表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/68

第13話 よしわかった!まったくわからねえ!

おはにちは!らいなぁです!

書くことありませんね……。

紹介はありません。香澄さんはメインキャラとはなりえないですから。

「では、御用が御座いましたらお呼びください」

「ありがとうございます」


 田代さんは一礼して居間から出て行く。現在、俺たちは居間に案内されてそれぞれで休息を取っていた。


「あ〜息苦しかった〜」

「そうだね」


 ソファに座る理奈と冬紀の意見に同意だな。この家にはただならない雰囲気があるぞ。


「大体こんなものよ」


 窓際に佇む早織はため息を吐いて、力なく首を横に振る。


「そうなんですか」


 壁際のイスに座った円さんはボーっと相槌を打つ。それに隣の姉貴はうんうんと頷いた。


「昼ドラとかに良くあるよね〜」


 いや、昼ドラと現実を一緒にするなよ。とりあえずつっこんでおこう。

 しかし本調子じゃないから、俺の体調が悪い。ツッコミに切れが無い。最悪だ。

 俺は居間の扉を開けて外に出ようとする。


「何処行くのよ?」


 早織がそのことに気づき声を掛ける。振り返らずに俺は簡潔に述べた。。


「気分悪いからテキトーに散歩」


 そう、あまりうろちょろしないでよと聞いた俺は、小さく頷いてその場を後にする。

 とてもじゃないがやってられるかよ。息が詰まるって。疲れたし、香澄かすみさんに事情でも説明しに行くか?……無理だな。


「有言実行ってことで、ぶらぶらしますか」


 俺はぶ〜らぶ〜らと玄関ホールまでやってきた。ふと窓の外を見ると、雨が降っている。

 あぶねえ〜。もう少しで雨に濡れるところだった。ラッキー。


「前原君……よね?」

「はい?」


 呼ばれた感じがして声の方へ視線を向ける。そこにいたのは赤いドレスを着た香澄さんだった。


「どうしたんですか?」


 俺が問いかけると香澄さんは、値踏みするような瞳で俺を直視し始める。ある程度経った時、一度頷いて唐突に口を開いた。


「着いてきて……」


 ただならない雰囲気でそうとだけ告げると、彼女は振り向いて歩き出してしまった。

 何を考えているんだ?ちっ!そんなんじゃ断りづれぇじゃねえか!……しょうがない、着いていくか。

 俺は香澄さんの後を着いて行く。ストーカーじゃないよ?了承は得ているよ?

 彼女は2階へ上がる階段を上って行く。俺もその後を着いて階段を上ると、予想以上の高さに少々驚いた。

 何これ?たっか!無駄じゃね?この高さ無駄じゃね?どんだけよ!


「何か?」

「何でもありません」(早口)


 やべえ、ちょっとやりすぎたか。反省しよう。……よし反省した!2階たっか!(反省してませんでした)

 一通り驚いた後、視線を香澄さんに戻すと、彼女は正面の扉を開けてどんどん進む。

 ……いったい何なんだよ。何処まで行くんだって。あっ、この感じ早織に似てる。早織の性格は遺伝だったのか。

 変なことを考えながらしばらく着いて行くと、ある扉の前で香澄さんは止まった。ここは……

 重厚な木の扉であまり装飾はされておらず、一言で表すならただの木の扉。金持ちの家にある扉とは思えなかった。


「夫の部屋だった場所よ」


 俺の考えていることを悟ったのか、彼女はそう言うとその扉を開けた。


「入って」


 部屋の中に入ることを促す香澄さん。……諦めるしかないか。


「失礼します」


 ゆっくりと部屋の中へ歩みを進める。部屋は書斎だろうか?本棚に本が沢山並べられ、中心にデカイ机が一つ置いてある。

 それは書斎であるのは間違いないだろう。しかし何かがおかしい。何か……埃っぽい。

 さっき香澄さんはここを夫の「書斎」と言わずに、「部屋」と言った。だけどベッドもソファもイスも何も無い。あるのは壁を覆いつくほどの本と、中央の一際デカイ机ぐらいだ。

 早織の両親が離婚してからそのままなのか?それだと3年ぐらいほったらかしか。


「奥へ」


 考えることを許さないとばかりに、香澄さんは所々で声を掛けてくるな。俺の考えてることが分かるのか?

