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第16話 一発いっとく?ライオットG!(CMじゃないよ!)

おはにちは!らいなぁです!

まずは謝罪を。少し行き詰ってしまいました。

投稿が遅れてしまって申し訳ありません!

最近寝不足もたたったんでしょう。起きたら物凄い時間でした。

紹介はありません。ではどうぞ!

 そのケースに入っていたのは、ダークブラウンに染まった拳銃と同じくダークブラウンに染まった銃器だった。


「それは?」


 好奇心から田代さんにそう問いかけると、彼はやはり興味がありますかといった表情で返答した。


 田代さんいわく、拳銃のほうはFN ブローニング・ハイパワーという拳銃を自分好みに改良した(言うなれば)田代モデルらしい。

 現在、世界で多く用いられる9mmパラベラム弾をメジャーにした拳銃で、開発当初は珍しかった(皆無と言って良い)拳銃の複列弾倉ダブルカラムマガジンを採用した銃だ。

 装弾数は当時では多い13発。田代モデルは16+1発の計17発となっている。

 さらには全体を夜間と森林で効果を発揮する特殊色のダークブラウンでコーティング。マガジンと照門リアサイトにかけて灰色のカラーを横断させたのが特徴だ。

 他にも色々改良したらしい。どこかは分からないけど。

 ちなみに偉そうに語ったけど、全部田代さんの受け売りだった。


「私はこれに何回も命を助けていただいたものです。初めて出会ったのはベトナムですぐに虜になりました。それからというもの、いくつもの戦場を渡り歩いてきたのです。100メートル先の目標をヘッドショットした時は身震いしました。ああ、私もまだまだ……」


 何か過去語りに突入したぞ。ていうか戦場って言ってるし。ベトナムて!ヘッドショットて!

 間違いないな。田代さんは傭兵だ。特殊部隊とかじゃねえ。


 その様子を見ていた姉貴は、頭に?マークを三つ四つ浮かべていたが無視しよう。

 とりあえず田代さんの過去語りを中断させようかな。

 しかし、USPと手記のせいで銃器のことがほんの少し分かってしまった。楽しいけど。


「もう一つのそれは?」


 中断半分、好奇心半分で俺は聞いた。田代さんは嫌な顔一つせず、にこやかに説明してくれる。


 「AF VW03」それがこの銃器の名称。AF社製のVW(バーチャルウェポン。仮想的武器の意)シリーズの最新作なのだが、まだ発売されてない試作段階なので開発コードX−7の名でも呼ばれることがある。

 一般的にサブマシンガンと言われる系統に似ているが、ライフルに似た性能を併せ持つのが特徴。

 アサルトライフルに近いが、よりサブマシンガンらしく、よりライフルらしくしたのがこのX−7だ。単発、連射も当然の如く切り替え可能。

 近〜中距離ではサブマシンガンとしてフルオートで弾丸をばら撒き、遠距離では精密射撃を実現している。

 しかしその欠点として機構の複雑化、それに伴う重量増加、などなどのデメリットはあるが、動作不良は確認されていない。

 装弾数は35発。専用の弾薬「VAB弾」を使用。田代モデルとしてライフル性能の向上(それに伴うサブマシンガン性能の低下)、倍率スコープ装備、反動軽減機構キャンセラーなどが付いている。


 またまた田代さんの受け売りだ。田代さんって実はすげえ?

 だって何で試作銃を持っているんですか?と聞いたら……


「知り合いから頼まれましてな」


 と言っていたし。銃器メーカーの知り合いってなに?試作運営を任せられているような重役が知り合いってなに?

 田代さん……只者じゃねえぜ!聞けばハイパワーを田代モデルに改造したのもその人らしい。…………おいおい。


 田代さんはハイパワーとX−7の弾倉に弾を込めると、ポーチに付いてるガンホルダー(俺はさっき気づいた)でハイパワーを保持する。

 ポーチにハイパワーとX−7の弾薬を入れて、ウィンチェスターM1300を左肩に掛けると、X−7を右手で持つ。


「そんなに持っていくんですか?」


 ふとした疑問に田代さんはホッホッホと笑った。


「置いていくわけにはいかないでしょう。それに徒歩の場合は邪魔でしょうが、車なら問題ありますまい」

「車?」

「そう、車です」


 俺と姉貴は首を傾げていた。





「これは車ですか?」

「はい、軍用の高機動車です」


 確かに車だけども。車だけども!どこの世界に高機動車を所有する家がありますか!…………この家なんだけどさ!

