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山木翔子

「よう、ショーコ」

「アキラ……」


アキラが仲間と連れ立ってやって来た。


「面白い所行くんだけど、お前らも行かね?」

「え~、行く行く~。どこ行くの?」


カナがぴょこんと立ち上がり、アキラに縋りつく。


「行ってからのお楽しみ。ショーコも行くだろ?」

「あたしはパス。興味ない」

「すかしてんなよ。お前も来いって」

「行きたくないってば」


腕を掴まれそうになり、咄嗟に払う。


「おい。来いよ」

「嫌だってば! 触らないでよ!」


強い力で腕を掴まれる。恐怖が沸き上がり、必死に抵抗した。


「何してるの?!」

「やべ」


鋭い声が聞こえた。私服警官かもしれない。翔子達はバラバラに逃げ出した。




******




(昨日はやばかったなぁ)


下校途中、翔子は昨日のことを思い返していた。

アキラのことは噂程度には知っている。かなりヤバい奴だということだ。

あまり近づきたくないのだが、なんだか妙に気にかけられている。あまり関わりたくはないのだが、街へ行けば出会わないわけにもいかないだろう。

かといって家にもいたくない。

どうしたらいいのかとぼんやり歩いていると、


「よう、ショーコ」


突然声を掛けられた。振り向くとアキラとその仲間達がいた。


「な、なんでここに?」

「さあな。なんでかな?」


家を知られたのかもしれない。背筋が寒くなる。


「昨日行けなかったろ? このまま行こうぜ?」

「行かないって行ってるでしょ! しつこいわよ!」


男達に周りを囲まれる。


「行けば楽しいって。お前も絶対気に入るから」


アキラが腕を掴む。


「やだってば! それに、あたし今、制服だから……!」


制服で街に出れば、補導される確率が上がる。


「別に構わねえよ」


にやりと笑うアキラの顔にぞっとなる。このまま連れていかれたらどうなってしまうのだろう。


「や、やだってば……!」


恐怖で喉が引きつる。助けを呼びたくとも声が出ない。


「あのう、嫌がってますよ」


突然空気を壊すかのようなのんきな声が聞こえた。

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