表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

コピアポア・シネレア

作者: 黒実 音子

アントファガスタの

海岸砂漠(デシエルト・デ・アタカマ)は、

過酷な不毛(ラ・アリデス)にさらされ、

灼熱と極寒によって

常に有機の死と、

無機の沈黙が蓄積されている。


[死への道]と呼ばれる

その乾燥の大地には

無数の灰色の(カクトゥス)達が生えるのだ。


白綿の棘座(アレオーレ)

黒い棘を生やす

このコピアポア・シネレアと呼ばれる球体は、

世界で最も雨の降らない枯渇の砂地に、

糸状菌の子実体の様に

発芽しているではないか!!


海からやってくる霧で乾きを凌ぐ

この打ちひしがれ、

耐え忍ぶ(カルネ)達は、

砂地という巨大な死魚に寄生する

グロキディウム幼生の様だ。


ああ!!

棕櫚や十字架を焼いた

聖なる灰の様なその(ロリカ)を見よ。

それは、キリストがこの大地を愛した証であり、

今ではキリストの死体に被せられた

(コロナ・デ・)(エスピナス)となっている。


例え、枝の主日が終わり、

騒々しい猿達がその罪によって

滅び去ったとしても、

この(カルネ)達は愛の証として

アントファガスタの地に聳え続け、

キリストの王国の許しを得るその時を

焦がれ、待ち続けている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  何か面白くてビックリしました。私がこういうの読んで喜べる人間だったとは。  サボテンの詩ですよね…っていうと身も蓋もないのかな?砂漠のサボテンが魚にとりつく寄生虫のように…って不思議なこと…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