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次の日からも部屋は別々されず、こちらに転がってくるエミリアを抱きしめたままにしても、何も言われなかった。
柔らかくて最高だ!
ピンクブロンドの髪はサラサラのつやつやで、今日は高い位置で1つに結ぶ。
顔も拭いてやり、3日目におでこにキスをしても何も言われなかった。それからは毎日キスをするようになった。頬にしても大丈夫だった。口はまだだ。いつか必ずする!
朝は弱いから寝ぼけてるし大丈夫だが、夜はまだ試せてない。
食事をとる時には、口をあけてきた。エミリアとしては、見せた見返りにすべてやらせる魂胆だろうが、こちらにとってはご褒美のようなもんだ! 好物を食べた時のふにゃっと笑う顔は反則だ! たまに自分が気に入ったモノを俺にあーんする事があるが、それも反則だ!
DランクからCランクに上げるのに1年かかった。
一匹を狩るのに時間がかかりすぎらしい。
エミリアは強いが教えるのに向いてない。俺がモタモタしていると討伐してしまうのだ。しかもそれをカウントしてくれないから、なかなか進まなかった。
ギャッツに剣術を習い、魔物を討伐するコツを教わった。
ギャッツは片足なのに強かったし、教えるのが上手かった。
「がはは。 エミリアは魔法がメインだ。 剣も少しは使えたが俺も数回しか見てないな」
「そうか」
「エミリアは感情が出にくいだろ? 強い相手と対峙しても変わらない。 エミリアが杖を出した時はヤバいと本人が思った時だ。その時は逃げろよ?」
「・・・わかった」
エミリアでもヤバいと思う時があるんだな
守ってやりたいが、きっとムリだろうな、ギャッツの言う通り逃げよう
「妻がエミリアを抱えてこっちに走ってきた姿は今でも思い出せる。 エミリアは何とも思ってなさげな顔だったが、妻は涙を流し、鼻水をたらし必死の形相ですごかった、がはは! すぐエミリアの相棒が討伐したがな。 だからこれを渡しておく」
青い色の石?
「身体強化ができる。1度使えば効果はなくなる。 ヤバい時でもエミリアは逃げようとしない。人の話を聞かない。 だからその時のエミリアは身体強化をぺぺにかけないだろう。妻が散々文句を言ってたからな。だからエミリアが杖を出したら、それに祈りを込めろ。その後は、ひたすら走って逃げろよ? がはは!」
エルフだから出来ることなのか?
忘れるくらい人間のオッサンにしか見えないが・・・
「ありがとう」
「ああ。 寂しくなるが、また違う懐かしい奴が顔を出すのだろうな、がはは」
「またくるよ」
「ああ、いつでも来い。 強くなったが、鍛錬は怠るなよ?」
「わかった」
エミリアが歩いてきた。
「ギャッツ、色々ありがとう」
「ああ」
エミリアは、金を稼ぐのに張りきりすぎた。
AランクからSランクにしようとするギルドに、ギャッツがダメな点をたくさん上げて阻止してくれたのだ。
「気をつけてな」
「うん、ギャッツも元気でね」
「がはは! お前達より長生きで丈夫だ! いつでも来いよ!」
「うん、またね」
「ああ、またな」
ギャッツと別れ、ザイルに向けて出発する




