カナ
「どこよ」
「行ってのお楽しみ~」
「怪しい店とかやだよ」
カナがそんなことを言うのも珍しい。
カナの後について行く。
あまり入ったことのない裏道。暗い道に足が竦むが、カナが平気で進んでいくのを見てその後へと続く。
「ねえ、どこまで行くの」
「すぐそこだってば」
カナが見慣れない建物に入って行く。地下への階段を下り、重そうな扉を開け、ショーコを手招く。
「何?」
「覗いてみ」
カナが開けた扉の中を覗く。真っ暗だ。何も見えない。
その時、背中を押され、ショーコは部屋の中へ転がり込んだ。
「何するのよカナ」
起き上がりカナに文句を言うが、カナは部屋の中へと入り扉を閉めた。真っ暗になる。
ガチャリ、と重そうな鍵のかかった音がした。
そして、明かりが点いた。
「よう。ショーコ」
「! アキラ?!」
部屋の中にはアキラとその仲間達が座っていた。
「ど、どういうことよカナ!」
「うっせーんだよ。お前のその自分は恵まれてます自慢もいい加減うざいんだよ」
「は?」
「親がうざい? いいじゃん。心配してもらえるなんてさ。あたしなんて気にもかけてもらえないよ。目の前でタバコ吸っても何も言ってこないんだよ。何が親だよ」
カナが煙を吐き出す。そして吸殻を足で踏み消した。
「帰る場所があるなんてさ。自慢以外になにがあるってんだよ。いい加減上から目線うざってえんだよ」
「上からなんて……」
「あたしとは人種が違うとか思ってんだろ?」
見透かされ、言葉に詰まる。
「だからさ、あんたも同じにしてやるよ。アキラ達なら上手だから。あんたも一皮むけんじゃないの?」
「な……」
アキラ達を見ると、ニヤニヤと笑っている。
「ちょっと待ってよ……。冗談じゃないわよ……」
「冗談じゃねーぜ?」
アキラがゆっくりと立ち上がり、近づいて来る。
「お前のそのすかしてる顔、ぐちゃぐちゃに磨り潰してやりたかったんだよ」
「あたしも同じこと思ってたから。アキラに協力してあげたんだ~」
「や、やだ……」
後退る。アキラ達が近づいて来る。
カナが入口に陣取っている。しかしうまくすれば扉から出られるかもしれない。
夢中で立ち上がって駆けだす。
「逃げんな!」
カナが立ち塞がる。
「どけ!」
「誰がどくか!」
「こっちこいや!」




