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0話 いきなりのボッチ宣告

よろしくおねがいしまああああああああす

ざわざわとした「俺A組だったーー!!」「私C組―――!!」「うちら一緒じゃーーん!!」

といったにぎやかな声をBGMに、朝早起きして生まれて初めて髪の毛をセットして登校した俺こと鈴木は学年掲示板に張り出されたクラス発表の張り紙をボッチでぼーっと眺めていた。


もちろん俺とて周りの人たちの輪に入って「えー?お前何組だよー!!」きゃぴっ♡とかしてみたいが今日入学で中学からの知り合いとかが皆無の俺にそんなことできるスキルはない、ていうかなんでほかの人たちは友達がいるの??おかしくない?ちょっとくらい分けてよ




そんなことを考えつつ自分の名前を探していると、おっ、あったあったA組に俺の名前があった。A組か…さて今年からこの学校、全国からこの高校に入学したいと志望者が殺到する大人気のこの『謳歌高校』に入学できたんだ。全力で青春を過ごそう!!

やってやるぜええええええ!!!!!!








ざわざわとした「俺A組だったーー!!」「私C組―――!!」「うちら一緒じゃーーん!!」

といったにぎやかな声をBGMに俺は軽く死んだ目でクラス発表掲示板を見ていた。

あっどうも一年たっても青春のせの字も味わえてない俺です。てか友達ができませんでした。え?理由?簡単だよ?この学校の奴らキャラが濃すぎるんだよ、話しかけるのに勇気がいるんだよ…なんで全員個性が爆発してんだよ!どっかのヒーロー学校じゃねぇんだぞ!


まぁ個性が爆発してると言われても、どうゆうことだ?ってなると思うしこの学校の説明でもしようか、そうだな…簡単に言うと、この学校は国中の面白そうな子供を集めてその個性を伸ばす教育をしようということでどっかの金持ちの人たちが道楽で作った学校なのだ!!

例えば俺の隣にいる筋肉を着て歩いているような奴は何かの陸上競技の日本チャンプだった気がするし、その隣にいる奴はどこかのサッカーユースクラブに所属してるやつ、その隣は高校生にして様々な国から演奏の依頼が来る天才ピアニストと天才バイオリニスト、その横は古代武術を教えるものすごく昔から続いている道場の娘さん、その後ろは全国模試上位連中の人達、あとどっかの金持ちのご令嬢、ご令息×多数、その他にもそんな奴らにも負けない肩書の奴らばかり、こんな奴らにまじでガチの一般人である俺が声をかけれると思うか?いーや思わない、普通に無理だろ、怖いよ、なんで登下校にSPがいるんだよ


てかこの一年でわかったけどなんで俺は入学できたんだよ、そこが一番の謎だよ、一年生のころに自己紹介をしたけど肩書が何もなかったの俺だけだったよ、みんなこの大会優勝しましたとか、こういう活動をしていますとか、いろいろ言ってたけど、俺だけ趣味の話して終わったよ、クラスメイト全員困惑してたよ…俺が一番困惑してたけどな!!!






転校しようかな…









さてそんなこんなで一人ぼっちで自分のクラスを確認して(またA組だった)のそのそと教室まで向かい、自分に割り当てられた座席に座って読書をしているとチャイムが鳴り担任教師であろう長身のパンツスーツを着こなした先生がガラガラとは入ってきた。


「おーい、お前らーこのまま全校集会があるから各自第一集会所に集合しろー以上」


すっげーさっぱりしてるなこの先生、言いたいこと言って帰ったよ、正直そっちの方が個人的には助かるので先生への好感度が50上がった。その後普通に集会に行き何事もなく終わった。10分くらいで終わった。え?なんでそんなに短いかって?うちの学校では校長先生のあいさつだとか新任の先生のあいさつだとかは入学したときに全員に配布されているスマホみたいな端末に添付されてるから集会だとかは速攻で終わるんだよね、今回唯一集会で行ったことは生徒会役員の紹介だけだったし、こういう所は楽で助かる。





キーンコーンカーンコーン、チャイムが鳴った。やっと帰れる、特に誰ともしゃべってないし、特に疲れたこともしてないけど、めちゃくちゃ疲れた。今日は特に授業とかはなく、担任の紹介、クラスメイトの自己紹介とかだけだったんだが隣の席の奴のおかげ無駄に神経をすり減らしてしまった。


なぜこの個性爆発集団の中でも抜きんでて爆発してるスーパー天才美少女様が俺の横なんだろうか…いろんな人たちがこの少女に話しかけに行くせいでなんか休み時間に人口密度がえらいことになってた。これから席替えがあるまでこれが続くとなるとかなり憂鬱である。とそんなことを考えていると


「鈴木―この後職員室にこーい少し話があるー」


急に俺の予想通りこのクラスの担任となったパンツスーツ先生が人を呼び出した。


なんか初日から呼び出し食らってる奴いてワロタwwwと普通の高校の場合なると思うがこの学校では教員に呼び出される回数がものすごー―――く多いのだ、(いろんな奴らがいろんなところですごいことしてくるから)さて鈴木君か鈴木さんか知らないが今回はどんなことをしたんだろうか、まぁどうせ大会とか芸能活動とかの日程調整とかだと思うけど…



