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ポラロイドクラッカーズ  作者: ムラカワアオイ
13/22

譲れない初恋

俺は、安富さんと再会した、次の日。タイムマシーンで、いつもより、嬉しくてギターを弾いていた。楽屋で四人。菊本は言った。

「そろそろな、オリジナル、やらないか」

「でも、誰が曲を作るんだよ」

「琢磨。お前、作曲、出来るか」

「俺。俺でよければ、作るけど、ちょっと時間がいるな。作詞には自信がないからさ、松本。お前、やってくれるか」

「わ、わかった。何とか、書いてみるわ」

俺が作曲。まあそうだな。ゆっくり、じっくりやるとしようか。

「じゃ、俺、バイトだから帰るよ。おつかれ」

「こちらこそ、お疲れ様。琢磨、頑張ろうな」

「おお」

俺は一瞬、笑い、ギターを担ぎ、駐車場へと歩いた。車に乗り込む。ラジオを聴く。すぐさま、BOOWYのCDに切り替える。LIVEGIGSのCD。思わず、ONLYYOUを口ずさむ。狙いは安富さんか。俺は、いつもより、車を飛ばし、バイト先まで走った。更衣室に入って、笑顔で制服を着る。楽しい日々。俺は弁当の陳列を始めた。オリジナルか。曲のイメージか。頭には少し、曲のラインが。そうこうしていると、安富さんが、「お願いします」とレジの前に立っていた。

「お兄ちゃん、お仕事なんだね。こんな夜遅くに。私、銀行員だからさ、定時でほぼ終わるけど、お金触ってると、ノイローゼになるよ」

「銀行員なんですか。大変ですね」

「そう。三時からがめちゃくちゃ忙しい。癒しは煙草とワインぐらいだよ」

「そうですか。今日もキャスターでいいですか」

「うん。ありがとう。お兄ちゃん、名前は」

「高木琢磨と云います」

「私からプレゼント。これ、私の名刺。私、安富加奈。もし、よかったらさ、カラオケでも行かない」

「え、いいんですか。俺で」

「うん。勿論。友達を駐車場で待たせてるんだ。この後、バイトが終わったら、電話してきてよ。『カラオケすずめ』で待ってるからさ」

「は、はい」

「それじゃ、また後で」

安富さんは笑顔を残し、駐車場に消えた。やった。安富さんとカラオケだ。今日は気合いがいつもと違う。カラオケだ。何、歌おうかな。ラブソングはべたすぎるな。エレカシを歌おう。俺は、リズムに乗って仕事仕事。恋なのかな。これは。俺は、嬉しく楽しく。今日という日に感謝する。バイトが終わり、俺は、カラオケすずめに向かった。

安富さんに電話をしてみる。

「もしもし。高木です」

「ああ、お疲れ様。51番の部屋で歌ってるからさ、おいでよ」

「はい」

安富さんは今日もきれいなお姉さんだ。51番の部屋へと入る。そこには、安富さんともう一人、美女がいた。その美女は言う。

「あんた、幸せ者だね。加奈に誘われるだなんて。生きててよかったね」

笑う俺。もう一人のお姉さんは、

「私、二井美津子。よろしくね。加奈から聞いたんだけどさ、あんたも深志野小学校卒業らしいね。私も深志野だよ。よろしく」

「よろしくお願いします」

俺は両手に花。安富さんは俺を見て、優しく笑い、椎名林檎のギブスを歌って、ビールを飲んだ。

「高木君、歌いなよ」

「え、あ、はい」

「こんな、かわいいお姉さん二人組に緊張してるの」

「え、あ、はい」

「リラックス、リラックス」

俺は、今宵の月のようにを歌った。そこから時間を忘れて、三人で歌った、歌った。そして、美津子さんは、「お邪魔なんで」と、消えた。

恋物語のスタートだった、俺はファーストキスを安富さんと交わし、助手席に安富さんを乗せて、ラブホテル街へと向かった。

「ねえ、高木君」

「はい」

「私と付き合ってくれる」

「も、勿論です」

「私、わがままでキマグレ女だよ。それでもいいの」

「はい」

抱き合う。ベッドの上、裸体が二つ。クチヅケを交わし、SEXをする。俺は安富さんを手に入れた。初めてのSEX。それも理想と憧れを抱く、女性と。

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