 俺たちは二号館の地下車庫に来ていた。田代さんが取った二つの鍵のうちの一つは車のキーだったようだ。


「ちなみに私の私物です」

「まさかの仰天です!」


 姉貴ですらあんな調子だぞ?度肝どころか魂抜かれたわ!

 田代さんの私物だと!何で高機動車なんか…………必要になるかもしれない。田代さんの経歴やばそうだし。


「乗ってください。私が運転しましょう」


 色々と疑問が湧かないでもないが、俺と姉貴は言われたとおりに後部座席に乗り込む。

 うわ〜すげ〜。高機動車なんて初めて乗った!天井が開くのか!某学園黙示録みてえだな!

 俺が少しはしゃいでいると、姉貴がふうとため息をもらす。


「どうした?」


 若干心配になり、口を開いて姉貴を見据える。


「ちょっと、落ち着いただけ。疲れちゃったのかも」


 さすがに無理をさせすぎたか?俺はそう思ったが、姉貴は大丈夫と言ってそうそうに話題を切り上げてしまった。

 こいつは……!少しくらいは休みたいですって言えないのか!よし、決めた!姉貴の出番を奪ってやるぜ!

 姉貴の出番略奪作戦を立案している間に田代さんが運転席に乗り込んでいた。そろそろか……。

 よっしゃ、行くぜ!買い物だ〜!俺が心の中で意気込んだと同時に、田代さんがエンジンをかけ、ハンドルを握ってニヤッと笑った。


「行くぜ……!」

「降ろして下さい今すぐに!!」


 あっ、田代さんってハンドル握ると性格変わるタイプだ。彼は冗談ですよと言っていたが、信用ならない。絶対に運転が危ない。

 しかし、論争むなしく高機動車は音をたてて走り出してしまった。うーわー。……って。


「以外に安全運転……」

「荒い運転してもしょうがないですから」


 ボケたのかよ……。食えない人だ。

 舗装された敷地内を走る高機動車っていうのもおかしな感じだな。……普通か?

 などと思っていた時、ふと気づく。ゾンビがいないことに。


「あれ?そういやゾンビはどこ行った?」


 そういえば……と姉貴も窓の外を見て、異変に気づいた。田代さんは目を鋭くさせて索敵をしている。

 そのまま走り続けたが一向にゾンビは姿を現さない。消えた……わけじゃないよな。どこ行ったんだ?

 天井を開き、車体から顔を出して辺りを捜索する。いねえな。

 しばらく走って、敷地内を出る門の辺りまで来たところで、前方に何かが大量に居るのが見えた。


「わ〜お」


 ゾンビさんでした。はい。


「ゾンビがいらっしゃいました」


 俺は二人にそう告げる。それを聞いた田代さんが門の所にたむろって居るゾンビを視認すると、突然ブレーキをかけた。


「……せめて先に言ってください」


 身構えてなかったから腰を強打してしまった。いてえ。

 田代さんはすいませんと謝った後、窓を開けた。X−7を右手に構えてもう一度アクセルを踏む。


「手伝っていただけますか?」

「「はい」」


 どうやら実力行使で正面突破が作戦らしい。作戦じゃないけど。

 ならばと俺は車内からライオットガンを取り出し、完全に上半身を車外へ出す。

 姉貴も窓を下ろし、MPSを構えた。準備は完了だ。今回は出番どうの以前に手伝ってもらうしか無さそうだ。次回にしよう。


「揺れますよ」


 田代さんの声が耳に届いた瞬間、物凄い横揺れで体が持っていかれそうになる。

 どうやらハンドルを切ったようだ。車体が左に4分の1回転して、ゾンビに胴体をさらす。

 距離は数メートルしかない。ぎりぎりだよ。すげえテクニックだ。


「FIRE!」


 聞いたか?ファイアだってよ。田代さんやっぱ戦争帰りだ。


 心の中で呟くと同時に、田代さんがX−7の引き金トリガーを引いた。


 独特の銃声と共にフルオートでVAB弾をばら撒く。適当に撃っているかと思ったが、そのほとんどがゾンビの頭に直撃していた。マジか片手で?

 姉貴と一緒に呆然とその様子を見ていたが、俺は迫るゾンビを見てやべえとライオットガンを構えた。

 撃ったことねえからな。さっき田代さんから教えてもらったけどいけるか?

