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鬼も十八番茶も出花

 学生時代から連れ添ったパートナーがいる。

 もう何十年の付き合いになる。

 朝、同じベッドで目覚めると彼女は決まって「今日も綺麗だねぇ」と言ってくれる。

 もう乙女って歳じゃあるまいし、いちいちそんな言葉で喜びはしない。

 それに私はもう言ってはなんだがおばさんだ。お世辞にも美人と言われるような見た目をしていない。

 だから、きっと彼女のそれもただの挨拶のようなもの。

 悲しいけど本心では言ってないんだろうな……。

 ある日、二人でテレビを見ていた時のこと。

 妙齢のおば様コメンテーターが若くてキャピキャピしているモデルだかなんだかしている女の子に向かって「若いうちは綺麗~とか可愛い~とか持て囃されるけどな、そんなの当たり前やねん」とまくし立てるように言っていた。

 ふーんと思いながらテレビを見る。

 まあよくある説教だ。

 そのおば様は続けて「歳をとるとみんなしわくちゃなババアになっちまう。若い頃の美しさなんていつか無くなっちまうもんさ」と。

 まあ、それもそうだなと同意する。

 けど、それならやっぱり彼女が毎朝私に言ってる「綺麗だよ」って言葉は嘘なんだろうな。

 少し悲しい気持ちになっていると、「けど」とテレビの中のおば様は続ける。

「いくつになっても綺麗なやつはいる。それは見た目が綺麗ってだけじゃない。魂が綺麗ってことさ。優しさだったり思いやりの心だったり……そういう魂の綺麗さってのは見た目にも現れるもんだよ」

 その言葉を聞いた彼女は

「君のことだね」

 とニコニコしながら言った。

「いや、綺麗なのはあなたでしょ」

 と、思わず言ってしまった。

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