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名前付け

 楽しみに取っておいた少しお高めのプリンを姉に取られてしまった。

 問い詰めても「名前を書いてない方が悪いんだよーん」と悪びれた様子もなく開き直られ逃げられてしまった。

 このまま泣き寝入りするしかないのかと半ベソ諦めモードに入っていると、見かねた料理上手な妹が手作りプリンを作ってくれた。

 作ってくれたプリンはとても美味しく、すっかり機嫌の良くなった私は妹に「何かお礼するよ、何がいい? なんでもするよ」と言った瞬間、妹は何も言わずに持っていたペンで私の手に妹の名前を書き始めた。

 訳が分からず「どうしてそんなことするの?」と聞くも「なんでもするんでしょ。私のものになってよ」とよく分からない返答が。

 首を傾げていると、そこに姉がやってきた。「これ、あげる」と姉からぶっきらぼうに突き出されたのは食べられたのと同じプリン。

 逃げたのじゃなくて新しいのを買いに行ってくれてたのだと分かり、素直じゃない姉の不器用さを可愛く思いつつ、ありがたくプリンを受け取ろうとして――妹が私の手を掴んで止めた。

 「そのプリン食べないで」と強く言う妹に私も姉も困惑。続けて妹は「小姉はもう大姉と仲良くしないで」と言い放った。

 理解出来ず二人して固まっていると「小姉はもう私のだから」とそのまま妹の名前が書かれた私の手を姉に見せつけたのだった。

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