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「・・・アレが例の番か」
「・・・ああ」
ギャッツはこちらから見えなくなるまで追ってくれたが、見失い、諦めて帰ってきた。
「お婆が教えてくれた薬は持っていたのか?」
「エミリアと俺で1つずつ持っている」
「アルとレティの訓練を早めるぞ。 エミリアを返してもらうんだろ?」
「・・・ああ、それは必ず」
「2人の魔法は役にたつはずだ」
子供達を見る。 こんな幼いのに無理矢理はしたくない。
安全な場所で信頼できる人の所にいて欲しい。
アルウィンとレティシアの前でかがむ。
2人はすでに泣きやみ、かがんだ俺をきょとんと見つめてくる。
はは、きょとん顔もそっくりだな。
「ママがさらわれた」
目を見開く子供達
「俺はママを取り返しに行く。 お前達はママみたいに魔法が使える。 訓練して一緒に行くか、じいちゃんと待ってるか、まだ考えるには幼なすぎて申し訳ないが、決断してもらわなきゃいけない」
お互いを見つめる子供達
「「 訓練して一緒に行く! 」」
はは、息ぴったりだな・・・
「・・・行くなら魔法は早めに覚えてもらわなければならない。 早くママを探しに行きたいからな。 簡単じゃないぞ? じいちゃんと待っている方が安全だ。 俺の本音はそうしてもらいたい」
「「 絶対に一緒に行く! 」」
俺に抱きついてくる子供達。
抱きしめ返し、
「・・・アルウィン、レティシアごめんな。 パパがちゃんとママを捕まえておかなかったから、連れて行かれちまって・・・」
「「 パパは悪くない! 」」
「・・・ありがとう」
更にぎゅうぎゅうに抱きしめる。泣きそうだ。
子供達には見せられないから必死に堪える。
「決まりだな。アル、レティ。魔法はじいちゃんが教える。剣はパパに教われ。 ぺぺ、とにかく家に帰ろう。 考えるのもそれからだ」
「そうだな、帰ろう」
荷物を片づけ、歩き始める。
子供達はギャッツが左手にアル、右手にレティを抱っこし、地面から30センチくらい浮き、飛行しながら、俺のペースに合わせている。
魔法を簡単に覚える事ができるのか?俺は魔法が使えないから分からない。
もし、2人が完璧に使いこなせるようになれば、足手まといは俺だ。
だが、それまでは2人を守りながらエミリアを探さなければならない。一応、ランクはAまで上がってるが、たぶんAの中の1番下だ。これからも鍛錬を怠るつもりはないが・・・。
やっぱり、アルとレティはギャッツのそばにいてくれた方がいいかも・・・。
歩きながら、色々と考えるが考えがまとまらず、俺はひと言も話す事もなく家まで歩いた。
エミリアもごめんな・・・。
抱きしめていたはずなのに・・・。
今が幸せすぎて、100年後だからと安心していた。
俺のせいだ。
必ず助けるからな。




