表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃げすぎた魔法使い  作者: ぱんどーる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/96

31

ーエミリアsideー


「帰りたい」

「俺も帰りたい」


「・・・」

「・・・」


サイモンは他にも色々とやることがあるから、食事を運び、その時に様子を見るくらいだ。


俺はずっとこの部屋でこいつの監視だ。


まあまあの広さの部屋にベッド、テーブル、ソファがあるだけだ。 窓も天井近くにあるだけで、昼か夜かを確認できるくらいだ。外の景色を見る事もできず、娯楽があるわけでもない。本当につまらない部屋だ。


「明日か明後日には主は起きると思う」

「・・・」


ふ、苦虫をかみつぶしたような顔になった。


「レオンが、自分の恋人を連れ去られたらどう?」

「・・・悪かった」


そんなの耐えられないな・・・。あー、会いてーな。


「お前の旦那は来るか?」

「・・・子供達がどうにかなればね。 でも2歳だし」


こいつの子供も泣いてるんだろうな・・・。


「はぁ、帰りたい」

「ああ、帰りたいな」


「薬を飲んでくれないかな・・・」

「ムリだろ・・・」


どうせ、昔渡された薬は捨てたはずだ。


「一応渡しておく」

「は? 持ってるのか?」


「ん」

「・・・お前、俺は主の部下だぞ」


「ん・・・。期待はしてないけど。ムリそうなら返して」

「・・・預かっておく」


一応、ポケットにしまっておく。


「ねぇ、恋人を連れてきて」

「は?」


「レオンはつまらない」

「お前・・・」


トントン

「失礼いたします。 お食事をお持ちしました。 うーん、どんよりした空気ですねぇ。窓を開け・・・られないお部屋でしたね、失敬」


「「・・・」」


さすがにこの部屋で過ごすのは、エミリア様が可哀相だな。

しかも無愛想なレオンと2人でいると、この空気になってしまうか・・・。


「レオン、ちょっといいか?」

「ああ」


部屋から出て、サイモンから問われる


「どうだ?」


「見たまんまだよ。 景色を見る事も出来ず、本があるわけでもなく、俺が睨みをきかせているだけだ」


「ですよねぇ・・・。 食事を届けに行くだけでも、なんか足が止まりそうになりますよ、はは」


「・・・ビーを連れてきちゃダメか? 話し相手にも、風呂の世話もできる。 俺だっておかしくなりそうだ」


「・・・ですよねぇ。 考えておきます。 レオン、引き続きエミリア様を頼みましたぞ。では」


消えるの早っ。本当にサイモンはこの部屋がイヤみたいだな。


部屋に戻ると、食事は終わったらしい。片づけようとしたが、見ると食事はほとんど残っている。


「食欲ないのか?」

「・・・食べていいよ」


「もうちょっと食えよ」

「・・・大丈夫」


「本当に食っちまうぞ」

「・・・ん」


いらないのなら俺が食べよう。 ん、うまいな。客人用な感じだ。 もうちょっと量があれば最高だな。


「・・・」

「・・・なんだよ」


「違うの食べるね」

「は?」


そう言ってポケットから取り出した丼。

スゲーな、そのポケット。しかも出来たて? 匂いはうまそうだ。


「いただきます」

「・・・」


「・・・なに?」

「・・・交換しようぜ」


「・・・やだ」

「ケチだな」


「・・・少しならいいよ」

「!」


尻尾が揺れてる、面白いな


「うまいな!」

「・・・こういう食事をだして」


「ムリだな。 これだって客人用でいい肉使ってるぞ」

「そうなんだ」


「こっちを全然食ってないだろ? ほら食べてみろ」

「あーん、もぐもぐ・・・固い」


クソ、口をあけるから放りこんじまった。


「もう少し食え、ほら」

「あーん、もぐもぐ」


「カツ丼も食べていいよ、はいどーぞ」

「あむ、ん、うま」


なんだかんだでちゃんと食べたな。良くやったと頭をなでる。


ハっ! またこいつのペースにハマった。



「ねぇ」

「なんだ?」


「尻尾さわらせて」

「・・・」


「お願い」

「・・・ったく。ほらどーぞ?」


「ありがと。 ふわふわ」

「・・・」

なんだそのふにゃ顔は・・・可愛いじゃねーか、クソ!


「ねえ、レオン。 あなたの主の顔も見たくない。だから私は拒絶する。 拒絶中は何もかもを拒絶するから私をどうにかしようとか考えないで」


「・・・」

主もさすがにすぐ盛らないだろ・・・。イヤ、わかんねぇな。今眠って英気をを養ってのか?


「コレあげる」

「・・・なんだコレ」


「いざっていう時に力がわく」

「・・・そうか」


俺は主の部下だぞ? ホントにわかってるのか?

説明も短かすぎるだろ!? 怪しくて飲めねーよ!


「・・・ん? おい!・・・ちっ、寝やがった。しかも俺の膝を枕にして・・・」


エミリアの頭をなでる。

こいつホントに人妻か? 無防備すぎるだろ?


主にこんなことしたらすぐ火がついて、目をギラッギラにさせて、エミリアは1ヶ月は部屋から出してもらえないだろうな。


それよりも主に今、この状況を見られたら、俺は殺されるだろうな・・・はは。


ん? なぜ、俺の尻尾が揺れる? 止まれ! 意識して揺らさないようしても揺れる・・・。


揺れるな!! クソが!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