marionette
俺は、小学二年生になった。『安富』は中学生か。もう、逢えないんだろうな。俺は、ひょんなことから登校拒否児となった。俺は泳げない。夏になると、俺は、いじめられる。担任教師に、『和田』というスパルタ教師が、就いた。その和田は、『クラス全員二キロメートル泳ぐといじめはなくなる』と言い出し、お父さんと口論の果てに、『高木はもう、学校に来なくていい。卒業式に来てくれるだけで卒業証書をくれてやる』と言い、俺はひきこもり少年となった。学校は、嫌い。行っても行かなくても卒業であれば、一日中、母さんが買ってくれた、ウクレレを弾いておこうと決めた。その頃、俺は、ブルーハーツを聴きだした。トレイントレインをウクレレで弾き続ける日々。お父さんの仕事は宅急便のドライバー。母さんは毎日、毎食、俺にご馳走を与えてくれた。『安富』。今頃、セーラー服か。俺は、毎日八時間をウクレレとともに過ごした。トレイントレインも弾けるようになった。そして、運命の日。BOOWYのmarionetteを聴いたとき、胸に衝撃が走った。こんなにも自由でたくましく、軽快で素晴らしい楽曲。俺はお父さんにBOOWYのアルバム、すべてを買ってもらった。marionetteを一日中、弾く、同級生も友達もいない俺。そして、時は過ぎていく。ギタリストになりたい、そういう夢が脳裏によぎり始めた。そして、小学六年生になった俺へのお父さんからのクリスマスプレゼントはギター、エレキギターであった。
「琢磨、好きなだけ弾くんだぞ」
「うん、ありがとう」
俺はずっと、ずーっと、ギターの虜になった。ドンドン弾き始め、一日をギターとともに過ごす。そして、迎えた卒業式。校長先生から卒業証書をいただき、俺は、桜井東中へと進学するのであった。『安富』と『ギター』。俺は、爪入りの学ランに袖を通し、入学式に臨んだ。




