第14話 ライオットガンこそ正義
おはにちは!らいなぁです!
難しいですね銃器って。奥が深い……当たり前ですか!
紹介はありません!以上です!
書くことありませんし。
「…………結局全然眠れんかった」
3〜4時間しか眠れずに反応が鈍い体をベッドから降ろし、すぐそこのテーブルまで歩く。
テーブルの上にあったケータイを右ポケットにしまい、もう一つ……拳銃を手に取る。
この拳銃はH&K社製USPという名前で、弾倉の中に15発と薬室の中に1発の計16発撃てる仕様らしい。
使用弾薬は9mmパラベラム弾。プラスチック製のフレームとマガジンが特徴の一つ(らしい)。
これがあの手記に書いてあったこの拳銃のスペックだった。あの手記は最後まで読んでないけど。
一般的に知られる安全装置をかけ、俺は腰のベルトにそれを突っ込んだ。
腕時計を見ると朝の7時過ぎ。そろそろ朝飯の時間だ(と田代さんが言っていた)。
「行くか……」
気だるい体を引きずるように歩きながら、ふと考える。香澄さんの言葉のこと。手記のこと。早織のこと。そして、ゾンビのこと。
しかし答えが出るわけでもなく、無駄なことに頭を使っちまったことで余計に体がだるくなるのだ。くそ、最悪だ。
重い腕で部屋の扉を開けて外に出ると、そこには早織が立っていた。
「ああ、早織か。おはよう」
彼女はおはようと返しただけで何をするわけでもなく、唐突に沈黙する。
何だ何だ?穏やかじゃないぞ?何で俺を睨み付けるんだ?
「あっ、いえ、ごめんなさい。どうゆう顔をすればいいのか分からなくて」
俺の思考を察したのか、早織はそう言って出来るだけ普通な顔をしようとしている。
普通にして普通にして普通にして…………逆にキモくなった。
「ぷっ、ははっ。お前……顔…………キモ……!」
ツボ入った。大爆笑する俺。早織は怒っていた。当然だろうな。
だが、しばらくしない内に早織は表情を緩和させて、一緒になって笑い出す。どういう変化だ?
俺たちは一頻り笑った後、食堂へ向けて肩を並べて歩き出した。
歩き出して数秒ぐらいで、突然早織が真剣な表情で口を開く。
「あんた、昨日お母様と話していたようじゃない」
なるほど、それが本題か。
「まあ、話したな」
嘘言ってもしょうがないし。次の展開は何を話していたの?だろう。
「お父様のことを話したの?」
おお〜っと。ストレートかと思ったら変化球でした〜。…………そうきたか。真実を言うべきか?言わざるべきか?
「当たり障りの無い程度に」
このぐらいなら良いだろ。どうなっても対処できる範囲で。
「嘘ね」
NANDATO?また変化球か〜。ちっ、どうする?とりあえず慎重にいくか。
「嘘じゃねえよ」
本当に嘘は言ってないよ?正確には意味が分からなかっただけだけど。
「嘘だっっっっっ!!」
あれ?ひ○らし?びっくりしたぁ〜。結構迫力あったな。足止めちゃったよ。
「何故?」
早織は何を考えているんだ?
「何となくよ」
へえ、珍しいな。早織が何となくで論理を展開するなんて。
「何となくか……」
しかしまあ、いよいよまずくなってきたぞ。…………ま、いっか。
「話した。話したけど、それほど深くは話してない」
香澄さんに口止めもされてないし、誰しも真実を知る権利がある。
「どの程度?」
ん〜あ〜どんくらいだ?え〜っと〜。
「実は仲が良かったんですよ〜ってくらい」
嘘は言ってないよな?な?な?よし、おk〜。
「そう……なのね」
あら?意外な反応。てっきりもっと驚くかと思っていたんだが……。
「薄々気づいていたから」
追加補足とばかりに言うね〜。ったく、とんだタヌキだ。
「あとは知らない。父親の行方不明も本当。俺が聞いたのはそれで全部だ」
そう言って歩みを再開する。あとは早織が判断することだ。俺が口を挟むことじゃない。
俺の後ろ数メートルぐらいをついてくる早織は、しばらく俯いて何かを考えていた。
「なあ、姉貴」
「なに?良ちゃん」
「暇だな〜」
「暇だね〜」
朝食後。それぞれで自由な時間を楽しむ中、俺と姉貴は暇すぎてソファに座ってボーっとしていた。
何にもやることが無い。暇だ。暇すぎる。
冬紀は剣道の練習。理奈は武器の整理。円さんは荷物の確認。早織は自分の部屋でなんかしていた。
今述べた面々にはそれぞれやることがあるが、俺と姉貴にはやることがない。
いや、俺には一応やっておくべきことがあるのだが、今はしたい気分じゃないんだ。
「暇だな〜」
「暇だね〜」
最初に戻ってしまった。さっきからこればっかり言っている気がする。
「でしたら、少し手伝っていただけませんか?」
と田代さんが何かの準備をしながら言った。俺と姉貴はアイコンタクトで意思を疎通させる。
意見がまとまったところで俺が田代さんに問いかけた。
「何をするんですか?」
すると田代さんは振り向き様にニヤッと笑う。
「狩りです」
「「はい?」」
アホみたいな顔の俺と姉貴がそんな田代さんを凝視していた。
狩り?はあ?どゆこと?野ウサギでも出んの?