 不安に狩られつつ教えてもらった構え方で照準サイトを合わせる。


 あらかじめ弾薬は装填してるし、構え方も間違っていないはず。後はサイトを…………どこだっけ?

 やべえ、初めて銃器を撃とうとしてるから興奮しすぎて弱点忘れた。えーっと……そうだ。

 某学園黙示録で素人トーシロは胸部を狙えって誰かが言っていた。それでいこう。

 俺はゾンビの胸部へサイトを合わせて息を吐く。一回息を吸い、少し息を吐いてサイトの奥のゾンビを見据えた。


「12ゲージの12は24の半分だ!」


 意味不明なことを言いつつ、ライオットガンのトリガーを引いた!


 結構来る反動に銃口を上に向きかけてしまう。しかし、気合で押さえ込んでなんとか吸収できた。

 落ち着いたところで狙ったゾンビを見ると、後ろに居た数体のゾンビを巻き込んでぶっ飛んでいた。一気に大量キルだぜ!


「ひゃふぅ〜!強すぎますぅ〜!」


 何て言いながら先台フォアエンド(グリップを持った手の反対の手で持つ部分)を手前に引き、元の位置へ押し戻して次弾を装填する。

 もう一度ゾンビの胸部を狙って〜…………はいドーン!一度撃ったおかげで今回は簡単に反動を吸収できた。

 撃ったゾンビはまた数体巻き込んで吹っ飛んでいた。最高!病み付きになりそうだぜ!


 次弾を装填している時、姉貴が反動に四苦八苦しているのが見えた。

 何やってるんだよと言うと、姉貴はパニックになりながら口を開く。


「だってお姉さん銃なんて撃ったこと無いよ〜!」


 俺だって同じだが簡単に出来たぞ!ましてや反動はMPSの方が小さいはずだ!しかも、田代氏に教えてもらったじゃないか!

 それでもパニックから、姉貴はMPSをアッチにやったりコッチにやったりしていた。お〜い、そっちじゃないよ馬鹿めっ!

 しょうがないから姉貴をどうにかするか。ゾンビは田代さんに任せよう。


「落ち着け姉貴。構えはこう、撃つ時は眼をつぶらずにしっかり見据えて」


 一旦車内に戻り、姉貴の後ろから覆いかぶさってちゃんとした構え方に直す。姉貴の手の上からフォアエンドとグリップを握り、サイトをゾンビの胸部に合わせて一回トリガーを引く。

 さっきと同じように、ゾンビは後ろの数体を巻き込んで吹っ飛んでいった。確かにライオットガンに比べて反動が少ないな。


「わかったな?」


 姉貴は挙動不審な様子で頷くと、俺が言ったとおりの手順でゾンビを吹っ飛ばした。

 何だ?姉貴の割に珍しく無口じゃないか。いつもは良ちゃんが抱きついてる〜とか言うのにな。変なの。

 俺は姉貴から離れて、さっきと同じポジションに戻る。ライオットガンを構えて、ゾンビを大量キルった。


「お前らの未来は死だ!(もう死んでるけど)」


 順当にゾンビを大量キルっていると、田代さんがX−7からウィンチェスターM1300に持ち替えてアクセルを踏んだ。


「突破!」


 田代さん口調口調。俺は車体にしがみついて揺れを耐える。

 田代さんはハンドルを切って、門へ車体を向けた。本当に突破するんだ?

 向かってくるゾンビをウィンチェスターでふっ飛ばしながら、彼はアクセルを踏み込んだ。ショットガンを片手で操りますか。

 左手で巧みにハンドルを操り、田代さんは進行を邪魔するゾンビを轢きまくった。

 俺も邪魔なゾンビをライオットガンで蹴散らす。姉貴も同様に。


 そして俺たちは、ゾンビの垣根を越えることに成功した。やったね!


 遠ざかるゾンビたちを見ながら、ふと出た言葉が……


「一発いっとく?ライオットG!」


 誰もが知っているCMのフレーズをマネながら、俺は一番近くのゾンビへ向けてトリガーを引いた。

いかがでしたでしょうか?

祝!初発砲!とオリジナル銃器の登場です!

AF社とVWは考えました。難しかったです。

これからもオリジナルをボチボチ登場させます!

ようやく買い物に出かけた主人公たち!無事買い物できるのか?

それでは次回会いましょう!御意見御感想をお待ちしています!

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