。アイツらめ、覚えておけよ。
しかしまあ、漂う無言の空気が重たい……!誰か〜!
と逃げてもしょうがないし、俺から行くしかないだろう。聞きたかったこともあるからな。
「君は……」
先を越されてしまった。べ、別に問題はないんだけどねっ!
彼女が発する二の言葉を待っていると、背中から視線を向けられているのを感じた。
振り返り、視線を向けるが、サクラは依然変わらず背中を見せている。気のせいか?
「なんだよ?」
姿勢を戻し、サクッと終わらせようと口を出した。
「……変わったね」
「ああ?そうか?」
そうだっけ?俺的に言えばまったく変わってない気がするが。
首を傾げる俺に、サクラはそうだと確信を持って告げた。
「口調が乱暴になった」
「ケンカ売ってんのか……!」
やっぱコイツ嫌い!誰のせいだと思ってるんだ!
俺の中のサクラの評価が低下していく中、彼女はごめんと謝罪して笑う。笑うなっての!
しばらく笑ったサクラは、声音を戻して続きを語る。
「だけど変わったのは本当」
まあ、分からなくも無いけどな。以前はもっとこう…………優しげだった。
だがそれを言うなら俺だけじゃないだろ。
「お前だって変わった」
昔はーーーーという程昔でもないんだがーーーー前はおっとりとした天然系だった。でも、今のサクラは凛々しい雰囲気だ。
口調も変わっているし、眼つきも鋭い。以前とは別人のようだ。
「二年経てばさすがに……ね」
そうか、あれから二年経ったのか。そりゃ変わるわな。
二年…………か。永かったな。五〜六年は経ってるかと思ったぜ。
「だけど知らなかった。お前って東野に通ってたんだな」
「……うん」
気づかれないようにサクラを見ると、彼女は両膝を抱えて顔を埋めていた。
てっきり県外へ行ったのかと思ってた。前方に視線を戻し、そう小声で言うと、両親の都合でという返答が耳に届く。
便利だねえ、両親の都合で。引越しとかって大体そうじゃん?
「今でも医者になろうとしているのか?」
ふと気になった将来の夢。話題変えついでに問いかけるが、言った後で後悔する。
こんなこと聞いてどうする?今はもう関係ないだろ。第一、ここから脱出できるとも限らない。脱出できなきゃ、何にもすることが出来ないぞ。
「……うん」
しかし、そんなことお構いなしにサクラは言った。そうか……。
それで言葉は止まる。そりゃそうだ。初恋の人にしばらく振りに会ったとしても当然の反応だし、ましてや俺はそれ+黒歴史と会ったようなものだ。怒りが湧き出ないのは何故か知らんが。
ああ〜気まずい。どうしよ〜。ていうか何で話してるんだっけ?
若干やけくそになった思考で、事の顛末を整理していると、視界の端に見知った顔が映る。貯水槽の陰に、六〜七人ぐらいの集団が見えた。バレバレだよ。
見れば、冬紀たちとサクラの集団のようだが、男女比が1:6だった。羨ましいな冬紀。
ていうか、自分たちで楽しむためにこれをセッティングしたのかよ。うわ〜、USPで撃ちてえ〜。でも弾勿体ねえ〜。
葛藤の苦悩から頭を抱えていると、それに気づいたサクラが大丈夫?と声を掛けてくれる。…………めっちゃ近くで。
「サクラさん?」
「はい?」
「ちけえっ!」
「あうっ」
眼前数センチにあった顔を押し戻す。コイツは毎回毎回!前からそうだ、何か有るたびに顔を近づけて……!もうちょっと淑女としての嗜みをーーーーガミガミガミ……。
しまった。前みたいにサクラのペースになっている。ていうか前って……。
「……もう戻ろうぜ」
「…………ごめん」
「違う。お前のせいじゃない」
俺は立ち上がり、階段へ向け歩き出す。
くそっ。二年前を思い出してしまった。こちとらやっと立ち直ったのが去年だぞ?まだまだ嫌な事だってあるって言うのに……!
最後に貯水槽辺りに居る奴らにガンを飛ばしておいた。八つ当たりだ。
その夜は二年前の悪夢を見ることになるのは当然の帰結だろう。
……翌朝。八月四日。ゾンビ発生から四日目。俺の目覚めがちょー悪かったのは言うまでも無いだろう。
「最悪だ……」
ゾンビ発生から気だるさが抜けない体を起こし、保健室に備え付けられた流し台へと向かう。
蛇口を捻って水を出し、顔に数回かけて顔を上げた。視界に映る鏡には、いかにも疲れたような俺の顔がある。
俺って毎日トラブルに巻き込まれてるな。それの割にちゃんと休んでないし。
自分で言って自分で悲しむというサイクル。これほど最悪なものは無い。
タオルで顔を拭きながら、すぐ近くの冷蔵庫を開けて、スポーツ飲料を出す。まだ夏の時期だから、冷えたペットボトルが気持ち良い。キャップを開け、一口口に含むと、何ともいえない幸福が体に満たされた。
「いいねえ」
つい無意識にそう呟く。口調が中尾彬風だったのは気のせいだ。
「じゃあそれ貰える?」
気配無く後ろから声を掛けられるが、瞬間的に嫌な顔になってしまう。
「あからさまに嫌な顔しない」
振り返ると、案の定サクラが居た。道理で瞬間的に嫌な顔になったのか。納得納得。
「納得しない!」
首を縦に振っていたせいで感付かれてしまったか。ていうか何で嫌な顔していると分かったんだろう?…………鏡か。
しかしまあ、非常に面倒くさい相手に出会ってしまった。さらに間接キッスをご所望と見える。
「それは望んでないから」
心を読まれた!やべえ、変なこと考えてたのがバレてしまう!
