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寮母として

 翌朝。


 リナは何事もなかったように、食堂で朝食を食べていた。


「おはようございます、タマキさん!」


「おはよう」


「今日もいい天気ですね」


 少し、距離ができた気がする。

 でも——悪い距離じゃない。


 寮母と生徒。

 守る立場と、守られる立場。


 その関係を、ちゃんと保てた気がした。


---


 それから、私は寮母としての日々を送った。


 毎朝、生徒たちと朝食を食べる。

 毎日、洗濯や掃除を手伝う。

 毎晩、生徒たちと一緒に風呂に入る。


 慣れてきた——とは言えない。

 今でも、可愛い少女たちに囲まれると、心臓がうるさい。


 でも——それでいい、と思えるようになった。


「タマキさん、ありがとうございます」


「タマキさん、大好きです」


 生徒たちが笑顔で言ってくれる。


 私は——寮母として、彼女たちを守っている。

 それが、私の役割なのだ。


---


 ある日のこと。


 リナが、私のもとにやってきた。


「タマキさん」


「ん?」


「私——冒険者試験、合格しました」


「本当?おめでとう!」


 リナが笑顔で頷いた。


「タマキさんのおかげです」


「私は何も——」


「いいえ。タマキさんがいてくれたから、頑張れました」


 リナが、私の手を取った。


「卒業しても——また、会いに来ていいですか?」


「もちろん」


 私は笑顔で答えた。


「いつでも、待ってるよ」


---


 リナが卒業していった。


 寂しかった——でも、誇らしかった。


 あの子が、立派な冒険者になって。

 私の元から、巣立っていった。


「タマキさん、泣いてるんですか?」


 他の生徒——ミアが心配そうに覗き込んだ。


「泣いてないよ」


「でも、目が赤いですよ」


「……ちょっとだけ、寂しいだけ」


 ミアが笑った。


「大丈夫ですよ、タマキさん。私たちがいますから」


「そうだね」


 私は笑顔で頷いた。


「ありがとう、ミア」


---


 これが——私の新しい人生。


 転生して、女になって、女子寮の寮母になって。


 毎日、可愛い少女たちに囲まれて。

 毎日、ドキドキして。

 毎日——幸せを感じている。


「タマキさーん、お風呂の時間ですよー」


「今行くよー」


 私は笑顔で、浴場に向かった。


 前世では味わえなかった、温かい日々。

 これからも——ずっと、続いていく。


(了)

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