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逃げすぎた魔法使い  作者: ぱんどーる


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あれからは色々と忙しかった。


王宮に転移して、色々と持てなされ、伯爵位をもらい、屋敷も3つ用意されたが、王宮から1番離れた海沿いの屋敷を1つだけもらい、領地は断った。


魔力持ちのエミリアとレティシアを王族から嫁にと欲しがられ、俺とレオンで必死に抵抗した。すでに俺の嫁だ!


婆さんが、「アタシも魔力持ちの女だよ!」とめっちゃキレて、王族相手に魔法で箒を飛ばしたのを、アルとアドが慌ててキャッチしてた。


俺と婆さんはすぐに爵位を譲ろうとしたが、手続きに時間がかかり、もらった屋敷に帰りたいと言っても聞いてもらえず、王宮にとどめられた。


夜会でお披露目をしようなんて、陛下が言い出したが丁重にお断りした。だが、高位貴族達がぞくぞくと王宮にやってきて、質問攻めにあったり、俺達が劇のスクリーンと同じ人物で、あれは演出じゃなくて、本当だったと驚かれたり、可愛いくなってしまったアドについて色々と聞かれ、クタクタになった。


アルは相手がいないから、常に女性達に囲まれていたが家では見せない、無表情で素っ気ない態度で対応してて、相手を怒らせやしないかと俺はヒヤヒヤした。


ギャッツも独り身なので、未亡人に迫られたり、愛人になれとマダム達に人気だったが、誠実な態度で妻一筋を貫いた。それが余計にマダム達を喜ばせていた。


ギャッツがモテていた事にも、婆さんはめっちゃキレてた。


キレた婆さんが、陛下と色々と交渉してくれたのはありがたかった。夜会やパーティーには出席しない。 いちいち呼び出さない。 アルウィンやギャッツに王命で結婚の話を出してきたら、すぐに結界を解いて国から出て行く。これらを書面にしてサインをもらい、魔法を使い書面を捨てることも、燃やすことも、書きかえることもできなくしていた。

しっかりしてるな。


そう、この大陸を覆う強力な結界をエミリア、アルウィン、レティシアで張ったのだ。 3人はぐったりして丸1日ベッドから出てこられなかった。

・・・っていう事にして、婆さんが金をふんだくっていた。

バレませんように。


婆さんは全てにおいて本当に頼もしいな・・・。


手続きが済み、やっと解放され、王都で色々食べ、食料をたくさん買い、 アイテムbagにどんどん入れた。


レオンとレティシアも王都の教会で結婚式をした。 陛下とミッシュが参加したいと言ったからだ。だが、陛下が出席することがどこからか漏れて、結局人がたくさん来てしまった。人がいようといまいと俺はやっぱり号泣したが、レオンとレティシアが幸せそうだったから良かった。


もらった馬車2台で、10日間かかってやっとこれから住む屋敷に着いた。疲れをとってから、婆さんの家を今の屋敷の横に、エミリア、アル、レティで転移させた。

婆さんの家は、俺らにしか見えないし、入れない。 新しい家は、見えるが入れないように結界を張った。

もう誘拐はこりごりです。



やっと落ち着いた所で、婆さんが衝撃的な発言をした。


「ヒッヒ。 3日後の昼にアタシは寿命を迎える」


「「「「「 は? 」」」」」


人とは思えない長寿だったが、元気だったじゃないか!薬もあったんだろ? これからやっと問題もなくゆっくりできるのにどうしてだよ。


「パパ、ばーちゃんはとっくに限界を超えているよ。 僕が、ばーちゃんに常に回復をかけてる状態だよ。 全部片付けるまではって言うから・・・うぐっ」


アル・・・。


「泣くな、ユリウス、 アル。 ヒッヒ、3日はどうにか踏ん張るから、 アタシに文句のある奴は、順番に並んで部屋に来い。 じゃあな」


そう言って、部屋に戻って行く婆さん。その背中を見ながら、しばらくの間、みんな静かに涙を流した。


茶を用意して、みんなの前に置く。


「全員文句あるだろ? どんな順番にする?」


「俺からでいいか?」とギャッツ

「次は俺でいいか?」 とレオン

「はい」と手を挙げたレティシア

「レティの次は僕が行く」とアルウィン

「じゃ、アルの後に俺で、最後はエミリアだな」

 頷くエミリア。


「じゃ、 早速行ってくる」 と立ち上がったギャッツ。


見送った後、アルが


「レオン、レティ、魔導具の事で相談があるからちょっといい?」


3人で婆さんの家に向かって行った。 今まで訓練していたスペースは、魔導具作りの作業場にする事になった。


残った俺とエミリア。

2人だけになったからか、気が抜けたからか、涙と嗚咽が止まらない。エミリアも俺に抱きつきながら、泣いている。エミリアの涙は初めてだ。


大切な人との別れは辛い・・・。

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