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「・・・結局ローブなのか?」

「白より断然よくなっただろ?」


ポーズを決めるぺぺ。

ちっともサマになってないがな


「じゃ、ちょっと魔法をかけるから。やっぱり他のがいいなんて言わないでよ? 剣を買って、装いはローブなんて変だと思うが・・・」

「これでいい。なにかしてくれるのか?」

「集中したいから黙ってて」

「・・・ああ、すまない」




今日はギルドへ行き、エミリアのカードが有効であることがわかった。


ここが俺らが住んでいたザイルの隣の隣の国、マーチンだということもわかった。


俺も冒険者に登録した。


Eランクスタートだ。 このランクだと、薬草採取くらいしか、1人でやれる仕事はない。 30回やればDランクに上がる。先は長いな。 スライムや、ゴブリン討伐だとCランク以上の付き添い人が必要だが、2回分としてカウントされる。

とりあえず地道に頑張って、エミリアの足手まといにならないようにしないとな。


エミリアは眼鏡の呪い解除してくれた。今は伊達眼鏡だ。似合っていたと言われたから、またかけている。

眼鏡をかけていれば、また呪われても呪い返しができるそうだ。すごいな。無くせないぞ。


知力、武力の低下、背を低くし、モテなくして、顔面偏差値を下げただと?

兄はそんなに俺を疎んでいたのだろうか。

朝起きて鏡をみた時、少し違和感はあった。今のこれが元の顔なんだな。服の丈も短く感じた。

地味だけど俺的にダメージデカい呪いをかけやがって。 もっと楽しい人生が送れたかもしれないじゃないか!

次兄は、王都の騎士団にいる、脳筋野郎だ。

俺は3男だったし、厳しい教育もされず、両親にも可愛がってもらった。それが原因か? 俺がもし優秀だったとしても、自分から後継者になりたいと思うことは絶対になかったのにな。

もし帰れたら、兄にどう接すればいいのだろうな。転移前は良い兄貴を演じていたのだろうが、事実を知ってしまった。


まー、それは帰れたら考えればいいか。

それか実家に行って今の兄の様子を見に行くか?生きてるだろうか・・・80歳過ぎてるから死んでるかもな。

後でエミリアに相談してみるか・・・

とりあえずは、エミリアに返済しないとな。 丈が短くなってしまったから服まで買ってもらった。俺の持ち金を今の紙幣と交換したから、エミリアに渡そうとしたが、はぐれた時にお金がないと不便だから持っておけと言われた。

たぶんその時はお前が原因なんだろうな・・・。

そう思うと、エミリアに振り回されて疲れている自分が想像できて、なんかイラッとした。


「こら! ぺぺ! おい!」

「っ! あ、悪い。 考えごとをしていた」


「しっかりしろ! この後は冒険者として出発するんだぞ? 今のぺぺじゃ、ゴブリンにもやられそうだ!」


腰に手をあて、叱るエミリア。

あー、何となく想像できる。 お師匠にもそうやって、お前が言われてきたんだろ?


「説明するからちゃんと聞け。まず、ローブを頑丈にした。 お前がゴブリンから攻撃を受けて、鼻血を出そうが、髪が燃えようが、ローブは無事だ。 攻撃されてもぺぺへの肉体ダメージが軽減されるようにした。」


おお! すごい。めっちゃ価値が上がったローブになった。

すごいけど、そこまでできるなら、俺の顔も守ってくれてもいいんじゃないか?


「ローブの中の服も同様だ。 それからローブの内ポケットと外の右側のポケット、その2つにアイテムbag効果をつけた。他のポケットは普通のポケットだ。 使用には気をつけて」


試しに、買った剣をポケットに入れてみる。

すげー。 すっぽりと入った。 腰に差すよりポケットに入れておいた方がいいのかも。ポケットの中の方が重さも消えたし。


食べモノを入れても、入れた時の状態でキープされると言ってたな。内ポケは食料にするか?


それにしてもすごいな、エミリアは。


「 荷物もポケットのおかげで少なくできるし、もう服も買わなくてよくなったな。 1着しかダメなんてケチだなーなんて思ってた。 ありがとう、エミリア」


「ん」


頭をなでると、そっぽを向くエミリア。

ふ、可愛いいじゃないか。


「・・・それから、その2つのポケットは、ぺぺと私の手しか入らないようにした。 お金もそのポケットにした方がいい」


「本当にすごいな、 エミリア。スリの心配も無しか!」


褒めたら、頭をほんの少しだけこちらに傾けてきた。

ぐっ、またなでられたいのか?

クソ、ちょっと可愛いぞ、エミリア


ま、口には出さないがな。


準備が出来たのでまずは薬草だな。

よし、頑張ろう

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