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奴隷という立場を利用してお前をメロメロにさせてやんよ

作者: 零/ZERO

「ぐふっ!?」

「おい、早く起きろよ豚が」


そう言いながら彼女は俺、梶崎誠(かじさきまこと)を踏みつけていた。

一瞬どうして踏まれているのか理解ができなかった。しかし、その理由をすぐに俺は思い出した......


それは俺がこの青松高校に入学してからすぐのことである。内気な俺は中学生の時には女子話す機会が無かったため、女子というものに全くと言っても興味がなかったのだ。しかし、高校に入学してすぐに同じクラスの西野華憐(にしのかれん)に一目惚れをしてしまったのである。

よくよく考えてみると、それが悪夢の始まりだったのである......


西野は成績優秀でクラス内では委員長を務めていてとても綺麗な美少女であり常にクラスの中心に立つ人であった。

ある時、俺は委員長の仕事を手伝ってあげて好感度を上げようとたくらんだのである、しかし、いざ声をかけてみようとすると緊張してしまいなかなか声をかけることができず、結局一ヶ月の時が過ぎてしまった。

さすがにこのままではだめだと思った俺は意を決して放課後に声をかけた。放課後ならみんなも帰った後であまり彼女の友達もいないと考えたからだ。


「西野さん、委員長の仕事たくさんあって大変そうだね?何か手伝おうか?」


下心がばれないように出来るだけ優しそうなキャラで話しかけてみた。


「自分の仕事は自分でやりきるから」


彼女は戸惑いながらも冷たい言葉でそんなことを言ってきた。


その時の俺にはどうして冷たい態度をとってくるのかがよく分からなかったが、なにか心に引っかかることがあった。

しかし、深く追求して嫌われてしまっても嫌なので、今日のところは素直帰ることにした。


翌朝、俺はいつものように学校に登校し、授業をある程度真面目に受けそしてまた放課後になった。


そこで俺は気づいた、いつも放課後に委員長の仕事をしているはずの西野さんが今日はすぐに教室をでていった。俺は、そのことが気になり、思い切って彼女に声をかけた


「もしかして今日はもう帰るの?もし良かったら一緒に帰らない?」


「えっ......」


彼女は驚いた様子で、でも少し警戒しながらこっちを見ていた。

そりゃそうだろうクラス内でこの前の1回しか話したことないやつに一緒に帰ろうなどと言われたのだから。


「ごっごめん、何でもない忘れて」


自分でもやばいと思いすぐに撤回した。

しかし、彼女は思いがけないことを口にした。


「いいわよ一緒に帰ってあげる」


『この男ちょろそうだわ丁度奴隷として働いてくれる人がほしかったしこいつをうまいこと奴隷にするか』


「えっ!?今なんて......」


「だから一緒に帰ってあげるって言ってるでしょ」


彼女の話し方は今までとは別人のようであった。

もしかしてこれって俺に心を開いてくれたのか!?俺はそう思うと喜びが込み上げてきた。でも、同時にどうして急に心を開いてくれたのかが気になって帰り道につい聞いてしまった。


「どうして急に喋り方とか接し方が変わったの?」


「だーかーら、私があなたを気に入ったからに決まっているでしょ......奴隷的な意味で」


「えっ?最後のほう聞こえなかったけどなんて言ったの?」


「いや、何でもないよ」


彼女は不気味な笑みを浮かべながらそう答えた。


そんなことを話しているうちに学校の最寄り駅の戸塚に着いた。


「西野さんは最寄り駅どこなの?」


同じ方向だったらいいなという淡い期待を込めて質問してみた。


「私?、武蔵小杉だけど?」


「えっ!?俺西大井だからとなり駅じゃん!?」


思わず俺は大声を出してしまった。同じ方向っだったら良いなという期待を超えとなり駅だったのだから。


「ふーん、ならちょうどいいわねあんたうちまで来なさいよ」


私は早速「()()()()()()」を実行することにした。


「えっ」


思わず俺は返事に困ってしまった、憧れの西野さんと帰れるだけでも幸せなのに、家にまで行かせてもらえそうなのだから......

だがその時の俺は何を考えたか、


「すいません、早く帰らないといけないので家まで行くのはちょっと......」


とせっかくのチャンスを棒に振ってしまったのである。

しかし彼女は、


「あんたに拒否権無いから」


まさかあの彼女からそんなことを言われるとは思ってなかった。

仕方がないので、しぶしぶというより無理やり武蔵小杉で降ろされてしまった。

ラッキーなのかどうなのかもわからないままとりあえず彼女についていくことにした。

無言のままのまま俺たちは歩き彼女の家についた。


「ここよ......」


「!!?」


そこは見るからに小さいワンルームのアパートであった。


「ここに家族で住んでるの?」


「えっ、私一人暮らしだけど......?」


「一人暮らしなの?」


俺は驚きを隠せず思わずそんなことを言ってしまった。


「そうよ、でも一人暮らしは大変だから今日からあなたを私の奴隷に任命しようと思う」


彼女は満面の笑み浮かべながらそんなことを言ってきた。


それが彼女の本当の姿だったのである。学校ではしっかり者で人気者、しかし本性は人使いが荒く大雑把な性格だったのである。

つまり、元々彼女は俺なんかに興味は無く利用しようとしていただけなのだ。そんな奴の言うことなんか聞く必要はない。そう思って断るつもりだったが、俺の脳内に二つの声が聞こえてきた。


