ダウンピッキング
菊本の弾くベースとmarionetteを合わす。いい感じだ。菊本はやはり、ダウンピッキングで弾いていた。菊本とスコラの近くを散歩する。話は弾んだ。菊本は言う。
「俺よ、カタにはまるのが、大嫌いなんだ。親父は医者でよ。お袋は看護師。親父はよ、大学へ行け、医大を出ろ、ベースを辞めろの繰り返しでよ。喧嘩が絶えなくてな。ほぼ毎日、殴り合いで。でもよ、真剣にベーシストになりたい。責任は俺がとる。って真剣に親父に話したら、まあ、諦めたって感じで好きにしろって言ってよ」
「ふうん。そうなのか。色々あるんだな」
「そう。色々。スコラにいる連中は皆、色々あるんだ。俺は、やっぱり、松井常松さんに憧れてな。BOOWYのライブを二年前、見に行った時に、カッコイイと思ってな。そこから夢中だよ。ベースに」
「ふうん。俺も布袋さん、氷室さん、常松さん、まことさんは凄いと思う。あの四人、全員が凄いもんな。誰が抜けても成り立たないっていうか。バランス取れてるよな、BOOWYは」
「そうだな。あの四人は最強だよ。琢磨。お前となら上手くやれそうだ、改めて、よろしくな」
「こちらこそ」
スコラの近くに蕎麦屋があった。菊本は俺にそばをおごってくれた。二人でメンバーの話。スコラの生徒、スタッフの話。BOOWYの話。尾崎豊の話に夢中。ここのそば、美味いな。青春か。俺にもあるんだな。青春って。




