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最後の転生者2

 専用列車に乗り込み一休み出ると思ったがスネイル達と食事をする事になった。


 テーブルマナーとか分からないけど失礼な事したら打首とかあるのかな。


「食事が進んでいないぞ。こっちに来る前に食事でもしてたのか」


「さっきまで色々あって食事が喉を通らないんだよ。他のクラスメイトの事も心配だし」


「君以外に転生者が来てないか捜索していたがキールは、何か知らないか」


「その事ですが」


 キールは言うのを躊躇ったが大丈夫だと言って話すよう求めた。


「椿に似た服装をしていた死体は、見つかっています。皆、高い所から落ちた様な死に方をしていたと無線で報告が来ています」


「やっぱり皆死んでたか」


 ため息をして外の景色を見ると自然豊かな光景が広がっていた。


 転生先が戦場の真ん中じゃなくて緑豊かな所だったらどれほど良かったかと思いながらパンを口に運んだ。


「硬いなこのパン」


「そうか? これでも柔らかい方だぞ」


 これが柔らかい方なのかと思い少しは、食べて外を見ると洋風な都市が見えてきた。


「そろそろ着くぞ」


「あれが帝都なのか?かなり小さいけど」


「あそこは、ドワーフが統治してる鉱山都市で鉱物資源なら大抵あそこから採れる」


 列車の進路は、真っ直ぐ鉱山都市に向かっていき都市内の駅に止まった。


「何で止まるだ」


「君目線で見てもらいたい物があってね、それを見に行くんだよ」


「俺の目線ってどんな物を見せるんだよ」


 列車を降りて都市の奥へ、歩き続けると日本語で工廠と書かれてる敷地に入るとそこには、戦車や戦闘機等の兵器が置かれていた。


「異世界に来てまで戦車や戦闘機を見れるとは、思わなかったな」


 俺は少し·····否かなり転生先の技術力を舐めていた。まさかここまでとは。


「椿からその名前が出ると言う事は、元居た世界にも同じ兵器が作られていたか。


 だが今から見せる兵器は君が居た世界に無かった兵器だろう」


 スネイルはキールに工廠の大きな倉庫の入口を開けさせるとそこには6m位の人型ロボットが並んでいた。


「これはロボットですか」


 俺は興奮して子供の様に燥いだ。それを見たミリア以外の皆は、少し引いているのを見て我に戻る。


「ごめん、取り乱した」


「その反応だと人型のロボットはまだ君の世界には、無いと言うことだな」


「人型の大きなロボットは物語の中だけなんですよ。これって何で動いてるんです?」


 キールは近くの机に置いてある金塊を持ってきて渡してきた。


「まさかこの金塊で動いてるのですか」


「この金塊の中に特殊な魔力があってね。かなりの魔力量を溜め込んで、油と石油とこの金塊で動かせる」


 兵器技術がここまで進んでいるのに俺の協力は必要ないだろ。別に何かあるのか。


「俺に見せたい物はこの兵器じゃないですよね。帝都に行くと言ってたのに鉱山都市の兵器工廠にわざわざ足を運んだのは別に何かあるんじゃないですか」


「これを見て欲しかったのもあるが、君に渡しておこうと思った武器があってね」


 皆を置いて2人で奥に歩いて行くと木箱が置かれていた。開けると布に包まれた日本刀が入っている。


「この武器は神殺しが使っていた武器で数多くの命を奪った武器だ。持ってみてくれ」


 銃弾が飛び交う世界で渡されるのが銃じゃなくて日本刀とは、これでどうしろと。


「手に取ったけど何にも感じない。ただの刀じゃないか」


「その武器の力は鞘から抜いたら分かる」


 言われるがまま少し抜くと刃から人魂が出てきた。驚いたが段々と緊張が無くなってきてさっきまでの恐怖や疲れが一気に無くなった。


 ゲームの世界から来たカズキの武器だ。かなりの特性を宿った武器なのだろうと思い鞘に戻した。


「この武器の特性は人魂を出せれるとしか分かっていない。転生者以外の者が抜けば精神がおかしくなり自分の首を切ってしまう、君が使い続ければ別の能力も出てくるだろう」


 そんな怖い武器所持してたく無いんだが。

 精神がおかしくなって首を斬って死んだらどうするつもりだったんだ⋯⋯。


「もう一度言うけど俺って何の力も持ってないですからね」


「その武器を使いこなせなくても私が持っているより君が持っていた方が何かと役に立つだろ」


 スネイルが皆の方に戻って行き俺も跡をついて行く。

 歩きながら改めてロボットの方を見ると魔法技術があれば人が操れるロボットを作れるんだな。元の世界の技術力じゃ作れないだろう。


 これも異世界だから作れる産物か。

 この年代の異世界転生も悪くないかもな。生活基準や社会構成は元居た世界と似てそうだし適当に手伝ってそれなりのお金を貰って暮らすか。


 皆の元に戻り駅に向かう最中スネイルが方を叩き空を見るように行ってきた。宙を見てみると航空機の集団が飛んでいた。


「どうだ我が帝国の技術力はようやくここまで来れた。後は実戦で役に立つか」


 何か引っ掛る言い方だな。最近出来たような言い方じゃないか。


「答えられたらで良いですがこれらの兵器はいつ頃完成してどれ程実戦配備をしているのですか」


「流石に軍事機密を公表する方は、出来ないぞ」


「彼には、機密事項も言って構わない」


 スネイルが言ってもいいとの事だが流石に機密事項は、不味くないか。


「ここにある兵器は、昨年量産されたのがほとんどだ。先程の君が言っていた人型ロボットも同様だが本格生産は、今年からだ」


「急いで量産体制に乗せたが実戦の時にどう運用をすれば良いか分からないと」


「まぁそういう事だ、軍の上層部でも意見が分かれている。転生者なら分かると思っているがどうだ」


 陛下は転生者が全員、全知万能で優れた能力を持って来ると思っているのか。

 もしくは、この世界の連中が同じ様に思っているのか。


「運用方法なら少しは、分かりますが専門家で無いので期待しないでください」


「専門家でなくてもいいんだ、助言をして貰えれば助かる 」


 助言か⋯⋯学生だったのに転生したら皇帝の助言役になってしまった。しかもたった一日で。

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