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2話 ラーメンと小柄な先輩

ポイっ

「君もラーメンが好きなのか??」


「はい、先生、大好きです」


「そ、そうなのか!?そのだな…この辺りはあまり詳しくなくてだな、いい店はあるのか?」


「今度紹介しますよ…」


と周りの先生方に聞こえないようになるべく小声で俺こと鈴木は海東先生と密談をしていた。え?なぜそんな会話をしてるかって?それは簡単!部活の活動内容が決まったのでそれを先生に報告に来たのだが、説明中に出したラーメンという言葉聞いた先生が興味を持ったらしくこうなったのだ。ラーメンの話する際めちゃくちゃ周りをキョロキョロ見渡して警戒しながらラーメンの話切り出したのまじかわいい、これがギャップというやつか…


「そうか!!頼むよ!!――っとゴホン!本題に入ろうか、聞いた感じだと部活の内容的におそらく申請は通ると思う、今から上と生徒会に申請書を出してくるから明日まで待っておいてくれ」


「わかりました!ありがとうございます」


「――――それと、名前はこれでいいのか?いいなら別にそれでいいんだが…」


「え?かわいくないですか?いやー我ながらいいネーミングセンスですよ全く!」


「そうか……」


いやほんといい名前だわ、これにはさすがの鈴木自画自賛しちゃう、よくやった昨日の俺。


というかまじで部活の内容これでいいのか…相変わらずうちの学校はすごいな、いい意味で


「では、失礼します!」


「あぁ、これから顧問としてよろしくな鈴木、―――ちょっと気が早いか?」


先生はそう言い笑いながら申請書をもってどこかへ去っていった、頭を下げて感謝をしつつそれを見送って職員室から退室した。

さてもう時刻はもう放課後だが俺は今からやることがある!!そうポスターを作りだ!!それもこのうちの学生全員に配布されている学校専用端末に掲示する用と廊下にある掲示板に張る用の二つだ。よしPCルームに行くか、あそこのパソコンを使ってパパっと作ってしまおう!プリンターもあるしな!




というわけで到着しましたPCルーム、この部屋には最新のつよつよPCがそろっているのでなんか動画編集作業する人とかがたまに使っている部屋だ。俺にはそんな編集スキルとかはないのであまりこの場所にはお世話になっていないが今日は思う存分お世話になろうと思う、さて空いてる席に座ってPC起動!入部したくなる人がいっぱい来るようなポスターつくるぞおおおおお!!!!


といろいろ作業して1時間経過してようやく完成した。これが完成品だ!!!とくとみよ!!



部員募集!!!!


生徒の皆さん、我らが『好研部』に入部しませんか!?

部活内容は簡単!!自分の好きなことを研究して文化祭でそれを発表する!!

好きなことに好きなだけ打ち込むことができる部活です!!!

しかも友達もいっぱい増えるよ!!!もしかしたら彼女もできちゃうかも!?

さ ら に今なら初加入部員になれる!!特典もあるよ!!

さあ!今すぐ入部!入部!!


(ここら辺にフリー素材のピースしている画像×5)


入部希望の方は海東先生までご連絡ください




完 璧 だな、フッ自分の才能が怖いぜ、あとは海東先生から正式に活動してもOKという許可をもらってこれを掲載するだけだ、あっ特典のお菓子詰め合わせも買いに行かないと!さぁ楽しくなってきたぞおおお!!と内心めちゃくちゃ盛り上がった状態で印刷したポスターを眺めていると



「君これはーーーー何だい???」


うおっびっくりしたぁーー!?ポスターが完成して一息ついていると後ろから急に声をかけられた、振り返ってみると眼鏡をかけた小柄で真面目そうな少女がドン引きしながら俺の作ったポスターをのぞき込んでいた。っとよく見ると制服についてるピンが赤色だということはこの人三年生だな、すっげぇ小柄だから後輩かと思った。


「ど、どうも、これは俺が作った部活のポスターです!」


「―――そうなのか、すまないあまりこの部屋で見ない人が遅くまで作業してたから気になってのぞき込んでしまった。」


もうしわけない、先輩は続けてそう言い頭を下げた。なるほど、それは気になってもおかしくない、もう夕方の6時半だし周りを見てみるともう俺とこの先輩しかいない、そうだ!この人にポスターの批評をもらおう!人の意見ってやっぱり大事だし!もしかしたら興味を持って入部してくれるかもしれない


「いえ全然大丈夫です!そうだ先輩!突然申し訳ないのですがよろしければアドバイスとかもらえませんか?正直我ながら会心の出来だと思うのですが人からの意見が聞きたくて」


「――――これが会心の出来……????」


「はいっ!ここであったのも何かの縁ですし、ぜひ批評をお願いします。先輩!」


「あーうん、もう少し見せてもらってもいいかい?その後輩君?」


先輩は俺のつけている水色のピンを見てからそう言った。


「大丈夫です!お願いします!」


俺はそう言い先輩がポスターを見やすくなるように近くにあった椅子をガラガラと持ってきて先輩に献上した。先輩は「ありがとう」といいちょこんと座り俺のポスターを食い入るように見始めた。それを見届けてから俺はジュースを買いに自販機へと向かった。やっぱり報酬がないともうしわけないよね!!あれ?先輩なんかぶつぶつ言ってるなぁどうしたんだろう?


