犬猿の仲
何故か謎の対抗意識を燃やされ、いつも喧嘩を売ってくるクラスメイトがいた。
ことあるごとにやれテストの点数で勝負だ、やれ持久走のタイムで勝負だと突っかかってくる彼女を文武両道の優等生である私は懇切丁寧に全て真っ向から返り討ちにしてきた。
それでも折れることなく顔を合わせる度にキャンキャンと噛み付いてくるので、うっとおしいなと思う日々が続いたのだが、ついには彼女が一勝も出来ないまま卒業式の日に。
もうこれで彼女と競い合わなくてよくなると清々した気持ちと少しのもの寂しさを覚えていると、彼女が「勝負よ!」と突っかかってきた。
最後までこの調子か……と呆れていると、彼女は私の手をとり有無を言わせず私を外へと連れ出した。
何する気だと訝しむと「今からデート勝負よ! 惚れた方が負けなんだから!」と、照れているのか手を引きながら先を行く彼女はろくすっぽ目を合わせず言い放った。
続けて「こんな負けっぱなしでさよならなんてできないわ! あなたはずっと私と勝負するの! ずっと私と一緒にいるの!」と。
必死な彼女を見て、どうして今まで私に突っかかってきたのか理解し、「あんた最初から負けてんじゃん」と苦笑した。
その日初めて勝負は引き分けた。
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