第7話 後輩
朝、悠之介は、家を出て、木村結衣に会った。結衣は、なんかいつもと同じような半袖の黄色いシャツに、短パンという格好だ。
そう高校1年生にしてラノベ作家のサイクロプス先生である。
「悠之介先輩!!おはようございます。」
結衣が挨拶をすると、それに続いて黒髪ショートの女子、浅井千夏が挨拶をする。
「悠之介先輩!!!お久しぶりです!!」
「浅井!!久しぶりだなあ。3ヶ月ぶりくらいか??」
浅井千夏、そう、もう1人の仲良しの後輩。彼女は漫画家だ。浅井千夏と木村優衣は親友同士で、売上を争っている。
「先輩こそ、相変わらずお変わりなく!!」
「それにしても、胸膨らんだか??」
「はぁ!!!なんてこと言うんですか??
相変わらず変態ですね。先輩は、ぶん殴られたいんですか??」
「悠之介先輩、また千夏にそういう事言ってんの??先輩、会ってそうそうセクハラですか??」
浅井千夏は感情的になりやすいというかいわゆる真面目な女の子であるが、実は悠之介に対してアタリが結構強いのだ。実はこの2人とは仲がいいのだが悠之介としょっちゅう喧嘩をする。
「セクハラって違うわ!!またそう言うことをゆう!!だってなあ、普通に思ったから言っただけじゃないか??」
「はあ??馬鹿じゃないの。あんた??
普通1年生の女子相手にそう言うこと言わないでしょうよ?どういう精神年齢してんの??お前??」
「てめえ!!またお前って言ったなあ??」
「言いますよ。セクハラ野郎にはお前って言葉がピッタリだと思ったんです??死ねぇぇぇぇz!!!」
すると結衣の強烈な飛び膝蹴りが、悠之介の顔面に直撃した。ギャポーレっていう言葉が悠之介は出てしまった。
すると、ふんという感じで、結衣は知らんぷりをする。すると千夏もやってきて悠之介に声をかける。
「お前さ、図に乗んなよ。いっとくけどね喧嘩の原因はほぼほぼお前じゃん。お前がそういうこと言わなけりゃこういうことにならないって言ってんの!!!女子に胸なんて言うな。馬鹿!!変態!!!
先輩わかりましたか??」
悠之介は、言い返した。
「いい加減すんのはお前のほうだろうが、いつもいつも喧嘩、ふっかけてきやがって。だいたい最初に小説のこと教えたのは誰だと思ってんだよ!!なあ浅井!!森田!!なんでお前らと喧嘩しなきゃなんねえんだよ。だいたいさ、敬語なのか、タメ語交互に使ってくんのやめろよ。」
「うるさい。お前はキモいし変態で馬鹿で舐めやすい先輩だからお前って言いたいのよ。早く謝れよ!!ブス!!おい、有島!!
いい加減にしろぉぉぉ!!!」
千夏の強烈な蹴りが、悠之介の顔面に炸裂する。悠之介の気持ちは、非常に複雑になってしまった。自分に対してここまで暴力を振るってくる。結衣と千夏、悠之介に何があったのか。
「悠之介先輩。あなたはあたし達にどこまでセクハラすれば気が済むんですか。エロゲーのレイヤーやらだとか、無茶苦茶な事ばかり言って、あたしはもう耐えられんないんですけど。」
「今回の件では、お前らに、そのことを相談したわけじゃねえ。俺は今回、相談に乗ってもらいたかっただけなんだ。実は俺は今回新作を発表する事にしたのは知っているだろ??で、今度のコミケでその新作の特別版を書こうと思っているんだ。一緒にやろうよ。」
千夏と結衣は、悠之介からの誘いを聞き嬉しそうな表情をした。2人にとって憧れの先輩でもある悠之介からの誘いを断る訳には行かない。
「先輩、、、もしかして同人サークルですか???あのきらり先生がいる。たしか葛飾ラノベ同好会ですよね。。あたし、、待ってたんんです。きらり先生の絵と、、可愛い可愛いキャラクター達と一緒に絵がかけるなんて。。
あたし夢だったんですよ。コミケ出るのが、、、だって聞いてくださいよ。あたし今までバトル系ばっか書いていたんですよ。本当はゆるふわな日常系の漫画が書きたくて、、でもコミケならあたしの存分に書けるし、、、、やります。あたし頑張ります!!!」
「私はパスですね。だって、、私、、別の同人サークルで出るんですもん。知ってます。エデンスコレクションってあたしそのサークルやってるんですよ。いわゆるエロゲーのSSとかですから。」
エデンスコレクションはエロゲーやゲームの二次創作をメインに活動しているサークルだ。だがSSしか書かなかったりキャラクター同士の恋愛にばっか走ってしまったりでオリジナリティがなく批判するファンも多いのが残念な所だ。
「SSだなんて夢がないよ。オリジナルを創作する事で評価が上がるんだから!!!
やっぱり千夏はオリジナル漫画を書いた方がいい。サークルに入って、、自分達の表現したいことを限界まで描ききって売れなくてもいいから、、、でも自分を表現する。それが、、漫画の本質なんじゃないかな。って私は思うなあ。」
「結衣は、、、結衣は才能あるもん。私は話を考えんのも設定を書くこともできないよ。だって今までだって結衣が考えてくれた話を漫画に起こしてただけだもん。結衣の話は面白いし、、独創的だし、、それに絵も可愛いし、、あたしのそれとは全然違うよ。」
「でも千夏、、夏コミに出て千夏のことを認めてくれる人、、ファンになってくれる人に会えるかもしれないよ。私はインターネットで面白いとか書き込まれるのももちろん嬉しいけど、、直接買って貰った人に面白いって言われた方が嬉しいし、、そっちの方が萌えるもん。
だってイラストあるし本になるんだよ。キャラデザとか、、キャラクターは私の子供。私がこんな可愛いキャラ生み出してなんて考えただけでも嬉しいしワクワクするよ。」
「まあ嫌だったらいいよ。俺も最近このサークル入った身だし、なんだかんだで学業との両立が厳しかったら辞めるつもりだけどな。でも俺は出たいんだ。今までは1人で何かを作って来た。でも皆で何かを作る。これでこそ達成感っていうのがあるかなあってさ。浅井はやりたいって言ってるけど俺は2人にやって欲しかったからさ。」
「あたしは、、もう少し考えさせてください!!悠之介先輩!!」
千夏は、そういうと、頭を下げた。確かに急に答えを出せる状況ではなかった。3人は、公園へ出かけた。葛飾記念公園には噴水が、跳ねていて、時折、水がこちらにかかってくる。
「そうだ。。ここを重要なシーンにするっていうのはどうだろう??千夏!!!ここでメインヒロインと、主人公が出会うんだよ。きっと。。きっと、、、萌え萌え萌え、、、、、、」
結衣は、、何かを妄想したのか、、嬉しそうな恥ずかしそうななんとも言えない表情をした。
「何を妄想してんのよ!!!!!!!」
千夏は、、結衣にツッコミを入れた。
「なんというか、、ロマンチックなシーンを描くには相応しいかなああって思ったからさ。あたしは、、今度、、悠之介先輩の部活に行った時に、、その話をしてみよっかなぁぁ????」
結衣は、次の日、、葛飾ライトノベル同好会に顔を出すことにした。