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女子寮の日常

 冒険者養成学校・女子寮「白百合荘」。


 私はここで「寮母のタマキさん」として働くことになった。


 生徒は二十人。全員が十五歳から十八歳の少女たち。

 みんな冒険者を目指して、日々訓練に励んでいる。


「タマキさん、おはようございます!」


「おはよう」


「今日の朝ごはん、なんですか?」


「パンとスープと、卵焼きだよ」


「やったー! タマキさんの卵焼き、美味しいんですよね!」


 少女たちが笑顔で食堂に集まってくる。


 私は——複雑な気持ちで、彼女たちを見つめていた。


---


 朝食後、生徒たちは訓練に出かける準備を始めた。


 冒険者養成学校の訓練服は——正直、刺激が強かった。


「タマキさん、行ってきまーす!」


 リナが手を振る。


 彼女の訓練服は——へそ出しのトップスに、太ももが半分見えるショートパンツ。

 動きやすさ重視とはいえ——露出が多い。


「気をつけてね」


 私は平静を装って答えた。


 だが——内心はパニックだった。


---


「タマキさん、どうですか? この服」


 サラがくるりと回って見せた。


 彼女の訓練服は——胸元が大きく開いたキャミソール型。

 谷間がはっきり見えている。

 下は——太もも丸出しのホットパンツ。


「え、えっと……動きやすそうで、いいんじゃないかな」


「でしょ? これ、最新のデザインなんですよ」


 サラが嬉しそうに言う。

 彼女の豊かな胸が、キャミソールの中で揺れた。


(目のやり場に困る……!)


---


「タマキさん、私のも見て」


 別の生徒——ミアがやってきた。


 彼女の訓練服は——背中が大きく開いたデザイン。

 振り返ると、背中のラインがすべて見える。

 ブラジャーの紐も——少し見えている。


「み、ミアちゃん、背中……」


「ああ、これですか? 動きやすいんですよ」


 ミアがにっこり笑った。


「背中が開いてる分、涼しいですし」


(涼しいって……見えてるんですが……!)


---


 前世の俺なら——今頃、鼻血が止まらなかっただろう。


 若い女の子たちが、露出の高い服を着て歩き回る。

 谷間が見え、太ももが見え、背中が見え——


 これ以上のパラダイスがあるか?


 でも——今の俺は違う。


 確かにドキドキはする。

 目が離せない。

 視線が吸い寄せられる。


 でも——「興奮」じゃない。

 ただの——「動揺」だ。


(くそ……! こんな最高の環境なのに……!)


 女の体になって、性的な興奮を感じられなくなった。

 これは——神様の嫌がらせに違いない。


「タマキさん、顔が赤いですよ」


「き、気のせいだよ!」


---


 朝食後、点呼をしようとしたとき——


「あれ、サラちゃんがいない」


 生徒の一人が言った。


「サラちゃん、寝坊じゃない?」


「またー? 昨日も遅刻してたよね」


 どうやら、サラという生徒は寝坊常習犯らしい。


「私が起こしてくる」


 寮母として、これも仕事だ。


---


 サラの部屋のドアをノックした。


「サラ、起きてる?」


 返事がない。


「入るよ」


 ドアを開けると——


 薄暗い部屋。カーテンが閉まっている。

 ベッドには、布団にくるまった塊があった。


「サラ、朝だよ。起きて」


「んー……あと五分……」


 布団から、眠そうな声が聞こえる。


「もう朝食終わっちゃうよ」


「んー……」


 私は布団を剥ぎ取った。


「きゃっ!」


 サラが飛び起きた。


 ——そして、私は固まった。


---


 サラは——ほとんど裸だった。


 キャミソールとショーツだけの姿。

 白い肌。すらっとした体。豊かな胸。


 サラは生徒の中でも、一番胸が大きい。

 その胸が——薄いキャミソールの下で、はっきりと形を主張している。


「タ、タマキさん!?」


「ご、ごめん! でも起きて!」


「恥ずかしいー!」


 サラが慌てて布団を引っ張り戻す。


「着替えるから出てってください!」


「う、うん。ごめん」


---


 私は部屋を出ようとした。


 だが——


「あっ……」


 サラが変な声を上げた。


「どうした?」


「足が……つった……」


「え?」


 サラがベッドの上で悶えている。

 ふくらはぎを押さえて、痛そうにしている。


「大丈夫?」


「痛い……っ……」


 私は仕方なく、部屋に戻った。


---


「どっちの足?」


「右……!」


 私はサラの右足を取り、ふくらはぎを揉んだ。


「っ……!」


「痛い?」


「気持ちいい……でも痛い……」


 サラの足を持ち上げる。

 白い太もも。すべすべした肌。


 キャミソールがめくれ上がり、お腹が見えている。

 ショーツの端も——見えそうだ。


(見るな見るな見るな!!)


