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眠るエミリアの髪をなでる。
はー、最高だった。
ムリムリ、イヤイヤ、怖い怖い、なんて言ってたくせに、
後半は『もっと』だもんな~
はー、これはクセになる。
起きたらもう1回・・・いや、ダメだな。既に何回したんだ? エミリアは目が覚めたらあちこち痛いはずだ。
我慢だな。
眠れそうにないので、婆さんからもらった手紙を読む。
次兄の息子からだった。
ー 会った事のないユリウス叔父様へ ー
突然、大魔女様が現れて叔父様の事を聞きました。
大魔女様が持ってきた水晶で、叔父様が魔法陣の上で消えるのを見ました。
その前の聖女様召喚の時にいなくなってしまったと父から聞いていたので、叔父様がこの国にいた事に驚きました。
もし、ザイルに来ることが会ったら伯爵邸へ起こし下さい。 私の父が残した手紙、祖父母が残した手紙があります。
生前の父や、祖父母の事も聞きたいし、未来の事も聞きたいです。
もし、私が亡くなっても、これらの手紙の事は息子から孫へと引き継がれる予定です。
私が生きてる間に会える事が1番ですが。
体にお気をつけてお過ごしください。
ー エドガー・ぺぺロール ー
エドガーという名の甥っ子か・・・。 長兄と次兄は父に似て、俺は母に似た。 もし、行っても、あまり似てない叔父を認めてくれるのかな。伯爵邸に行ってすぐ追い出されたら悲しいぞ。 皆が残してくれた手紙も気になるが・・・エミリアが竜人に会ってしまうかもしれないし、行きづらいな。
ん? もう1枚手紙があるな。 これは婆さんか・・・。
『エミリアの方の手紙は大した事は書いていない。
あいつはちゃんと読まない。そういう奴だとアタシは良く知っている。だが、あいつにも書かねば、ふてくされるだろうから書いたが。
エミリアに渡した物は、番認識機能をなくす薬の必要な素材を書いた紙だ。もし出くわした時の為に作っておいた方が良いぞ。
それからアタシの勘は更に先の時代に転移したと言っている。考察してみたが、聖女召喚は先へだろう。戻るのならば聖女召喚は関係ないと思える。お前達でよく考えろ。
それに、転移を使えとエミリアに言え。 あいつはバカだから歩くと思ってるだろ? 1度行った地には転移が使える。 お前さんがその都度言ってやれ。
こちらに来る時は、そこで流行のモノを持参するように! アタシは年で遠くには行けないからな!
エミリアをよろしく頼む』
逆にエミリアに何を書いたか気になるな・・・。
薬の材料はすぐに集めたいな。 絶対に必要だ。 執着がスゴそうだったぞ、あいつ・・・。
転移の件は、婆さんの勘は当たってそうだ。 これはエミリアにも言って考えてみよう。
ギャッツの店のドーナツを婆さんの所へ持っていったとして、生きてるのか?? すでにスゴい婆さんだったぞ?
ん?
エミリアが起きたようだ。
「おはよう。体は大丈夫か?」
髪をなでながら尋ねる。
「ん」
そう言いながら、抱きついてくる。頭を俺の胸のにぐりぐりとする。寝ぼけてるのか?
これじゃ、今手紙の事を伝えても頭に入らないだろうな・・・。
「もう少し寝るか? それとも何か食べるか?
それかもう1度、愛を確かめあうか?」
「・・・うーん、全部」
ふ、欲張りで可愛い奴め。
「じゃ、愛から始めようか」
「・・・ん」
新婚だし、いちゃいちゃしててもいいだろう?




