表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/67

38



待ち合わせた時間より30分も前に着いたのに、草薙は既にそこで待っていた。



僕は驚き半分、呆れ半分で言った。



「こんな早く来てどうすんの?」



草薙はチラッと時計を確認すると、肩をすくめた。



「お互い様でしょ。さっさと着替えて早く行こ」




彼女は言うが早いか、さっさとトイレに入ってしまった。





僕は一瞬唖然としてしまったが、すぐ我に返り、頭を振りながら男子トイレのドアを押した。






男の着替えなんて「これで良いのか?」と思うほど一瞬だ。



たいして、女の着替えは「何をやっての?」と思うほど長い。




僕はジーンズをはき、Tシャツにシャツを羽織るだけで、二分かかったかどうか。




さっさとトイレから出て、向かいの壁に寄りかかって草薙を待った。




一秒一秒が長かった。





人の流れが三回ほど通り過ぎた頃だと思う。




草薙が出てきた。



「ベタな質問していい?」



彼女はにっこり笑った。



僕には女子の服装を事細かに説明することは出来ないが、ただ、これだけは分かった。




とても……。




(かわいいな、オイ)




ネモが思考に割り込んできた。



僕はぼうっと草薙を見つめながら頷く。




それを草薙は自分の質問への肯定と受け取ったらしい(もちろんダメというつもりもなかったが)。




「……待った?」




僕もニヤッとした。



「全然」




こうして僕の、「最後の日」が始まった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