「タマキさん……もうちょっと上……」


「え?」


「太ももの裏も……揉んで……」


 私は——複雑な気持ちで、サラの太ももを揉んだ。


---


「ふぅ……治った」


 サラが体を起こした。


「ありがとうございます、タマキさん」


「う、うん。気をつけてね」


「はい」


 サラが笑顔を見せた。

 キャミソールの胸元が、少しずれている。


「あの、サラ……胸元……」


「え? きゃっ!」


 サラが慌てて胸を隠した。


「見ないでください!」


「見てない!見てない!」


(見えた……けど……)


---


 サラを起こし、着替えを促した。


「タマキさん、手伝ってもらえますか?」


「え?」


「足がまだ痺れてて……一人だとブラジャーが付けられなくて……」


 私は——覚悟を決めた。


---


 サラがキャミソールを脱いだ。


 目の前に——大きな胸があった。


 生徒の中で一番の大きさ。形も綺麗。

 薄いピンク色の先端が、少し硬くなっている。


(寒いのか?それとも——)


「タマキさん、ブラジャー……」


「あ、うん」


 私はブラジャーを持ち、サラの胸に当てた。


 柔らかい。

 手の中に収まりきらない大きさ。


「カップに収めて……」


「う、うん」


 私は震える手で、サラの胸をブラジャーのカップに収めた。


「んっ……」


 サラが小さく声を漏らした。


「ごめん、痛かった?」


「いえ……くすぐったかっただけ……」


 サラが顔を真っ赤にしている。


 私も——きっと真っ赤だ。


---


 ホックを留め、ようやく終わった。


「ありがとうございます、タマキさん」


「う、うん。これからは寝坊しないでね」


「はい!」


 サラが笑顔で答えた。


 私は——疲弊した気持ちで、部屋を出た。


---


 最初の試練は、朝の点呼だった。


「えーと、全員揃ってるかな」


 私は名簿を見ながら、生徒たちを確認する。


「はーい!」


「揃ってまーす!」


 元気な声が返ってくる。


 十五歳から十八歳の少女たち。

 みんな——若くて、可愛くて、元気いっぱい。


 前世の三十年間、女性と縁がなかった私には——刺激が強すぎた。


「タマキさん、どうしたんですか?顔が赤いですよ」


「い、いや、何でもない」


「熱があるんじゃないですか?」


 生徒の一人——リナが、私の額に手を当てた。


 近い。顔が近い。

 甘い匂いがする。シャンプーの香りだろうか。


「熱はないみたいですね」


「そ、そう。大丈夫だよ」


「無理しないでくださいね、タマキさん」


 リナがにっこり笑った。


(心臓に悪い……)


---


 朝食の後は、掃除の時間だった。


「タマキさーん、雑巾どこですかー?」


「倉庫に——」


 振り返った瞬間、生徒の一人——ミアとぶつかった。


「きゃっ!」


 ミアが倒れそうになる。

 私は咄嗟に腕を伸ばし、ミアを支えた。


 ——柔らかい。


 私の手が、ミアの腰を掴んでいる。

 華奢な体。細いウエスト。温かい体温。


「だ、大丈夫?」


「は、はい……ありがとうございます、タマキさん」


 ミアが顔を赤らめた。


「タマキさん、力強いんですね」


「え、そう?」


「抱きしめられてるみたいでした」


(抱きしめて……ない!!)


 私は慌ててミアから離れた。


---


 昼過ぎ、洗濯の時間がやってきた。


「タマキさーん、洗濯物持ってきましたー」


 生徒たちが、洗濯カゴを持って集まってくる。


「ありがとう。そこに置いて——」


 私は洗濯カゴの中身を見て、固まった。


 下着だ。


 女の子の下着が、山のように入っている。


 ブラジャー、ショーツ、キャミソール——

 レースのもの、シンプルなもの、可愛い柄のもの。


(これを……俺が洗うのか……)


 前世では、女性の下着なんて見たこともなかった。

 それが今、目の前に山積みになっている。


「タマキさん、どうしたんですか?」


「い、いや、何でも……」


 私は覚悟を決め、洗濯物を仕分け始めた。


---


 下着を手に取るたびに、心臓がうるさい。


 これはリナのだろうか。

 これはミアのだろうか。


 誰のものか考えてしまう自分が、嫌になった。


(俺は今、女だ。女なんだから、女の下着を洗っても問題ないはずだ……)


 自分に言い聞かせる。


 だが、心は——前世のままだ。

 三十年間独身だった、女性経験ゼロのおっさんの心が。


「タマキさん、顔が赤いですよ」


「な、なんでもない」


「暑いんですか?脱ぎましょうか」


「脱がなくていい!!」

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