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里長(リミリ)

次の朝目覚めるとジントは昨日のことをディーアにどう伝えるべきか悩んでいた。

(まさか封印を解くのがキスだなんて・・・どう伝えればいいんだろう)

そして手の中にあるルーア様が書いてくれた封印解除方法が書かれた紙。そこには・・・


(この儀式の実行は被封印者が大切に想っている異性に限る。)

※まず相手の瞳を見つめながら

「「汝を護りし闇の箱、その役目を終え閉ざされた扉を開放せよ!愛してる!!ブチュー♡」」

と書かれている・・・うん、多分最初の※相手の瞳を見つめながらと最後の愛してる!!は

ルーア様が勝手に付け足したんじゃないかな・・・愛してるは文脈おかしいし。

そんなことを考えているとドアをノックする音がした。

「ジント、起きてる?入るわよ。」ドアが開きディーアが入ってきた。


「おはよう、ディーア。」


「おはよう。で、どうだった?お母様には会えたかしら?」


「会えたよ。成功だ。」


「本当!?で、お母様はなんて言ってたの?」

オレはまずディーアには力が封印されていること、それと王都を襲ったのは神族かそれに近い者

であること、たとえディーアが力に目覚めてもそれだけでは勝てない相手だろうから仲間を集める

必要があるということ、あとなぜかオレにも早く目覚めろみたいなことを言ってたことを話した。


「なんかたくさん話したのねジントいいなあ・・お母様とお話しできて。」

「それで私の封印を解くにはどうしたらいいのかしら・・・?」


「そ、それは・・・・その前に、聞いておきたいことがあるんだ!」


「なあに?聞いておきたいことって?」


「ディーアは・・オレのことどう思ってるんだ?」


「え・・・?なんでそんなこと聞くのかしら?それが封印を解くのとなにか関係があるの?」


「あるんだ。これを見てくれ。」ディーアにさっきの紙を渡して見せた。


「これは、お母様の字・・・。え?なにこれ・・・まさか・・封印を解く方法って・・・。」


「大切な人から行う・・・その、あれだ。」

ディーアは赤くなってうつむいてしまった。き、気まずい!

その時、廊下からルリ姉の声が聞こえてきた。

「みんな~朝ごはんできたから降りてきて~~」天の救い!!


「朝ごはんの時間らしい。ディーア、リビングに行こう!」

努めて明るくそう言うとディーアにも一緒に行こうと促す。


「そ、そうね。みんなを待たせちゃ悪いし・・・行きましょ。」

と、とりあえず難しい問題は先送りにして、今日は精霊の里長に会いに行くんだったな、確か!


ディーアと二人で下に降りるともうみんな集まっていた。

「あら~?二人で降りてくるなんてもしかして今まで一緒にいたのかしら~~?」

ルリ姉が今度は余計な一言を言う。


「な!?まさかジン兄、ディーア様と二人きりで一緒にいたとか・・」ヒカリがわなわなと震えている。


このままだとまたあの必殺の右ストレートが飛んでくるに違いない!

人生は選択の連続だ!こまんど?

①ごまかす!

②正直に一緒にいたと言う。

③話題を変えることを試みる。

・・・①は通用しない可能性が高い・・・②は瞬殺なので無いとして、③を試そう。

「そ、それよりもヒカリ。今日は里長に会いに行くんだろ?どんな人なんだ?」


「まさかアンタ、そういう趣味なんじゃないでしょうね!」


「??そういう趣味?どういう意味なんだ?」


「わからないならいいの!さっさと朝ごはんたべちゃうわよ!」


「なんなんだ一体・・・?」

ジントは話題を変える、に成功した!・・・しかし混乱のデパフをかけられた・・・


朝食を終えると早速オレたちは5人で里長のところへ向かうことになった。


「里長ってどんな方なのかしら〜〜」ルリ姉が尋ねる。

ディーア

「里長っていうからには貫禄あるお爺さんなんじゃない?」

ヒカリ

「・・・前はね。行けばわかるわ・・・。」


トラクさんの家よりさらに森の結界を奥へと進んでいくとやがて少し開けた場所にバカでかい樹が立っている。

「ここだよ。里長の家は。」ケンが言う。


「じゃあ、行ってみようか。」ジントが歩き出すと辺りの木の陰から2人の兵士が飛び出してきた。

「待て!!ここはリミリの館。許可なく立ち入ることは許されん。早々に立ち去れ!!」


ケンが前に出て話す「里長に会いに来ました。こちらは人間国の王女ディーア様です。ご挨拶のお取次ぎをお願いします。」


「お前はナダの息子か。しかし人間国の王女が来るなんて話は聞いてないぞ。」

「どうする?」兵士2人は相談を始めた。


そのとき、里長の館の扉が勢いよく開いて中から10歳くらいの女の子が飛び出してきた。

「お兄ちゃ~ん!!!」そう叫びながらジントの胸に飛び込んで抱きついた。

一同「??????」


「リミリ、お兄ちゃんに会えてうれしいよ~。ずっと会いたかった。すりすり♡」


「な・・・ちょっとアンタたち離れなさい!」ヒカリがジントとリミリの間に入ろうとするがリミリは

風を操り飛び上がってヒカリの手から逃れる。


「お兄ちゃんはリミリのもの~。誰にも渡さないんだから!」


「ぐぬぬ~~」ヒカリが怒りに体をわなわなと震わせているのが見える・・・後がこわそう・・・

っていうかヒカリ、仮にも女子がぐぬぬ~って・・・


「まあまあ、ヒカリ、身長は一緒くらいでも相手は小さい女の子なんだからそんなに目くじらたてて怒らなくても。。。」ケンがヒカリをなだめる。


エルフ兵士1「あのー、リミリ?お兄ちゃんというのは?」


「んーー?お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ。あ、君たちもういいから持ち場に戻って。」


エルフ兵士2「しかしこのような怪しげな連中の中にリミリを残しては・・・」


「聞こえなかったのか?私は戻れと言った。」

先程までの甘えた声とは比べものにならないくらいの

威圧的な声がリミリから発せられた。


エルフ兵士コンビ

「しょ、承知しました!それではお気をつけて!」


ケン

「あの。里長。ジントのことをお兄ちゃんというのは?」


「ん?ケンじゃない。久しぶりね。あと里長はやめてって言ってるでしょ。リ・ミ・リ!分かった?」


「は、はあ。じゃあリミリさん。それでジントのことは・・・」


「リミリ・・・さん?違うよ、もっと親しみを込めて、リ・ミ・リ!」


「じゃあ、リミリ。それで・・・」


「まあいいわ。ほんとはお兄ちゃんと2人きりがいいけどしょうがらないからみんな入れてあげる。ついてきて。」

そう言うとリミリはジントの腕をからめながら引っ張って館の中に入って行った。

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