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バズ

「伸びない……」

 自撮りをイン○タに上げてもいいねがつかない。

 正確には毎回同じくらいの数のいいねはつくが、それ以上伸びない。

 新規が増えていないのだ。

 これはよくない。確かに毎回いいねしてくれる固定ファンがいるのはいいことだが、このままでは閉じたコンテンツで終わってしまう。

 なんとかして新規を取り入れないと……そうして考え出した苦肉の策がツラのいい女と一緒に写真を撮ることだった。

 幸い友達に見とれるほどの美人がいるのでそいつを利用することにした。

 SNSに興味無いという彼女をなんとか口説き落としツーショを撮り、投稿。

 見事、目論み通り見たことの無い数字をたたき出した。

 これはいいぞ……! 味をしめた私はソイツとの絡みを増やしていった。

 加速度的に増えていくフォロワー、拡散される投稿、連発する万バズ。

 だが、それも一時のこと。

 次第にまた投稿が伸びなくなった。

 新規フォロワーの伸びが収まるのはいい。牌をとっただけのことだ。

 だが、インプといいね数のアベレージも落ちてきているのは良くない。

 この状況は――

「飽きられ始めてる……」

 どうにかしないといけない。でも、どうすれば……。

「こうすればいいよ――」

 悩んでいると不意に友達が私の頬にキスを一つ。

 パシャリ。

 その様子をカメラに収めていた。

「うん、うまく撮れた」

「な、なにして……」

「過激なことすれば数字取れるよ」

 さも当たり前のように語る彼女。

 その甘い誘惑に私は――

 

 …………

 ……

 

「次はなにする?」

「私が耳たぶを甘噛みするよ。君は映りのいいピアスして」

 数字に取りつかれた私は誘惑に勝てなかった。

 過激な写真を撮り……それも飽きられたらより過激な写真を……。

 そうして引くに引けなくなった私たちは今宵も二人で顔も知らない誰かの目を引くような写真を撮る。

 だが、意外だった。

「どうしてこんなに私に付き合ってくれるの? SNS興味なーいって感じだったのに」

「だって数字のためなら私とどんなことでもしてくれるんでしょ?」

「え?」

「せいぜい飽きられないように過激なこと、し続けようね」

 どうせもう私から逃げられないんだから、そう言う友達の目は獲物のかかった蜘蛛のようだった。

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