生物
私の友達にナマモノ好きのカプ厨がいる。
ナマモノ……いわゆる実在する人物で妄想する性癖のことだ。
そんな性癖のある彼女の辞書に節操という字はないそうで、担任×優等生、生徒会長×副会長、双子の姉×妹……などなど、少しでも絡んでる様子を見つけると妄想が加熱するようで、彼女の中で勝手に付き合ってることになってたり、付き合ってないにしても肉体関係を結んでいることになっていた。
まあ、隠れてこそこそ妄想するだけならいいか……いいのか……? と戸惑いつつも彼女の熱い妄想を聞かされる日々。
そんなある日、私は部活の後輩に呼び出され「ずっと憧れてました! 先輩の走りが目から焼き付いて離れないんです! 好きです、付き合ってください!」と告白された。
当の後輩は告白が終わると「返事はすぐいりませんので~」と言って逃げるようにその場を走り去ってしまった。
どうしたものかと立ち尽くしていると物陰に隠れている友達を発見。どうやら告白されているのを見られた様子。
友達は興奮して涎を垂らしながら「いいものを見させてもらいましたなぁ~」と盗み見していたのを悪びれずニコニコしている。
続けて「これは新たなカプ妄想が捗りますなぁ~」と。
間違いなく私と後輩で妄想する気だ。そう確信し……私の気持ちも知らないで、とムッとしたが……これは私の気持ちを伝えるチャンスだと気づいた。
「私としては後輩より、私と君とのカップリングを想像して欲しいけどね」
「えっと……えぇ……」
予想外の言葉に友達はしどろもどろになった。