しかし二の言葉は予想以上に衝撃的だった。
「外にいる不届き者を」
それって何?ZOMBIですか?それとも違うどなたか?
………………そんなわけで。
「わお!僕こんなもの初めてみたさ〜!」
「奇遇ね!お姉さんもよ!」
田代さんの後をハイテンションで着いて行く。
その途中で隠し扉をくぐった時のリアクションがさっきのだった。本当に初めて見た。隠し扉とか現実には無いものだとばかり……。
「ここは非常時しか入ることは出来ないとある倉庫です」
「倉庫?」
しかも非常時って……。嫌な予感がする。
田代さんを先頭に隠し扉を越えて、さらに奥の鉄製の扉へ向かう。
そして田代さんが扉に備え付けられた鍵穴に特殊な鍵を差し込んだ。
さっきの鍵、めっちゃゴツゴツしてなかった?突起が10〜20ぐらいあった気が……。
「下がっていてください」
言われ俺と姉貴は後退する。少し経った後、ガチャという音と共に鉄製の扉は重い体を動かした。
「「おお〜」」
何か感動的だ。あんな扉でもちゃんと動くんだな。
視線を扉の奥に向けると、先は真っ暗で何も見えなかった。でも、何故か異様な雰囲気がする。
歩を進める田代さんに着いて行き、俺たちも扉の奥へ進行した。しかし暗いな。何も見えねえ。
ある程度入ったところで、田代さんが壁の電気をつけた。俺と姉貴は壁を見て驚愕する。
「マジかよ……」
「本物……?」
なぜなら前方の壁一面にありえないほど大量の銃器が掛けられていたからだ。えっ?なに?武器屋でもやんの?
「全部本物ですよ」
姉貴の疑問に田代さんが答える。彼は電気をつけた後に壁の銃器を一つ手に取った。
それを俺のほうへ放る。わっとと!あぶねえ!……ふう。ちゃんとキャッチできたぜ!しかし重いな。
「これは?」
ベネリM3。装弾数7発で12ゲージ弾を使用。ポンプアクション方式の散弾銃です。
田代さんはそう言ってにこやかに笑った。いや、笑う要素ありませんから。ん?待てよ、この形状どこかで……。
もう一度そのショットガンを見る。真っ黒な銃身のそのショットガンは昔、モニターの向こう側で見たぞ……。
「あっ!ライオットガンだ!」
俺は思い出した。そのショットガンはバイ○ハザード4に出てきたライオットガンというショットガンに似ていた。
いや、そのものだったのだ。すげ〜ライオットガンだ!
俺が眼をキラキラさせながらそのM3を見ていると、姉貴がひゃあぁぁぁ!とか大声をだした。
どうした?と姉貴のほうへ視線を向けると、姉貴はライオットガンより小さめの黒い銃身の銃器を手に複雑な表情をしていた。
「それは?」
MPS AA−12。箱型弾倉とドラムマガジンが使えるショットガンで、ボックスマガジンが8発、ドラムマガジンが20発装填可能。弾薬はM3と同じく12ゲージ弾。フルオート射撃が可能ですが、反動はあまり大きくありません。そのかわり重たいですが……。
と、また田代さんは笑って言った。いやだから笑う要素ないですから。
「で、こんな物騒なもの持ってどこへ行くんですか?」
まだ本題を聞かせてもらってない俺は、田代さんに問いかける。
「買い物です」
はあ?買い物だと?これ持ってか?
「物資が少ないもので……」
なるほど。みんなのために外へ行っちゃう訳ね。ならいい。
「わかりました。手伝います」
そんなこと言われたら断れないだろ。姉貴は?
そう聞くと、姉貴はブンブンと首を縦に振った。
「行く!良ちゃんが行くなら行く!」
どんだけよ。俺が行くなら行くとか。はあ、姉貴らしいけど。
「ありがとうございます。ではこれを持って行って下さい」
田代さんは俺と姉貴に弾薬が詰まったポーチをくれた。俺のは12ゲージ弾が……30発か。
横の姉貴のポーチを見ると、ボックスマガジンが5つにドラムマガジンが1つ入っていた。合計で60発か。……少なくなったら貰おう。
ん?自分のポーチに視線を戻すと、そこには小さなマガジン3つが入っていた。
これ……!9mmパラベラム弾じゃないか!USPのマガジンだし!
驚きの眼差しで田代さんを見る。彼は人差し指を口元で立てた。内緒ってか?さっすが。食えないねえ。
そして田代さんも銃器とポーチを持つと、出口へ向かって歩き出す。
ちなみに田代さんの銃器はウィンチェスターM1300というショットガンらしい。俺には違いなんて分からないけど。
「行きましょう」
「「はい!」」
というわけで急遽、俺と姉貴は外に行くことになりました。
いかがでしたでしょうか?
僕が出す銃器ってパソコン調べなんですよね。
実物見たわけじゃないから描写に不安が……。
あ、読者様は僕の作品に詳細な描写は求めてないか。
自分で言ってて悲しくなりました。
急遽、物資調達にかり出される主人公たち!戦わずにすむのか?
それでは次回会いましょう!御意見御感想をお待ちしています!