「自分で言っているけど?」
「バレたかっ!」
実を言うと間接キッスのあたりで、小さく呟いていたのだ。ふふ〜、気づかなかったでしょ〜?…………キモイな。このキャラやめよう。
「んで?これ飲みたいんだっけ?」
「うん」
「ヤダ」
即答だった。そりゃそうだ。この女の子に、口をつけた飲み物を渡す義理は無い。
いくら小さい頃からの付き合いだったからって、二年前のことを許したわけじゃないからな。存分に反省しやがれ!
「ケチ」
そう言うとサクラは奥の部屋に消えてった。な、なんだと……!
今のはヤヴァイ。さすがの俺でも萌えた。凛々しい眼つきであの感じは萌える。萌え死ぬ。
だが、すぐに複雑な心境になってしまう。過去の出来事のせいで。くそっ。
あれはもう忘れることにしたじゃないか。何故思い出す?
苦い顔で立ち尽くす俺には、とても暗い影があった。ようは桃栗三年、柿八年ってやつだろ?(当たらずとも遠からずです)
俺がサクラを許さない限り、終わらないって言うのか?
「それで君たちはどうするんだ?」
同日朝八時頃。東女(東野女学院)で一夜を明かした俺たちは、詳細なプランの元、東海林市脱出を再開するために東女を発つことに決めたのだ。その前に冬紀が、サクラと東女生二人(確か金髪がリライトとかいう留学生で茶髪が藤崎)に今後を問いかける。
「着いていく。昨日の話じゃここに居るよりかは良いみたいだし」
「ええ」
「はい」
サクラ(やっぱリーダーだった)の返答にリライトと藤崎が同意する形で、彼女たちは脱出の仲間になったわけだ。
聞いてみると、ここまで生きてこれたのはサクラの力が大きいらしい。何でも二年前から槍術を習っているらしく、素晴らしい上達速度で現在の腕前はトップクラスだとか何とか。
リライトはフェンシング部所属だが、ゾンビに対してはあまり効果を発揮しないらしい。藤崎は茶道部で料理は上手いが、戦闘では論外だったようだ。
だからサクラが前線で戦ってばっかとか。よく守れたね。
「んじゃサクラ以外は荷物持ちだな」
「命令しないで!」
「野蛮な男の人」
あっれーーーーーーーーーーーーーー!!?俺だけ評価ガタ落ちしてるの!?冬紀と違って!?
くそぉぉ泣いてやるぅぅ。俺一応リーダーなのに……。俺が保健室の端の方で体育座りで泣いていると、理奈が俺の肩に手を置いてにこやかに言ってきた。
「野蛮人」
「がはぁっ!!?」
味方すら敵だった。俺には味方は居ないのか。良いんだ良いんだ。どうせ俺なんてどうせ俺なんてどうせ俺なんて。
その様子に姉貴と円さんが「うっほー!泣き画像ゲットォォォォォ!!超レア級の写真頂きましたぁぁぁぁ!!」とか言ってるし、もう良いんだ。
唯一早織が心からの同情の視線を向けてきているが、俺には慰めにすらならなかった。
「ええぃ!ウザッたい!!」
ハエのように寄ってくる姉貴と円さんを蹴散らし、X−7を持って立ち上がる。
サクラにお前が東女生の面倒見ろ!と言い放って、一人寂しく保健室の扉を開けた。ゾンビは予想通り居らず、全員に行くぞとだけ言って俺は保健室の扉を潜った。
元から準備は万端だったんだ。USPと短刀は腰にあるし、諸装備も問題ない。
最後に東女生に聞いたらあの様だし。最悪だ。
俺は心の中でグチグチ文句をたらしながら、後に続くみんな(俺含めず八人)の先頭に立って階段へと歩いていった。
いかがでしたでしょうか?
凄い人数になりました!主人公合わせて九人!
ちょっと多くね?そう感じた皆様…………ですよね~?
自分でも多い気がしました。はい。
ゾンビ発生から四日目!脱出するために今日も戦う?
それでは次回会いましょう!御意見御感想をお待ちしています!
なお、新規連載小説の
【異世界が来たっ! ~俺と少女とファンタジー~】
は、異世界モノですーーーーが!異世界に「行く」のではなく異世界が「来る」という作品になっております!
学校に行っている間に考え付いたモノなので、荒さは拭いきれないですが、楽しめる作品だと思います。
是非一度読んでみてください!




