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彼女の物語  作者: ぬえさん
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面白いこと

「お兄さん、才能って何?」


「突然どうしたの、彼女ちゃん」


今日は放課後にお兄さんがおすすめしてくれた喫茶店でいつものように私の悩みをお兄さんに話していた。


「ここの喫茶店のショートケーキすっごいおいしいの……。これどうやって作ってるの。


才能? 並大抵ならぬ努力?どちらにせよ、僕にはないものだよ……」


半泣きになりながら目の前にあるショートケーキをほおばる。


「……訳すとこのケーキおいしい、すごすぎる、でいい?」


「うん……。おいじい~。ここの若干古めかしいところ、でも中はとてもきれいでいるところが好き。


だけどやっぱり、1番はケーキがおいしいことと人があまりいないこと……。落ち着いて食べれる……」


幸せすぎて涙が出てくる……不運が立て続けに起こったオイラには刺激が強すぎるっ。


「そっか~、よかったよ」


お兄さんはニコニコと嬉しそうに私のことを見た。


「お兄さんってさ、神様と吸血鬼のハーフなんだよね」


僕とお兄さんが出会ってから1年くらい。出会うごとに色々とお兄さんのことを知っていくが、これだけはまだしっくりこない。


「うん、ほうだへど?」


お兄さんは口いっぱいにチョコレートケーキをほおばりながら、返事をしてくれる。


「……まあ、神様の血が入っているとはいえ、お兄さんができるのは見たいと思う相手の心を覗くことくらいだよ」


「チートですよ……」


でも、僕には分からないデメリットもあるかもしれない。


「デメリット……。その人が自分の悪口を言っていることも聞こえてしまうし、アイヤーなことものぞいたりして……」


「ふふくくく、アイヤー……。アイヤー」


「アイヤー以外でどう表せと」


「いや、ないと思うけど、面白い……」


オイラの一言がお兄さんのツボにはまってしまったらしく、お兄さんはおなかを押さえて笑っている。


部活の人と話しているときもこういうことがある。


私が普通に言ったことが相手にとっては面白いことですごい笑う。


「そんなにおもしろいですか?」


「面白い、面白い。彼女ちゃん天才」


お兄さんが褒め言葉を言ったので僕はつい、身を乗り出して喜んでしまった。


「え! 本当? やったー、もっと褒めて!」


「素直だなー」


「素直に話すのはお兄さんだけです」


「そっか」


その時、店長はほのぼのとその光景を見ていた。

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