私の神様
「私の神になってください」
部活が終わり帰ろうとして校門をくぐったところ、出待ちしていた後輩に突然そう言われた。
本当に突然。彼女とは面識もあってないようなものだ。
一応顔は知っているが名前は知らない。
確か前、バスケの試合を見に来てくれた子だ。
変なのに絡まれたなと鼻白むが、拒絶するほどのものでもない。
「えっと……応援してくれるのは嬉しいけど、神とかそういうのはやめてほしいな」
できるだけ優しく諭したが、後輩ちゃんは首をゆっくりと振り、
「いいえ、あなたは神です。私にとって神なんです」
と、かたくなに私を神にしたがった。
あ、これどれだけ訂正しても聞く耳持ってくれないやつだ……と察した私は、もう神でも何でもいいけど、後輩に自分のことを神と崇めさせてるとかあまりにも外聞が悪いため、私が神だと周りに言いふらすのだけはやめてもらおうとして――
「××病院で3151グラムで生まれて、その後大きな病気なく成長。△△幼稚園ではお遊戯会で王子様役やられてましたね。小学4年生の頃に部活でバスケを初めて以降、ずっとバスケ一筋。高校受験の時、スポーツ推薦取れるくらい実績があったのにも関わらず、フェアじゃないからという理由で一般受験し、見事第一希望に合格する。真面目で努力家なところに私は心底心酔しております」
急に座った目で私の来歴を語り出した目の前の女。
しかも合ってる。間違ってない。
「なんで、知ってるの……?」
恐る恐る聞くと
「だってあなたは私にとっての神なんですもん」
と、理由になってない理由を語る女に恐怖した。
その後の学生生活……いやその後の人生を目の前のカルト女に崇拝され、尽くされることなどこの時の私は知る由もなかった。




