第2話 きらり先生の正体は??
朝テストは全然できなかった。それは当然だ。前日までに、エロゲーをやっていたし、電車の中でも英単語の勉強していないので。
それでも普通に授業して、普通に下校して、そして出版社に向かうというあれだけど、悠之介にとって憧れのイラストレーターに会えるというのはたまらないくらい嬉しいことでありワクワク感が止まらなかった。
悠之介は、携帯のアクセス数を確認する。昨日投稿した最新話は既にアクセス数2000を超えた。
「よし、やったぜ。順調に上がってる。このまま行けば3000は行く。」
悠之介は、マネージャーの赤旗翔平に電話をかける。iPhoneの連絡先から通話ボタンを押す。
すると、車で待っている電話越しに、赤旗も通話ボタンを押した。
「もしもし、おお有村先生、今どこですか?」
「もしもし、赤旗さん、今、学校、終わりました。これからそっち向かっているんですけど、今、葛飾街道のとこです。はい、お願いします。多分間に合うと思うんで。」
「了解です。そこ行けばいいんですね。」
赤旗は、赤いベンツを走らせ、葛飾街道へと向かった。葛飾街道は荒川の近くにある。エンジンを入れて、ギアを入れてアクセルを踏む。
一気に信号を駆け抜けて、葛飾街道へ入った。
「有村先生!新作の原稿は持ってきましたか?」
マネージャーの赤旗は、悠之介に尋ねる。悠之介は原稿用紙に書かれた新作を鞄から、出す。
「持ってきました。それも今度は、あの飛びっきりに面白いです。自信があります。だから赤旗さんに1番に読んで貰いたくて。」
「今度は、ゲーム風の異世界転生ですね。いいじゃないですかさすがエルフシリーズで人気なだけありますね。」
赤旗は、悠之介の著書の大ファンでもあった。『エルフ嬢と出会いK点を超えた話』という新作で、一躍有名になった悠之介。インターネットで載っかっている小説を一躍、出版社にかけあってくれたのは、紛れもなく、赤旗である。
「きらり先生に出会えるのが楽しみ過ぎて、一体どんな人なのか、楽しみで、楽しみで」
そう悠之介にとって、憧れのきらり先生。イラストレーターとして様々なラノベのヒット作を担当していた人物。
「着きましたよ。もうきらり先生は到着されているということですので。では行きましょう。」
出版社の本社は、亀戸にある。そうこの会社でいつも挿絵の打ち合わせや編集者や出版社の打ち合わせをするのだ。会社から案内されて悠之介は、打ち合わせルームへ入った。
少女はそこに座っていた。金髪ポニーテイルの少女、ハーフっぽい顔立ちでオシャレなノースリーブを着飾っている。
そしてコンコンとドアを叩いた。
「失礼します。きらり先生でいらっしゃいますか?」
「はい!!!」
少女は、ドアを開けて、出てきた。悠之介は、きらり先生と対面して驚愕した。それは彼女の一言を聞き、記憶がよみがえってきたのだ。
「えっ、有島君、有島君だよね??」
「えっ吉岡???嘘、吉岡なのか。。」
「有島君こそ、もしかして有村先生って、有島君のことだったの???」
そう同人作家、きらり先生は、悠之介の幼なじみで、悠之介が通う学校一の美少女吉岡アリスだったのだ。