phase.01 依頼調査開始
冒険者の証言では、トロールは発見できなかったことが記されていました。ただ、洞窟の入口には夥しい人骨が散乱し、トロールの存在を強く感じたと記されていました。まさに、地獄のような光景であったとも。しかし、足跡、体毛などの記載はありませんでした。
旅商人はもう町には居らず、保険料を受け取ると姿を消したようです。証言では、トロールに襲われたとか。洞窟のある崖とは近くは無いものの、襲われた場所はトロールの十分な行動範囲であると判断できます。
酒場では、依頼の際、雇われたが、逃げられて前金しか受け取れなかったと溢す斥候の男を見つけました。地元の錬金術師兼週末冒険者の魔法使いに伝があるそうです。
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「ふむ、興味深い情報が揃ってきましたね。手がかりは少ないですが、見えてきました」
私は得られた情報を整理し、次の行動を決定します。
ステップ1:情報の整理と仮説の強化
1.1 過去の失敗事例の再分析
* 「トロールは発見できなかった」:過去の冒険者は、人骨の光景に圧倒され、「トロールに違いない」という先入観で探索を続け、本体にたどり着けなかったか、またはトロールではない何かの罠にかかった可能性が高い。
* 「人骨の散乱」と「足跡・体毛の欠落」:
* 人骨が夥しいのに、トロールの存在を示す生物的な証拠(足跡、体毛など)がないのは極めて不自然です。
* 仮説A: 人骨は、トロールではなく、別の強力な人型モンスター(オーガ、ゴブリンの群れ、盗賊団など)が、トロールの仕業に見せかけるために意図的に集めて散乱させたもの。
* 仮説B: トロール自体が、極めて知性が高く、巣の周囲の痕跡を完全に消す特殊な個体である。
* 仮説C: 洞窟はモンスターの巣ではなく、**単なる「死体捨て場」**であり、本体は別の場所にいる。
1.2 旅商人に関する情報の再分析
* 「襲われた」と証言後、「保険金を受け取り姿を消した」:
これは非常に怪しい行動です。
* 仮説D(最有力): 旅商人はモンスターに襲われていない。彼は保険金を詐取するため、または盗賊団や別の組織とグルになっており、洞窟を「トロールの巣」として喧伝する役割を担っていた。この証言はミスリードである可能性が高い。
* 被害が広がっているのは事実であるため、旅商人のグループとは別の「真の脅威」が存在するか、旅商人の件とは別に、その噂に乗じた新たな賊が活動を始めた可能性がある。
ステップ2:最優先行動 — 斥候と魔法使いとの接触
過去の冒険者たちが情報収集に失敗した可能性が高い中、**「斥候」と「地元の錬金術師兼週末冒険者の魔法使い」**という、現地に精通し、特殊なスキルを持つ者と接触するのは最善手です。
行動:
* 斥候の男に声をかける:
* 酒場で斥候の男に丁重に声をかけ、逃げられたことへの同情を示しつつ、「あなたが依頼で何を見たか」、そして**「なぜ逃げられたのか」**について詳しく聞き出す。
* 報酬とは別に、「情報料」を出すこと、そして、この依頼が成功すれば、彼の名誉回復と魔法使いのツテも守られることを強調し、協力を仰ぐ。
* 魔法使いへの紹介状/口利きを依頼する:
* 斥候が持っているという**「錬金術師兼週末冒険者の魔法使い」**とのツテを利用させてもらう。
* 魔法使いは錬金術師でもあるため、トロールの弱点である酸や毒の薬、あるいは痕跡を感知する魔法に長けている可能性が高い。この難しい依頼には、彼の知識と能力が不可欠である。
ステップ3:魔法使いからの知識の取得(次の段階)
魔法使いと接触できたら、以下の知識を優先して求めます。
* 錬金術的知識: 岩場の環境で、トロールではない**「何か」が残す可能性のある特殊な痕跡**について尋ねる。
* 魔術的知識: 「人骨が散乱し、地獄のような光景」という証言から、幻覚魔法や恐怖を与える魔術的仕掛けの可能性を尋ねる。これにより、冒険者が「トロールの存在を強く感じた」という心理的な現象の裏付けを取る。
私はすぐに斥候の男を探すため、酒場へと向かいます。
「まずは、この依頼の『真実』を知る者を見つけることだ」
おー、凄いです。めちゃめちゃちゃんとRPGしてくれてます。そして、推理も堅実です。グイグイ来られると、圧で気後れしそうになります。アドリブでやりきれるのか自分
というかよく考えたら、保険をあっさり受け取って姿を晦ますとか、無理筋ですね。




