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逃げすぎた魔法使い  作者: ぱんどーる


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「はっ、やってやろうって気持ちはあっても今世はラッペン国の侯爵家の末っ子だ。 ムリな話だ」


「どうしたんだ? アル」


「俺達が出て行くんじゃなくて、この国の皆に出て行ってもらうのはどう? 記憶持ちのマティアスと婆ちゃんならできると思うし、俺とミッシュもあと5年位なら踏ん張れば生きられるだろうから土台作りに協力できる。 父さんに自白剤を用意してもらって、貴族の話を聞き、判断してダメな奴は開拓地に送る。 あそこは魔法が使える者が住む用だから、簡単に入れないし、入っても出ることができない造りになっているから調度いい。この国を出て行く前にマティアスも母さんも暴れる予定だろ? とくに母さんはどこまでやるか想像ができないところが、ちょっと不安だからね」


なるほど。 良い考えかもしれないが、俺はのんびりと暮らしたいな。


「その手がありましたか。 興味深い話です。 検討しましょう」とミッシュ。


「アルウィンとエミリアがいればこの大陸なんてどうにでもできちまうのに、この国の貴族の話をちゃんと聞くのか?」


「ええ。 この国を心から良い国だと言える貴族はいないでしょう。 そうなった原因、なぜ開拓地に送られるのかをきちんと理解してもらわなければ、暴動や戦争になってしまいますからね」


「うむ。 なかなかいい考えかもしれぬな。 なら、周囲が信じがたい記憶持ちの2人をサポートに回して、アルウィン殿が王になれば良いのではないか? 其方なら他国も認める功績があるしな。 皆が納得しやすいのではないか? 」


「その通りだ。アルウィンが王になれ」とマティアス。


「たしかに」 とミッシュ。


「え」


困った顔でこちらをみるアル。

はは、王にはなるつもりはなかったらしい。


「俺はのんびり過ごしたいってのが正直な気持ちだ。 ギャッツやロペスがどう思うかだな。 ギャッツは人間のイヤな所ばかりを見て、里に帰りたいと言っていた。 ロペスの知識量や語学力もこちら側にはありがたいが、この国で生きていく事に納得するかわからないぞ? 陛下やギンの協力も不可欠だ」


「そうなればマイロンは協力するぞ? 今の国より良くなることがわかっているんだからな。 ギンを置いてってもいいし、次男を連れて来てもいい。 ラッペンの王にも話はしといてやる。 だが問題はヘイミッシュ殿以外の口の利き方がなってないって事だな! はっはー」


「「「「・・・」」」」


マイロン王はやっぱりすごいなと思う。


「とりあえず皆にも話をするのが良いだろう。 1度はそれぞれが国に帰らなければならないのだからな」


その通りだな。俺が皆を呼びに行く為に席を立つ。

その間も皆の話し合いは続いている。


ギャッツとロペスは2人で酒を飲んでいた。


「おう、ユリウス。飲むかい?」

「いや、話し合いに参加してもらいたい」

「・・・何かあったのか?」

「話をしてたら、俺らが出て行くんじゃなくて、こっちの貴族が出て行けばって話になってる」

「「!? がははっー」」


息ぴったりで驚いて、息ぴったりで笑った。

大丈夫か?もしかしてかなり酔ってるのか?


「なかなか面白い案だなっはっぱ~」

「悪さをしてる奴らが出て行くのが普通だよなっくるぅ」


ん、酔ってるな。


「ムリそうならいいぞ? 笑ってたと言っておく」

「「酔ってない」」


酔ってる奴のセリフだな。


「じゃ、皆の部屋に行ってくれ」

「「ああ」」


ギン、アン、マリナの所で同じ事を伝える。


「面白いかもな」

「ええ」

「上手くいくか?」

「皆の意見もあっちで言ってくれ」


最後は、王妃様とエミリアだ。

エミリアが王妃様の髪色を変えて遊んでいた。


「はは、だいぶ印象が変わりますね」

「あら」

「ぺぺ」


エミリアが伸ばす両手をつかみ、引き寄せ抱きしめる。


「あらあらまあまあ。 仲良しね、ふふ」


説明をして、皆の部屋へとお願いする。


「まあ。 大掛かりな事になりそうなのね。わかったわ、行きましょうか」


「王妃様、色戻す?」


「ふふ、エミリアさんと同じ色で嬉しいから、今日はこのままにしましょ」


「ん、お揃い」


「ふふ、お揃いね」


なんだかんだで仲がいいな。


全員での話し合いが始まった。

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