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3

「視力は悪いのか?」


「ああ、急に落ちたかもな。 あまり覚えてないな」


「眼鏡をちょっと見せて」


「ああ。ほら。 ・・・ん? ・・・っ!!」


「見えるか?」


「・・・ああ」


「視力は治した。 この眼鏡は呪われてるな」


「・・・マジか」


「・・・多分、能力を抑える術がかかってる」


「・・・そうか。 私・・・もう俺でいいか。 これは兄に貰ったんだ」


「言わない方が良かったか?」


「いいや、ありがと」


首をふるぺぺ


「・・・私は、両親から嫌われてた。 この眼鏡は似合っていたぞ」


「ふ、慰めてるのか?」


ぺぺに頭をぐりぐりされる


「~~~! やめろ!」


「ふ、あはは」




「エミリア、明日からはどうする?」


「転移前は師匠と冒険者をやって生活費を稼いでいた。 このカードが有効か確かめたい」


ローブの下からカードを出す


「すごいな、Aランクかよ」


「師匠もAランクだがSSランクになれてたはずだ。 だが、ランクが高いと面倒な事ばかり押しつけられるから、これ以上は上げるなと言っていたな」


「ああ、わかるわー。確かに面倒そうだな。じゃ、明日はギルドへ行くか。 宿はどうする? 俺、金ない」


「・・・・・たかるのか」


「・・・巻き込まれるとわかっていれば、金を持ってき

たに決まってるだろ。 エミリアは準備万端で転移したんだろ?」


「・・・当面は私が出す。 ぺぺも冒険者をやるか? ムリなら他で仕事を探して」


「うーん、そうだよな・・・万能なエミリアがいるから冒険者やってみるかな、呪いがなくなってどの位動けるか知りたいし。 あ、武器や装備も買って欲しい。 この白いローブはちょっとイヤだ」


「・・・」


「しょうがないだろ? 何をやるにも準備は必要だ」


「・・・明日買いに行こう。今日は宿をとって休もう。 もうクレープ屋は閉まってるかな、おじさんに聞いとけば良かった」


「なんであのオッサンを信頼してるんだ?」


「・・・何となく、知り合いに似ていたんだ」


「なるほどな。 でも閉まってるだろ? 会計の時にここの店員に聞いてみるか」


「そうだね」



ココの店員に教えてもらった宿屋に入り、

また明日と挨拶して、部屋に入る。


ふー、お腹がいっぱいで眠い

だけど、この眼鏡の術は解除しておきたいな

ぺぺにはこれが似合っていた


それにしてもコレは、なかなかに面倒そうだ。

知力の低下、武力の低下、うーん、顔も少し不細工になるようになってるのか? 背も低くなる? モテなくなる?

どれだけお兄さんに恨まれてるんだ? ぺぺのやつ!

しかしこれはこれで貴重だな。この眼鏡に、これだけ詰め込んだ奴に会いたくなってきたな!


眼鏡に興味がわいたエミリアは眠気がとび、楽しそうに術と格闘するのだった




次の日、時間になっても来ないエミリアの部屋へ行くと、鍵もかけず、ベッドを使わず、床で丸まって寝ているエミリアを発見。


叩き起こし、説教をして、準備をさせ、それでも寝ぼけて動きの遅いエミリアの髪を結い、朝食を食べさせるまでをやらされたぺぺは、どうしようもない子を見る目で、


「俺がいて良かったな、エミリア。 こりゃ部屋も1つでいいか? エミリアと俺がどうこうなることはないだろし」


「お金がかからないし、 ぺぺが色々とやってくれるからラクだ。 私は別にかわまない」


「・・・・・そうだな。」


なんかなんとも言えない気分になるぺぺだった・・・

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