表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/9

姉さん

「あ?」


男達が振り向くと、そこには翔子と同じ学校の制服を着た男子生徒がいた。


「なんだよてめえ。見てんじゃねーよ」

「はあ。すみません。見えてしまったものですから」


男子生徒が頭を下げる。


「同じクラスの山木翔子さんですよね? 嫌がっているみたいなので、離していただけますか?」

「クラスメイトか?」


アキラが剣呑な雰囲気のまま、翔子に尋ねる。

翔子は思い出した。あまりに地味で大人しくて気にも留めていなかったが、たしかに彼はクラスに存在していた。


「う、うん……」


ひ弱そうな彼が、何故自分達に声をかけて来たのか。


「見てんじゃねーよ。あっちいけ」


仲間が追い払おうとするが、男子生徒は行こうとしない。


「すみません。見なかったらどうでもいいんですけど、見てしまったらどうにかしないと、後で姉さんに怒られてしまうかもしれませんので」

「痛い目みないと分からないのか?」


仲間のひとりが男子生徒を殴りつけた。男子生徒があっけなく地面に転がる。


「おら、行くぞ」

「や……!」

「待ってください」


アキラが翔子を引っ張ろうとしたが、やはり声をかけられる。

振り向けば地面に転がった男子生徒が、平気な顔をして立っていた。


「山木さんは置いて行ってください」

「こいつ……!」


また殴りつける。また転がる。

そして、また起き上がる。


「な、なんだこいつ……」


また殴りつける。また転がる。

そして、また起き上がった。


「山木さんから手を離してください」


男子生徒の異様さに、アキラ達が引け腰になった。


「ち!」


舌打ちを残し、アキラ達は諦めたように翔子から手を離して去って行った。


「ああ。良かったです」


何事もなかったかのように、男子生徒が服の埃を払う。


「えと……何君、だっけ?」


地味すぎて名前を思い出せず、申し訳ないとは思いながら尋ねた。


「上下威無人です。嫌がっていたようなので声をかけたのですけど、余計なお世話でしたか?」

「そんなことない! 助かった! ありがとう!」


翔子が急いで礼を言う。


「そうですか。勘違いでなくて良かったです。それでは」

「え、ちょ、ちょっと待ってよ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