「この完成度のポスターを1時間かけて作ったのか??」「なんでピースしてるんだ???あとなんで5人???」「文章が胡散臭すぎる…」「海東先生はなぜ彼に一任したんだ…」

「どう伝えればいいんだ、あんなにキラキラした目で見られたのにこれから酷評しないといけないのか??」「むしろもう僕が今から作ったほうが…」




「先輩!戻りました!」


「んぐっ!?!?あぁ君か後輩君、びっくりしたよ」


「すみません!あのもしよろしければなんですけどこれどっちが好きですか?」


俺はそう言い甘い果実系のジュースと普通のお茶を先輩に見せた。


「ん、すまない気を使わせてしまったか、お金は払うよ」


先輩は甘い果実系ジュースを手に取り鞄から財布を出そうとごそごそし始めた。


「先輩!これはお礼なんでもらってください!」


「いやしかし、後輩におごってもらうわけには…」


とごねていたが何とか言いくるめた。お礼なので受け取ってもらわないと俺が申し訳なくなるからね!!お礼とても大事


「さて先輩、どうです?俺の会心の出来は」


「―――――そ、うだねいい出来だと思うよ、うん、作者のセンスが前面に出されていていい味になっているよ」


おぉ!!やっぱりいい出来なのか、さすがだな俺、こういうのう来るの初めてだったけど頑張ってよかった!!


「ただ、そのーーーそうだ、僕もこの部活のポスターというものを作ってみてもいいだろうか??そのだな、今僕はこういったポスターを作ることにはまっていてね!君のポスターをみて制作欲が刺激されたというか、いい影響をもらったというか、その何といえばいいんだろう、そう!要するに僕も作ってみたくなったんだよ、うんだからこのポスターを掲示板に張るのは空いたまで待ってくれないだろうか、僕が作ったものを明日までに持ってくるからそれまで待ってほしいんだ!!」


先輩はほぼ一呼吸でそう言い切りぜーはーぜーはーと荒い呼吸をしながら俺にお願いしてきた。そんな!!おれのこの会心の出来が先輩に火をつけてしまったのか…くっ罪な男だぜ、先輩をこんなにやる気にさせてしまうとは……


「はい!全然待ちます!!先輩のポスターもみてみたいです!!」


ふふふたのしみだな先輩のポスターどんなもの作ってくるんだろ??あれ先輩がめちゃくちゃ助かったぜって顔してるどうしたんだろ?


「それでだな後輩君、君の連絡先を教えてもらえないだろうか、ポスターに掲載する情報を詳しく知りたいんだ、いいだろうか?」


――――――――――マジすか!?やったぜ!!この学校に入学してから初めて連絡先交換とかお願いされたよ!!!!やったあああああああ、しかもこんなかわいい小柄な先輩とだと!?これはもう勝ちだろ!!!勝利!!!大勝利!!!部活作ろうと思ってよかった!


「もちろんです!!!こちらからお願いしたいくらいです!!」







てな感じで俺はこの学校生活で初めて人の連絡先を入手した!!!!!あっ名前小森小夜|≪こもりさよ≫っていうんだ





【自宅にて先輩とのメッセージやり取り】



小森「いきなりですまないがこの部活の活動内容を改めて教えてくれると助かる」


鈴木「えーと、簡単に説明すると好きなことをしてそれをまとめて文化祭で発表するっていう感じですね、小説好きなら小説書いてみたり、ラーメン好きなら文化祭で自分が作ったラーメン売ってみたり、こんな感じの部活です」


小森「…それはすごいな、さすが謳歌高校自由だね」


鈴木「自分でもそう思います、正直8割くらいは却下されると思ってました!」


小森「部員数はまだ後輩君一人なんだよね?」


鈴木「はいそうなんです、部員募集中です!先輩も興味があるならぜひ入部してください!」


小森「あー、一応僕文芸部に入っているから少し難しいかもしれないな」


鈴木「マジすか、じゃあもしかして先輩プロの小説家さんですか?」


小森「ん、まぁそうだね恥ずかしいからペンネームとかは教えないよ?」


鈴木「そんな…読んでみたいのに…」


小森「猫が手でバツ印を作っているスタンプ」




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