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2人でお買い物

翌日ーー

昨日の約束通りジントはヒカリと精霊の森にある市場に来ていた。


「結構大きな市場があるんだな。」ジントが感心している。

「ここが精霊の森で唯一の市場だから。あとは各集落に個人商店みたいなのがあるだけよ。」

「そうなのか。まずはここで使えるお金に両替しないとな。」

手持ちの王国のお金は金貨と銀貨なので王国が危うくなっても貴金属としての価値があって両替してくれるらしいのはありがたいところだ。


「そうね。両替所はこっちだから。」

ヒカリは(そういえば2人っきりで外に出かけるのなんて初めてのことよね。)と思い少し緊張気味に

なっていた。(このチャンスムダにはできないわ。ここで引いたらジン兄の中でのアタシの序列は永遠にディーア様の次、下手したらあのポッと出の妹もどきにも負けちゃうかも知れない。)

「ここは積極攻勢あるのみ!ファイトよヒカリ!」

「ん?ヒカリなんか言ったか?」

「ううん、何でもないわ。それより両替所に着いたわよ。」いけない、考えが声に出てたわ。


そこへ2人連れのの若者が声をかけてきた。

「あれ、王女様の騎士さんじゃないですか!」

「スベラの町で会ったミラドウです。こいつは弟のニシル。」よく見ると彼らにはハルアに来る前に立ち寄った町で会ったことがあり、ディーアが王都を追われたことを知るとすぐに決起して王都を奪還しに行くと勇ましく言っていた青年たちだった。ミラドウに紹介され、弟のニシルはペコリとお辞儀をする。

見たところ兄のミラドウの方は少し血の気が多そうだが弟の方はまだあどけなさが残りかわいい印象だ。


「ああ、キミたちもここに来ていたのか。」ジントが問いかける。


「王女様が街を出られた次の日に王都の方角から黒いモヤみたいなものがやってきて、あれが王女様が言われていた結界だと思うんだが、それが町を覆い始めてみんながおかしくなっていったんだ・・オレ達は2人で逃げることしかできなかった・・・チキショウ!できることなら今すぐにでもみんなを助けに戻りてえ!!」


「兄さん、きっと王女様と一緒にみんなを救える日が来るから今は耐えよう。騎士さん、ここに集まっているのは僕たちだけじゃないんです。途中の街や村で志を共にする仲間たちと会ってその中に精霊族の人もいたのでここに身を寄せることにしたんです。ここで王女様の合図を待つことにします。」

「それは心強いな、王女・・様も喜ばれることだろう。」

「はい。今は10人ですがまだ敵に襲われてない町から仲間を集めてますので王女様が王都を取り返しに行くときには絶対に一緒に連れて行ってください。」

「分かった。王女様には必ず伝えておくよ。だから王女様から合図があるまでは早まったことはしないで欲しい。」

「わかりました、では僕たちはこれで。さあ行くよ兄さん。」

「お、ちょっとだけ待て。お嬢ちゃん、ちょっとこっちこっち!」と兄のミラドウがヒカリを

手招きする。


「?なにかしら」

「いいから、ちょっとここだけ話だ。ほらニシル、少し騎士さんとお話ししてろ。」

ドン!とミラドウがニシルの背中をこちら向けて押す。ニシルがおっとっととふらつきながら

こちらへやってきた。ヒカリは、しょうがないわね。というようにミラドウの方によっていった。

「まったく兄さんは・・・そういえばジントさん、今日は王女様はどうされてるんですか?」

「ああ、王女様なら・・・・・」などと当たり障りない会話をしているとヒカリが戻ってきた。

ミラドウが何かヒカリに耳打ちしていたようだったが・・・


「おい、ニシルいくぞ!」ミラドウに呼ばれて「それでは失礼します。」と兄弟は去って行った。

「何の話だったんだ、ヒカリ?」

「え?ああ、大したことじゃなかったわ。ルリィさんのことが個人的に知りたかったみたい。

 だから競争率高いわよって教えておいたわ。」

「そうなのか、それは大変だな・・・色々と。」


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(ヒカリ視点)ミラドウとの会話

「お嬢ちゃん、間違ってたらスマンのだがお嬢ちゃんはあの騎士さんのことが好きなのかい?」

ミラドウが耳打ちしてくる。

「な、なに言ってるのよ。くだらないことで呼ばないで・・・!」

「アタリか、待て待て、帰ろうとするな。協力してやる。お嬢ちゃんの恋が叶うように。」

「!?アンタ何を企んで・・・」

「なに、オレは騎士になりたいんだ。もちろんそのためには王女様のところで武功をあげなきゃ

 なんねえってのは理解してる。だがよ、王女様に近しい奴に恩を売っておいて損はねえ。

 それだけだ。」

「信用できないわ。それに協力って何するつもりなのよ。」

「ヒデエな・・・まあ良い。ほら、これをやる。」ミラドウは小さな瓶をヒカリに渡す。

「これは何?」ヒカリが怪訝な表情で問う。

「お嬢ちゃんなら聞いたことくらいはあるだろ。スベラの惚れ薬のこと。これを二人きりの時に

 相手に飲ませて相手を見つめるだけで良い。そうすりゃあイチコロよ。」

「イチコロってアンタねえ・・・」

(これがあのスベラの惚れ薬!?)ヒカリは動揺した。しかし(いやいやこんなものに頼っちゃ

 ダメでしょ)と思い直す。

「まあいいから取っとけって。いざという時のお守りみたいなもんだと思えば良い。」

ミラドウはヒカリに惚れ薬を握らせると

「さあそろそろ戻らないとあっちの話題が尽きちまう。戻ったら、そうだなオレにはあのおっぱいの

大きなねーちゃんのことでも聞かれたとでも言っておけば良いだろう。」

「じゃあ、戻りな。上手くやんなよ!」と言うとヒカリの背中をジントたちの方へ向かって押した。

(まったく勝手なんだから、こんなもの・・・・・・これはでもひょっとしてチャンス・・・

 なのかしら。。。?」そうしてヒカリはジントのところに戻った。

(ヒカリ視点終了)

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