 しょうがないから言われたとおりに奥へ歩く。中央の机のところで歩みを止めて、右ポケットのケータイでICレコーダーを起動した。

 昔アニメでこんなシーンがあった気がする。念のためにICレコーダーを起動させといて、後々に役に立ったってアニメが。

 そのマネだよね。念のためさ念のため。べ、別にこんなことがやってみたかった訳じゃないんだからね!

 それよりも、まずは彼女の目的でも聞き出してみますか。


「何の御用ですか?」


 ゆっくりと俺の周りを歩く香澄さんは、何か……いやな目で俺を見ている。彼女は一通り俺の周りを歩くと、机を挟んだ反対側で止まった。


「貴方があの人たちのリーダーなのでしょう?」


 口調が変わった?いや、優しくなった?どちらにしろさっきと打って変わって、人間らしくなったな。


「はい」


 俺の返答に彼女は不思議な笑みを口元に浮かべた。興味……かな?彼女の表情にはそんな感じが宿っている気がする。


「大人が二人もいる中で、何故貴方がリーダーになったのかしら?強さ?賢さ?」


 この聞き方……俺に聞いてない?違うな、自分で推理しているんだ。俺の返答を元に考える気だ。

 なら、その流儀に乗ってやるか。俺流の答えで。


「…………夢を持っていないから」

「夢?」


 そう夢。俺以外の冬紀、理奈、姉貴、円さん、早織にあって俺にないもの。

 冬紀は剣道を極めたいらしい。出会って初めの頃に訊いたことがある。

 理奈はお嫁さんになりたいらしい。冬紀が部活の時に下校途中で訊いたことがある。

 姉貴はみんなから慕われる教師になりたいらしい。教師になりたての頃に訊いたことがある。

 円さんは親父……夫と再会したいらしい。昔小さい時に訊いたことがある。

 早織は父親と会って話がしたいらしい。車で移動中に訊いたことがある。

 俺には何も無い。だからなのかもしれない。

 あるいは……


「…………希望を持っていないから」

「希望?」


 希望。俺以外の五人にあって俺にないもの。

 みんなはここを脱出して日常を取り戻したいそうだ。脱出したら日常があるという希望を持っている。

 だが俺はあまり希望を持ってない。ここを脱出できたところで完全に元通りにはならないことを知っているから。


「…………絶望を持っていないから」

「絶望?」


 絶望。現在、俺以外の全員が持っているもの。

 こんな事態になっても俺には絶望の一片も宿ってはいない。みんなはゾンビに食われればゾンビの仲間になるという絶望を持っている。

 だが俺は絶望を持ってない。過去の事柄のせいで絶望しつくしてしまったから。


「…………現実だけを持っているから」

「現実だけを?」


 現実。俺たち六人の中で俺だけが持っているもの。

 全てのことを現実だけしか見ていない俺には、全員が助かる確率は5%にも満たないことを知っているから。

 現実だけを見ている俺だからこそ見えている世界がある。そしてそのおかげでみんなを守れたかもしれないだろう。

 でも、俺にしか見えていない世界とは、見方を変えればそれは異常でしかない。しかしそれを異常であることを、みんなはまだ知らない。


「だから俺はリーダーに選ばれたんです」


 全てを語り終えて香澄さんを見ると、彼女は驚いた表情で固まっていた。


「貴方…………面白いわね」


 そりゃどーも。面白い私でございます。しかしまあ、彼女は今ので何かを得たようだな。いい顔してやがるよ。惚れそうだ。

 彼女は机の引き出しから何かを取り出すと、俺の前に突き出す。それは……


「こ、これ……!」


 そこにあったのは黒光りする…………“拳銃”だった。

 俺は始めてみる本物に驚愕し、後ずさりする。偽者という可能性もあるが、なんとなく本物だと分かった。

 空気?それもある。見た目?それもある。だけどそれを本物とする確証は無い。無い……けど…………


「本物を見るのは初めて?」


 当然だ。一般家庭の高校生が本物を手にする機会なんて無いからな。見たのはこれが初めてだ。

 初めてだが、直感か?……分からないが、あれは本物だと思うし。


「これを見せてどうするんですか?」


 こんなものを見せてどうするつもりだ?俺でも撃ち殺すのか?……はは、こんな状況でも震えだってしねえ。どうなってんだ?

