類友
「おーほほっ! 一般庶民じゃ一生かけても食べることの出来ないものですわよ! ありがたく召し上がることね!」
とある学園にとーってもお金持ちなお嬢様がいた。
そのお嬢様は自分がどれだけお金持ちなのかを見せつけるのが好きで、よく他の生徒に高級な食べ物やブランド物のバッグを与えていた。
もちろんただであげている訳では無い。
「今日もとても美しいです」
「ああなんて素敵な方なのでしょう」
お嬢様を褒めたたえて気持ちよくすること。
要は媚びを売って気に入られたら施しがあるというわけだ。
そんななかで一際お嬢様に気に入られている子がいた。
「え? お嬢様? あまりの美しさにミケランジェロの彫刻が歩いてるのかと思いました」
「声が透き通っていて綺麗ですね。もうこんなん魚が泳げるくらいの綺麗さですよ」
正直あまりに大袈裟に褒めるものだから、馬鹿にされてるのかしらとお嬢様は疑っていたが、慣れてくると中々気持ちいい。
そんなわけで一番のお気に入りだったのだが……まあ、それも施しがあるからで心の底からは思ってないんだろうなと思っていた。
ある日、お嬢様が一人歩いていると、お気に入りの子が友達らしき人と話しているのを見つけた。
「よくあんな高飛車なやつの相手なんてできるね」
「そうそう。自分は金を持ってますアピールが激しいのなんの。うざったらしいったりゃありゃしない」
友達らしき人がお気に入りの子に向かって言っている。
話す内容を聞く限り……
(私のこと……)
お嬢様は思わずもの陰に隠れた。
鼻持ちならないやつに思われている。そんなことはしょうがない。
実際、裕福であることくらいしか誇れることがないのだから。
ちょうどいい機会だ。このまま隠れて聞いていれば、お気に入りの子が本当は私のことをどう思ってるのか分かるだろう。
そう思っていたお嬢様の耳に届いたのは――
「いや、お嬢様かわいいじゃん。見た目もそうだけど中身も。だってあの美術品かってくらい整ってて綺麗な見た目で甘いものに目がなくてクマのマスコットが好きっていう子供みたいなところ……ギャップだよねぇ〜たまんないよねぇ。で、時々自信なさげになるところもいい! お金も持ってて見た目をいいのに、それでも自分に自信ないって言うところがとっても可愛いなって思う。思いっきり褒めてあげたい。声もいいよね。高いソプラノボイス……売れるよあの声! あとあと……」
と、延々と続くお嬢様への褒め殺し(?)は、聞いててむず痒くなったお嬢様がもうやめてと飛び出すまで続いた。