『せっかく意中の西野さんに近づくことができるんだから、奴隷という形でも彼女に近づいたほうがいいよ』


『いやいや、奴隷はダメでしょあなたにプライドは無いの?』


頭の中で悪魔と天使のささやきが聞こえてきた......そして俺は、


「奴隷くらいなってやんよ」


気づくと俺は、そんな強気な発言をしていた。

その返しは予想外だったのか彼女は笑いながら言ってきた。


「ほー、あんた以外に度胸あるのねじゃあこれからあんたは奴隷としてたくさん働いてもらうから。」


「上等だよ」


俺は絶対に彼女が俺のことしか考えられないくらいメロメロにしてやると心の中で誓ったのである。

今までいい人を取り繕っていたがその必要もなくなると思うと清々した。


この返事により俺は彼女の奴隷となり、平日休日関係なく朝から彼女の家に訪れては部屋の掃除や朝ごはんの用意などの家事をする生活が始まった。時より彼女に肩もみを頼まれたりすることがあり、合法的に彼女に触れることができるため、俺は特に苦に感じなかった。

母さんには高校の友達の家に行っていると言ってごまかしてあるが、さすがに毎日のことだと怪しまれかねない......まさか毎日だとは。

だが最悪の出来事が追い打ちをかけてくる


「来月、転勤が決まった場所は大阪の堺市のほうらしい」


父が急にそれを告げてきたのだ

初めはその意味があまり理解できなかった。しかしよくよく考えるとことの重大さに気づいた


「えっじゃあ高校はどうなるの!?」


「うーん、向こうで編入できそうな高校を探すかな」


「そんな!でも俺はここに残りたい、家事はある程度できるし仕送りを月に数万円くれれば一人暮らしくらいできるから」


「誠!本気で言ってるのか!?一人暮らしなんて高校生が簡単にできるもんじゃないんだぞ、わかってるのか?」


父は強くそんなことを言ってきた。


本当のことを言うならば別に友達もいないのでそこまで残りたいとも思わない、だけど彼女から逃げるのが嫌だった、あんだけ大口をたたいといてすぐにに逃げるなんて俺のプライドが許さなかった。だが父を納得させる方法が全くと言ってもいいほど思いついてはいなかった。


「だが、誠の残りたいという気持ちもわかるわ」


「母さん!?」


思いがけない母のフォローに父は勿論俺も驚いた。


「だって誠かわいい彼女がいるじゃない、そんな彼女と無理やり別れさせるわけにはいかないわ」


「えっ......彼女とは.......いやなんでもない」


『あいつは俺の彼女ではない』と言い返そうかとも思った。だが都合よく勘違いしてるみたいだしこのままいけば残れるんじゃないかと思いこのままそういうことにすることにした。


「それは本当なのか!?」


父が驚きの声を上げた


「えーと、何というかその、それは......」


なんて言ったらいいかわからずその場で口ごもってしまった。


「誠ったら恥ずかしがらなくてもいいのに」


「それなら、その彼女と一緒に住んだらどうだ?誠一人だったら心配だが彼女がいたらしっかりと生活できると思うし俺も安心できる」


うちの父と母は18歳の時に結婚しているのでそうゆう考えに至ってもおかしくはないがあまりにも大胆な提案に驚いた。


「それしか、こっちに残る方法はないの?」


さすがに彼女と一緒に住むのには抵抗があったので他の方法はないかと探りを入れてみた。


「愛する彼女と一緒に住めるんだぞ他の方法も何も最善策じゃないか、母さんから聞いたがその子も一人暮らしみたいだしちょうどいいんじゃないか?」


ダメだ、スピード婚の親に何をいってもそっち系の答えで終わってしまう......これだからスピード婚は。俺はあきれて返す言葉も思いつかず自分の部屋にこもった。もう今日は寝ようそう考えたが、よく考えたら彼女は毎日来てるのだから明日の朝も起こしに来るはず、そうなれば面倒なことになるのは確実。

とりあえず明日は来ないようにLINEをしておこう、到底彼女が俺のゆうことを聞くはずなど無いのだけど......


『夜遅くに悪い、明日は行けなそうなんだ。ちょっとめんどくさいことになってて』


彼女はすぐに既読をつけた。


『はぁ!?、誰にそんなこと言ってるの?あなたは奴隷なんだからあたしに命令なんてできないしあなたの家庭の事情がどうであれ私には関係ないから。まぁ何があったかくらいは教えてくれたら配慮してやってもいいけど』


驚いた最初の文章は予想通りだったがまさか理由を聞いてくるなんて......案外あいつにも優しい所はあるのか!?とりあえずは何があったか一通り説明をした。


『なるほどね、父親も言ってるようにうちに住めばいいじゃん、そしたらあんたも残れて、私はあんたを24時間365日奴隷として扱うことができるから一石二鳥だし』


まさかの本人からのOKが出てしまったのだ、こうして二人で暮らすことになった俺らであり今はこうして毎日踏み起こされている。


この時は3か月後に、俺が新たな扉を開いているとは知る由もなかった。



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