――――――ん????鈴木????鈴木ってこのクラス俺のほかに居たっけ????あれ??嘘だろ俺??え??俺なんもしてないんだけど??と困惑していると


「鈴木君?君なにしたの??」


急に隣のスーパー天才少女が不思議そうに声をかけてきた、こいつ声まできれいなのすごいなとか、あっ俺の名前知ってたんですね、とか久々にクラスメイトに声かけられたなとか思いつつ俺は


「何もしてないです…」


と言うことしかできなかった。だってほんとに何もしてないもん…天才少女様は気の毒そうにこちらを見ていた。ちくせう…


少々体を震わせながら職員室に到着した。教室を出る際いろんな人の視線を浴びて心臓バックバク状態だったのだが、改めて職員室に来ると不安で変な汗が出てきた。怖いよぉ、俺がなにしたってんだよぉ…そんなことを考えつつ覚悟を決め職員室のドアをノックしパンツスーツ先生改め海東先生をクッソ広い職員室から見つけ出し声をかけた。


「おっ、来たか鈴木すまんが先に談話室Ⅵに行って待っててくれないか」


談話室とか始めていくなぁと思いつつ「わかりました」と答え談話室に向かった。

そこからまた少し歩いて談話室についてから先生を待ってる間手持無沙汰だったが流石にスマートフォンを触るのはまずいかと思い、ぼーっとしているとガラガラと音が鳴り海東先生が現れた。


「すまん、待たせたか?」


「いえ大丈夫です」


「そうかよかった!すまないな呼び出したのはこちらだというのに待たせてしまって」


といいつつ椅子に座り名簿を開き海東先生はかなり気まずそうにして一回深呼吸をしぽつぽつと話し始めた。


「あーなんだ鈴木、その言いづらいんだが君はこの学校の生徒にしては…そのものすごーく平凡だろ…?」


えぇ急にディスられたんだけど…その通りなんだけど…泣いちゃうよ???


「その…はい、そうですね…正直自分でもなんでこの学校に入学できたのかわかってないです」


そう返すと先生はものすごー――く気の毒そうな顔になった。


「それには理由があってだな、この学校に入学する際に当校の役員たちによる書類面接があるんだが…その際に一人くらい平凡な奴入れてこの学校でどうなるか気にならないか?という案がでてな、それに悪乗りした大人たちが多数表れてなまぁその………そういうわけだ」


「うっそでしょ?????」


「まじだ」


えぇぇぇぇぇ……衝撃の理由すぎて崩れ落ちそうになったんだが、要するに個性何もないやつを個性爆発してる集団にぶち込んだらどうなるかを観るためだけに俺を入学させたのか??


「一応私は反対したんだが、この学校の特色的に上の判断は絶対でなぁ…個性ないやつとうちの学校の奴らによる化学反応を期待したいとか何とかで押し切られてなぁ…」


「まぁ、上の意見が絶対だというのは一年この学校に在籍して身に染みて理解しています。はい…」


この一年いろいろあったからなぁ…


「でだ、ここからが本題なんだが、君友達一人もいないし、クラブ活動もしていないだろう?そんな状態の子をこの学校に在学させるのはあまりに酷ではないかとまた上から意見がきてなぁ」


おっふ、改めて聞くと泣きそうになるな、ボッチの典型例みたいなやつだしな俺、まさかの役員の人たちから憐れみをもらうとは


「上の方から君の学力に見合った学校に転校させてはどうだという案が出ているんだ、もちろん転校にかかる費用はすべてこちら持ちだ」


そんな案が出るほど俺の状態ってやばいんですか??まぁ確かにこの学校にはまっっっったくなじめていないがいきなり転校となるとなぁ、親とも相談しないとなぁとか考えていると


「もちろん今決めろとは言わない、がよく考えてほしい」


先生はそう言ってから改めて俺に頭を下げて誤り相談室から退出していった。

それを見届けてから改めて色々考えることにした。

のだが少し冷静に考えてみるとこれ両親にどうやって説明しようかである、この学校は正直卒業するだけでものすごーーく将来に役に立つし、(ネームバリューが半端ない)何よりここに在学している生徒と知り合いになれるというだけですごくでかいメリットだ、そんな学校に在学していながら、友達一人作ることができませんでした!なおかつ友達はいないがいじめられているわけでもないし、雑に扱われているわけでもない、学校特有の二人組作ってねーの時もクラスの子が気を使って声をかけてくれます!そんな状態ですがこの学校になじめないので転校します!


これはものすごくダサいのではないだろうか、両親にどんな目で見られるかわからん、たぶん泣かれる





「きめた…」


俺は今日から全力で変わってやる、全力で青春を謳歌してやる、友達とかいっぱい作って、彼女も作って、大満足の高校生活を送ってやる!!絶対に転校なんてするもんか、見ておけよ!!!面白がってこの学校に入れた役員の人たち!!!このスーパーボッチの俺が青春謳歌して見せる!!!!!


「やってやるうううううううううううう」


拳を大きく天に突き上げ、そう心に決めた!!!!!!


感想ください、作者のHPが回復します

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