 香澄さんはこうするのよと言って拳銃を構えて、俺の眉間に当てる。


「殺しますか?」

「…………どうしようかな?」


 何て可愛い笑みを浮かべるんだよ貴女は、こんな状況で。全く動じない様子から見ても、彼女は撃ち慣れてるな。人はどうだろう?案外そっちも慣れてたり。

 俺も俺だって。何で震えないんだよ、俺。何で堂々と出来るんだよ。

 しかし香澄さんは構えた拳銃を下ろすと、突然笑い出す。


「……冗談よ。これは貴方を撃つために出したわけではないわ」


 やっぱり?だろうと思ったんだよね〜。やべ、ちょっと汗出てきた。くそ、何がしたいんだよ。


「これは……」


 俺がモヤモヤして不機嫌になっていた時に、彼女が持ち手……グリップを俺の方に向けて続きを言い放った。


「貴方に譲るために出したのよ」

「………………は?」


 はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?と(心の中で)大絶叫した俺だった。





「はあ……」


 あれから五時間。振り分けられた部屋で、ベッドに横たわって譲られた拳銃を見る。そして反対の手に持った黒い手帳を開いた。


 《何を見てこれを買おうと思ったのかは覚えていない》

 《ただ、その何かでこの拳銃を見た時、運命なものを感じたんだ》

 《そして次には買いに走っていた》

 《買いに走ったと言っても、色々調べたりしただけだけどね》

 《でも、そのフォルムを見た瞬間、僕は出会った気がしたんだ》

 《僕が望む何かに……》


「分からん」


 この黒い手帳は拳銃と一緒に香澄さんから渡されたものだ。何でもこの拳銃の持ち主の手記らしい。

 俺はふと思い出す。拳銃と手記を渡された時の彼女の言葉を。


 少し昔話をしましょう。早織の父親……私の夫とは、私は別に仲が悪かったわけじゃないの。


 でも何故か別れてしまってね。そこら辺はあまり聞かないで。そして私と夫は別れてからも仲良く連絡を取っていた。


 しかしある時に異変は起こった。夫と連絡が取れなくなってしまったのよ。


 私はあらゆる手を使って夫を探したわ。でも見つからなかった。その時は色々切羽詰っていたのもあるのでしょうね。


 冷静な考えが持てなかったの。その様子を早織に見られてしまったのよ。だから仲が悪いと思われてしまったのかも。


 それから早織は変わってしまった。そう、今のあの子にね。そして誰も信じられなくなった。


 何があの子をそう思わせてしまったのかは分からないわ。でもこれだけは分かる。


 あの子には仲間が必要なのよ。自分から胸を張って自慢できるほどの仲間が。


 この拳銃と手記を貴方に譲るわ。これで早織を守ってあげて。


 早織には母親として何も出来なかったから。せめて「さいご」ぐらいは彼女のために母親らしくある。そのためのこれよ。


 どんなことがあっても守ってあげてね。貴方が……。


 そしてありがとう早織。生まれてきてくれて。幸せになるのよ。


 …………香澄さんはICレコーダーに気づいてるみたいだった。何て人だよまったく。

 そして彼女が言った「さいご」という言葉。畜生、モヤモヤするじゃねえか。

 俺はもう一度拳銃を見る。その黒光りする銃身は綺麗に手入れしてあり、3年もほったらかしにしているとは思えなかった。


「分からん分からん分からん!」


 何がしたい!何が言いたい!香澄さんは何を伝えたかったんだ!くそっ!

 俺が今日分かったことは、せいぜいこの銃の名前がH&K社のUSPということだけだった。

いかがでしたでしょうか?

良く分からない話でしたね。

そして拳銃!今回はH&K社製USPにしてみました!

香澄から真実を聞かされた主人公!香澄は何を伝えたかったのか?

それでは次回会いましょう!御意見御感想をお待ちしています!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