好きだと気づく瞬間
よく後ろをちょろちょろと着いてくる友達が一人いる。
そいつは私が忘れ物や落し物をしたら気づいて教えてくれたり、私が授業で分からなかったところを分かりやすく教えてくれたり、頼んでもないのに生徒会の用事を手伝ってくれたりする。
そんな調子だから学校にいる間はずっとこいつと一緒にいるなんて日もざらにあった。
いつもついてくるから正直なんだこいつ……と思うことも少なくなかったが便利だったので特に何も言わずそのままにしておいた。
ある日、私は生徒会の議事録の作成を放課後に残ってやっていた。
当たり前のように一緒に作業してくれているそいつに「なんでいつも手伝ってくれるの?」と問いかけると、夕焼けに頬を染めながら「だって好きだから」と返ってきた。
人の世話を焼くのが好きなのかなと思っていたら「あなたのことが」と続けられ、思わず彼女の顔を見ると明らかに夕焼け以外の理由で顔を真っ赤にしていた。
それなのにさらに「こうやって手伝えばその分あなたと一緒にいられるでしょ」と。
その健気な言葉に、彼女が今まで尽くしてくれていた理由に気づいた。
――好きだから。私の事が。
真っ直ぐ向けられた好意に嬉しくなるのと照れるのとがいっしょくたになり、私も頬を夕焼けと同じ色に染めた。
そうして見事友達から恋人になったそいつは、それからもずっと私の事を支えてくれたのでした――。
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