独り旅ー北へー
俺は、独り、旅に出た。北上し鳥取へ。父さんが、「たまには休め」と、俺に安堵をくれた。鳥取駅から歩き、宿に向かう。ホテルのフロントでチェックイン。菊本か。他のメンバーとも、仲良くやれるようにと、祈る。旅先を歩く。商店街を歩いていると、「アコヤ」というライブハウスがあった。中を覗く。すると、髭の親父が、俺に言う。
「兄ちゃん、バンドかなんかやってるの」
「うん。一応、ギタリスト。BOOWYのコピーだけどね」
「へえ。今日の夜さ、ここでライブがあるんだよ。見に来るか」
「いや、俺はいいよ」
「そうか。もうちょい北へ歩くと、楽器屋があるからよ、行ってみなよ。ウッドペックって店だよ。かなりギターも置いてるから、いいんじゃいの」
「わかった、ありがとう。そこには行ってみるよ」
街をぶらぶら歩く。選挙事務所にタバコ屋。薬局、いろんなものが目に映る。あった、あった。ウッドペック。ほんとだ。ギターが鬼のように所狭しと置かれている。
「いらっしゃい、君、この変じゃ見ない顔だな。バンドか何かしてるの」
「まあ、一応」
「ゆっくりしていきなよ」
「ありがとう」
布袋モデルのギターも置いてあった。それを弾いてみる。いい感じだ。感覚弾き。店員さんはスキンヘッドで面白そうな親父さんだ。marionetteと季節が君だけを変えるを弾いてみる。店員さんは笑顔。
「君、上手いね。コード弾きもしてないし、布袋さんの影響が強いの」
「そう。ずっと、布袋さんから影響受けて」
「布袋さんもコード弾きしないもんな」
「そうだね」
笑う俺と店員さん。ロックか。俺は店を出て、砂丘行きのバスに乗った。




