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レオンが部屋の前で止まる。
「俺はこの部屋でエミリアの世話をしていた」
「・・・行こう」
「ああ」
カチャっとドアを開けるが真っ暗でよく見えない。
すぐに婆さんが魔法で明るくする。
「いないな」
「本当に何もない部屋だな」
「窓もあんな上で小さすぎるな」
「そうだな、昼か夜かの確認ができただけだった」
この部屋から出られなかったのは可哀相だ。 衛生状態がいい牢屋と一緒だ。番だなんて言いながらこの扱いはヒドくないか?
「どこにいると思う?」
「主の部屋か?」
「ヒッヒ。その可能性は高いな。 だが、他にこういった部屋はないのか? 竜人の部屋にエミリアがいなかった場合のリスクが高い。それ以降は、この家での捜索が不可能になるし、侵入すら出来なくなるぞ」
「だな」
4人で考えた結果、ある程度の部屋を見てから竜人の部屋に行く事になった。レオンが言うには、竜人は自分の部屋にいると鼻が言っていて、エミリアは拒絶してから匂いも消えたそうだ。
クソ、エミリアの匂いを覚えるな! 忘れろ!
結局、使用人部屋や、客室、応接室、調理場などを除いてほとんどの部屋を確認した。これは俺のわがままだ。この1回のチャンスなのだ。 あの時、あそこを見ていれば良かったなんて事は避けたかった。
「ヒッヒ。いなかったな。 満足したかい?」
「ああ。 ありがとう」
「俺だってそうしたさ。気にするな」
竜人の部屋の前に来た。
レオンがドアに手をかける。
婆さんが部屋を明るくする。
俺は竜人の姿を確認して時間を止める。
ギャッツが竜人の口に薬を流し込む。
レオンも2本目を流し込む。
「ふう、明るくした途端、起き上がってビビった」
「だな」
そして予想通り、竜人のベッドの横にエミリアはいた。
やっとだ。泣きそうだ。
「エミリア。 お待たせ」
小瓶の蓋を取り、上からかける。
液体がかかった所から光り始め、石が溶けているように見える。
全部の石が消えたら、エミリアが倒れそうになったので、慌てて抱きとめる。
「エミリア?」
エミリアは目を閉じたままだ。
「前回、拒絶した時は、アタシが薬を作るのに5日かかった。 作ってすぐ使って、その時はすぐ目が覚めたんだがな。 うーむ・・・」
「まあ、とりあえずは取り返しんだ。 ここから出よう。 レオンはやることやっちまえ」
「ああ」
そう言ってレオンは竜人を殴った。1発って言ってたのに、顔、腹、顔と3発入れていた。
「ヒッヒ。気がすんだかい?」
「ああ。 スッキリした」
その時、ドアが開いた。
「「「「 ! 」」」」
「誰かいるの!? え!? アドラー様!?」
俺達の姿は、魔法で見えていないはずだ。
竜人は起き上がろうとした体勢のまま、止まって動かない。
「ビー・・・」
「!? その声は・・・レオン!? 何でいるの? アドラー様に何をしたの? ・・・! 人間が石から出た!?」
ビー・・・、ビー、ビー・・・。
あ! 前に言ってたレオンの恋人だった子か?
「誰か来て!! 侵入者よ!!」
マズいな。
婆さんがビーを魔法で拘束した。
「何をするの!? でもここはアドラー様の屋敷よ? すぐ助けが来るわ。そして、また罰を受けるのよ! 今度は左手と左足ね! あははっ! それよりレオンはその人間がいいの? 本当にバカな男ね。 でも調度いいわ。 これでアドラー様に薬を飲ませられるわ。 これからは人間じゃなくてこの私が、アドラー様の身も心もすべて、お慰めするのよ! 早くコレをほどきなさい!!」
この子は、竜人が好きなのか?
「薬はもう飲ませてあるよ」
「誰!? 仲間もいるの?」
「レオンは、君の事が本当に好きだったのに、君は違ったんだね」
「あははっ、やめてよ。こんな男、アドラー様に言われて仕方なくよ!」
・・・レオン、この子の本性を見抜けなかったお前にも問題があるんじゃないか?
そんな事を考えていたら、
「レオンは、格好良くて、強くて、優しい!! こんな女にレオンはもったいない!!」
なんと! ポケットからレティが顔を出してきた!
「そうだぞ! お前なんかにレオンはふさわしくない!」
なんと! アルがレティの加勢をしてきた!
「そうね、レオンはつまらないけどいい奴だよ。 ビーちゃん、あなたに会うのを楽しみにしてたけど、残念だった。 竜人の事、そんなに好きならよろしく」
なんと!! エミリアがしゃべった!!
「エミリア!!」
「ぺぺ、待ってた」
2人で抱きしめあう。
「ヒッヒ。 久しぶりだな、エミリア。 お熱いのも結構だが、それより時間がない。 足音が近い。 ぺぺの時間もない。 防御の壁を張るから魔法陣を用意しな!」
そうだ、俺の時間がヤバい。
とにかく脱出だ!!
「ねえ、何でみんな猫?」
エミリア、それはまた後でだ!




